SONY ST-S333ESG

SONY ST-S333ESG をゲット!

2006年3月17日、ヤフオクにて SONY ST-S333ESG の故障品を落札しました。 送料込で3,000円でした。



到着した状態のまま、状態チェック

  1. 出品者のコメント

  2. 外観

  3. 電源 ON にて確認



SONY ST-S333ESG に採用されているテクノロジー

  1. 低ひずみ化

  2. 高 S/N 比

  3. 高セパレーション化

  4. デジタル系ノイズを徹底排除

  5. オーディオタイマ対応のプログラム機能

  6. マルチプロセスメモリによるワンタッチ選局



カバーを開けてみました

  1. なかなか凄まじい凝った作りです 写真をクリックすると拡大写真を表示できます

  2. 以下の IC を使用して合理化が図られています

    メーカ IC 機能
    NEC uPC1163HA FM IF Amplifier
    uPD75108CW MCU
    SANYO LA1235 FM IF System
    LA1245 AM Electronic Tuner
    LA5667 Multifunction Multiple Voltage Regulatoor
    LB1494 Level Meter for FLT Display
    SONY CX7925B PLL Direct comparator
    CXA1064 PLL FM MPX Stereo Demodulator
    SANYO LA3450 と同じ

  3. FM フロントエンド部



  4. SST (Super Sound Tracing) 回路

  5. FM IF 部

    以下の3つのモードがあって メチャメチャ豪華 です。 [CF201] [CF202] はユニフェーズ CF です。

    1. IF BAND:WIDE / stereo 時 (赤文字の部分は stereo WOIS 回路)

      (FE)→[FET]→[CF201]→[uPC1163HA]→[CF202]→[uPC1163HA]→ [IFT202]→[IFT204] →[LA1235]

    2. IF BAND:WIDE / mono 時 (赤文字の部分は mono WOIS 回路)

      (FE)→[FET]→[CF201]→[uPC1163HA]→[CF202]→[uPC1163HA]→ [IFT201]→[IFT203] →[LA1235]

    3. IF BAND:NARROW 時

      (FE)→[FET]→[CF201]→[uPC1163HA]→[CF202]→[uPC1163HA]→ [CF203]→[FET]→[CF204] →[LA1235]

  6. FM 検波部

  7. FM MPX 部

  8. AM 部

  9. プリセットメモリのバックアップ



リペア

  1. 受信周波数表示が変わるが全く放送が受信できない。

  2. 半田クラックのチェック

  3. しばらく使っていたら、新たな不具合を発見



調整

写真の FM/AM 標準信号発生器 Panasonic VP-8175A (以下 SSG)、 FM Stereo 信号発生器 MEGURO MSG-2170、 周波数カウンタ ADVANTEST TR5822 を使って調整します。 10年も経つとコイルやトリマはズレます。

  

  1. 調整ポイント

    BAND セクション 種別 調整ポイント 調整内容
    FM フロントエンド L L101
    L102
    L103
    RF トラッキング
    TC CT101
    CT102
    CT103
    L L104 OSC トラッキング
    IFT IFT101 IF
    WIDE IF IFT IFT201 mono ピーク
    IFT203 mono WOIS 歪補正
    VR RV201
    IFT IFT202 stereo ピーク
    IFT204 stereo WOIS 歪補正
    VR RV202
    NARROW IF VR RV203 IF GAIN
    同調検出 IFT IFT251 同調点
    検波 IFT IFT271
    IFT272
    PLL 検波
    TC CT271
    MPX L L301 パイロットキャンセル
    VR RV303
    RV301 ステレオセパレーション (L)
    RV302 ステレオセパレーション (R)
    SIGNAL VR RV241 S メータ
    ST LEVEL RV251 ステレオ表示レベル
    MUTING RV252 ミューティングレベル
    AM フロントエンド L FE401(R) RF トラッキング
    TC FE401(C)
    L FE401(O) OSC トラッキング
    IF IFT IFT401 IF
    SIGNAL VR RV401 S メータ
    AUTO STOP RV402 オートストップレベル

  2. テストポイント (TP)

    BAND TP 接続先 内容 備考
    FM R256 R256 両端 同調点電圧 0±20mV
    R278(R) R278(R)〜GND 間 PLL 検波 IF 波形観測 10.7MHz
    TP201 TP201 ピン間 PLL 検波調整時に短絡 短絡すると FE〜LA1235 が直結される
    TP271 TP271 ピン間 PLL 検波 NULL 0±20mV
    AM TP601 TP601 ピン間 AUTO STOP 検出 ピンの [フロント側:+] [リア側:−]
    FM/AM JW20 JW20〜GND 間 VT 電圧 バリキャップ印加電圧
    JW212 JW212〜GND 間 S メータ 受信レベル

  3. 電圧チェックポイント (VP)

    VP 表示電圧 標準電圧 実測電圧 判定 備考
    JW88 +30V +30.9V +31.0V 正常 PLL
    JW89 +15V +16.3V +15.1V 正常 AUDIO
    JW145 -17V -17.5V -18.1V 正常 FL
    JW213 +13V +13.6V +13.1V 正常 DIGITAL
    JW220 +5V +5.6V +5.7V 正常 DIGITAL

  4. FM 部の調整

    手順 SSG出力 ST-S333ESG の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - BAND : FM
    RF MODE : NORMAL
    IF BAND : WIDE
    MUTING : OFF
    CAL TONE : OFF
    - -  
    2 83MHz
    変調 : OFF
    出力 : 90dB
    83MHz 受信 IFT251 R256 両端電圧 = 0±20mV 同調点調整
    3 - 90MHz 受信 L104 JW20〜GND 間電圧 = 21.0±0.2V VT high
    4 - 76MHz 受信 - JW20〜GND 間電圧 = 8.0±1.0V VT low (確認のみ)
    5 76MHz
    変調 : OFF
    出力 : 40dB
    76MHz 受信 L101
    L102
    L103
    JW212 電圧 = 最大  
    6 90MHz
    変調 : OFF
    出力 : 40dB
    90MHz 受信 CT101
    CT102
    CT103
     
    7 手順5と6を数回繰り返す RF トラッキング調整
    8 83MHz
    変調 : OFF
    出力 : 40dB
    83MHz 受信 IFT101 JW212 電圧 = 最大 IF 調整
    9 - TP201 両端を短絡 - -  
    10 83MHz
    変調 : mono 1kHz
    出力 : 90dB
    83MHz 受信 IFT271 R278(R)〜GND 間波形 = 最大 オシロスコープで観測
    11 CT271 オーディオ出力 = 高調波歪最小  
    12 IFT272 TP271 間電圧 = 0±20mV  
    13 手順11と12を数回繰り返す PLL 検波調整
    14 - TP201 両端を開放 - -  
    15 83MHz
    変調 : mono 1kHz
    出力 : 40dB
    83MHz 受信 IFT201 JW212〜GND 間電圧 = 最大 mono WOIS 歪補正
    RV201 を時計回りに
    回し切ってから調整開始
    16 83MHz
    変調 : mono 1kHz
    出力 : 90dB
    IFT203
    RV201
    オーディオ出力 = 高調波歪最小
    17 83MHz
    変調 : stereo 1kHz
    出力 : 90dB
    IFT101 オーディオ出力 = 高調波歪最小 stereo IF 歪補正
    18 83MHz
    変調 : stereo 1kHz
    出力 : 40dB
    IFT202 JW212〜GND 間電圧 = 最大 stereo WOIS 歪補正
    RV202 を時計回りに
    回し切ってから調整開始
    19 83MHz
    変調 : stereo 1kHz
    出力 : 90dB
    IFT204
    RV202
    オーディオ出力 = 高調波歪最小
    20 83MHz
    変調 : stereo 1kHz
    出力 : 90dB
    83MHz 受信 L301
    RV303
    オーディオ出力 = 19kHz 成分最小 Pilot 信号キャンセラー
    21 83MHz
    変調 : R-only 1kHz
    出力 : 90dB
    RV301 L ch. オーディオ出力 = 最小
    (R→L への漏れ音)
    セパレーション調整
    22 83MHz
    変調 : L-only 1kHz
    出力 : 90dB
    RV302 R ch. オーディオ出力 = 最小
    (L→R への漏れ音)
    23 83MHz
    変調 : stereo 1kHz
    出力 : 20dB
    83MHz 受信 RV251 STEREO インジケータ = 点灯
    ちょうど点灯するよう調整
    STEREO 点灯レベル調整
    24 83MHz
    変調 : mono 1kHz
    出力 : 25dB
    MUTING : ON
    83MHz 受信
    RV252 MUTING = OFF
    ちょうど OFF になるよう調整
    ミューティングレベル調整
    25 IF BAND : NARROW
    83MHz 受信
    RV203 MUTING = OFF
    ちょうど OFF になるよう調整
    IF NARROW ゲイン調整
    26 83MHz
    変調 : mono 1kHz
    出力 : 70dB
    IF BAND : WIDE
    83MHz 受信
    RV241 S メータ = フル
    ちょうどフルになるよう調整
    S メータレベル調整

  5. AM 部の調整

    手順 SSG出力 ST-S333ESG の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - BAND : AM
    IF BAND : WIDE
    MUTING : OFF
    CAL TONE : OFF
    - -  
    2 - 1602kHz 受信 FE401(O) JW20 電圧 = 22.0V VT high
    3 - 531kHz 受信 - JW20 電圧 = 5.0V VT low (確認のみ)
    4 603kHz
    変調 : OFF
    出力 : 30dB
    603kHz 受信 FE401(R) JW212〜GND 間電圧 = 最大  
    5 1404kHz
    変調 : OFF
    出力 : 30dB
    1404kHz 受信 FE401(C)  
    6 手順4と5を数回繰り返す RF トラッキング調整
    7 999kHz
    変調 : OFF
    出力 : 30dB
    999kHz 受信 IFT401 JW212〜GND 間電圧 = 最大 IF 調整
    8 999kHz
    変調 : OFF
    出力 : 74dB
    RV401 S メータ = フル
    ちょうどフルになるよう調整
    S メータレベル調整
    9 999kHz
    変調 : OFF
    出力 : 58dB
    RV402 TP601 間電圧 = 2.5V オートストップレベル調整

  6. 再調整結果

    項目 IF BAND L R 単位
    ステレオセパレーション WIDE 68 70 dB
    ステレオセパレーション NARROW 52 51 dB
    パイロット信号キャリアリーク WIDE -76 -74 dB
    オーディオ出力レベル偏差 (MONO) 0 +0.09 dB



使ってみました

  1. デザイン

  2. プリセットメモリ

  3. 感度

  4. 音質



レベルメータ



仕様など

  1. ドキュメント

  2. 仕様



    発売時期 1989年10月
    定価 49,800円(税抜)