SONY ICF-M770V (2号機)
SONY ICF-M770V (2号機) をゲット!
2019年5月19日、
ハードオフ
さいたま上小町店で TV/FM/AM ラジオの
SONY ICF-M770V
の中古ジャンク品が税込1,620円でした。
既に製造終了のラジオです。 発売日は2002年5月10日で、定価は11,000円 (税別) でした。
TV はアナログ放送用です。 既に放送終了しているので受信できません。
よって、この記事では FM/AM 受信しか評価していません。
付属品は [電源コード] でした。 製造シリアル番号は [255909] でした。
ジャンクの理由は、
滅多にバンド切換できません
です。 故障と聞くと修理してみたくなってゲット!しました。
たぶん病気です。 値段も手頃で暇潰しにイイ!
状態チェック
外観
ワレややヘコミはありません。 ロッドアンテナの変形はありません。 金属製のスピーカネットは綺麗です。
スレはありますが綺麗なほうです。
パッと見には非常に綺麗に見えます。
全体に手垢が見られます。
クリーニングで十分落ちそうです。
電池ホルダに液漏れ跡がなく、ホルダおよび接点は綺麗です。 蓋に貼り付けてられているスポンジにも劣化はありません。
電源 ON にてチェック
トップパネルにある [BAND] [1]〜[7] ボタンの全てで効きが悪いです。 強く長めに押してやっと効くという感じです。
フロントパネルにあるボタンや [選局] ツマミは問題なく動作良好です。
[音量] [音質] ツマミの操作でガリ音発生はなく、音も正常です。
FM/AM とも正常に受信できます。 感度も良いです。
TV はアナログ放送が終了しているのでチェックできません。
リペア
分解
3つのツマミを取り外し、写真左の [赤丸で示したネジ6本] を外してから、前後カバーを少し揺すると、写真右のように前後に開きます。
左の写真のように 8Ω 2.5W 直径120mm の大型スピーカを使っています。
右の写真は [キーボード基板] です。
写真をクリックすると拡大写真を表示できます。
[BAND] [1]〜[7] ボタンに対応するのは、基板の上側に並ぶスナップインタイプのタクトスイッチです。
LCD の下にシステムコントロールを行う MCU が隠れています。
基板の下側にある金属ボックスは、VT 電圧を発生させる昇圧回路 (DC-DC コンバータ) です。
ラジオ基板の表面と裏面です。
それぞれの写真をクリックすると拡大写真を表示できます。
ラジオ回路は PLL シンセサイザー方式です。 内蔵 AM バーアンテナの長さは 120mm です。
以下の IC を使用しています。 逆に言えば、1万円以上の高級ラジオでも主要 IC は2個だけと言うことです。
ボッタクリ?
IC 番号
メーカ
IC 型式
概要
備考
IC1
TOSHIBA
TA7358APG
FM フロントエンド
TV 音声を受信
(今は放送していないので無用の長物)
IC2
SONY
CXA1019S
FM/AM Radio
AF パワーアンプも内蔵
(FM/AM 受信からスピーカ駆動まで行うスーパーチップ)
修理とクリーニング
[BAND] [1]〜[7] ボタンの効きが悪い
スナップインタイプのタクトスイッチ×8個を一斉交換して正常になりました。
タクトスイッチが劣化していました。 右の写真は交換後です。
秋月電子通商
で税込10円の
ALPS SKHHLPA010
を8個使いました。
部品代80円と私の情熱 (人件費 1Hr) を足したものが修理代です。
左が元々のタクトスイッチ
メーカ刻印が無いことより、おそらく中国製と思います。 ちょっと雑な作りです。
右が交換で使ったタクトスイッチ
ALPS SKHHLPA010
リードからの高さが 3.85mm です。
本当は
ALPS SKHHLMA010
のほうがオリジナルに近いです。
[PA010] [MA010] の違いは作動力だけです。 前者は 2.55N、後者は 0.98N です。
[PA010] は [MA010] に比べてボタンを倍くらい強く押す必要がありますが許容範囲内です。 まあ問題ないでしょう。
全体の汚れ
全体に OA クリーナでクリーニングしました。 一部に無水アルコールを使いました。
使ってみました
デザイン
格好良い SONY デザインです。 1万円を超えるラジオにふさわしい高級感があります。
キャリングハンドルは収納式で、使わない時はリアパネルに収まります。
[音量] [音質] ツマミの調節量は小さい窓に表示されます。 小気味良いです。
FM はロッドアンテナ、AM は内蔵バーアンテナで受信します。
電源
左側面の [AC IN] 端子から AC100V 駆動が可能です。 メガネケーブルを使います。
電池ホルダに単1アルカリ乾電池×4本を実装すると、330〜550時間も駆動可能です。
電源が完全消失 (AC100V と乾電池の両方) すると、時刻・アラーム・プリセット情報を60秒間は保持しますが、それを超えると消えます。
乾電池駆動時の電池交換は60秒以内にする必要があります。
受信周波数範囲
[BAND] ボタンでバンド切換します。
FM は 76〜90MHz で 0.1MHz step です。
AM は 531〜1,710kHz で 9kHz step です。
TV はアナログ地上放送の VHF 1〜12ch ですが、既に放送が終了しているので受信できません。
[マニュアル] [オートスキャン] [プリセット] チューニングができます。
マニュアル
[選局] ノブを浅く回すと、低速で受信周波数がステップ毎に変わります。
[選局] ノブを深く回すと、高速で受信周波数がステップ毎に変わります。
オートスキャン
[スキャン] ボタンを押すと自動的に受信周波数を増加方向に変化させて放送局を探します。
放送局が見つかると、その放送を3秒間受信した後、再度放送局を探します。
受信周波数上限に達した場合、受信周波数下限に戻り、再度放送局を探します。
プリセット
[1]〜[7] ボタンのいずれかを押すと記憶された周波数で受信します。
プリセットのしかた
[BAND] ボタンでバンド切換します。
それぞれのバンドに7局ずつプリセットできます。
[マニュアル] [オートスキャン] チューニングで希望の放送を受信します。
[1]〜[7] ボタンのいずれかを長押しすると、そのボタンに周波数が記憶されます。
評価
操作は簡単です。 取扱説明書を読まなくても直感で操作できます。
FM/AM 共、かなり感度が良いです。 特に AM では外部雑音に強いと感じます。
大きなスピーカと筐体のおかげか
余裕ある聴きやすい良音
です。 満足できます。
仕様など
ドキュメント
ICF-M770V 取扱説明書
海外版 ICF-M770L/M770S/M770SL ・・・ 受信周波数などが日本版と異なるが参考になる
ICF-M770L/M770S/M770SL Operating Instructions
ICF-M770L/M770S/M770SL Service Manual
新製品ニュース
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仕様
発売情報
項目
内容
定価
11,000円 (税別)
発売日
2002年5月10日