Marantz ST-46F

Marantz ST-46F をゲット!

2011年1月29日、私のチューナーページのファンの Y 様からシンセサイザー FM/AM チューナーの Marantz ST-46F の寄贈を受けました。 AM stereo 対応のチューナです。

この ST-46F は Y 様が新品で購入され、ワンオーナとのことです。



早速、程度&動作チェック

  1. 外観

  2. 入手した状態のまま電源 ON してチェックしました



カバーを開けてみました

  1. 基板の作りは良いです。 写真をクリックすると拡大写真を表示できます。

  2. IC を使用して合理化が図られています。


  3. FM フロントエンドはミツミ製で4連バリキャップです。 Panasonic ST-G560 のフロントエンドと同じもののように見えます。 トリマーコンデンサがありません ・・・ よってトラッキング調整は空芯コイルによる1点調整となります。

  4. FM IF 部は以下のローコストな構成です。

  5. FM 検波部は [LA1266] を使ったクォードラチュア検波です。 通常、クォードラチュア検波ではディスクリ IFT を2段構成にするのが普通ですが、ST-46F ではディスクリ IFT (L203) は1個だけです。 あまり性能は期待できないです。

  6. MPX 部は [LA3410] で構成します。

  7. AM 部のフロントエンドは2連バリキャップです。 [LA1266] で全てを構成します。

  8. メモリバックアップはフロントパネル基板上の電気二層コンデンサ CS03 (0.022F 5.5V) で行います。



修理&清掃



調整

写真の FM/AM 標準信号発生器 Panasonic VP-8175A (以下 SSG)、 FM Stereo 信号発生器 MEGURO MSG-2170、 周波数カウンタ ADVANTEST TR5822 を使って調整します。 10年も経つとコイルやトリマはズレます。

  

  1. 電圧チェック

    TP 標準値 実測値 備考
    [Q801 (NJM7812A)]-out +12V +12.10V チューナー全般用
    [Q802 (L78MR05)]-5pin +5.6V +5.67V MCU 電源

  2. FM 受信部の調整

    手順 SSG周波数 SSG出力 ST-46F の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - - BAND : FM - -  
    2 - - 90MHz 受信
    MONO : ON
    FM フロントエンド
    OSC コイル
    U135 電圧 = 11.0V VT High
    3 - - 76MHz 受信
    MONO : ON
    - U135 電圧 = 2.5V VT Low
    確認のみ
    4 83MHz 30dB
    変調 : OFF
    83MHz 受信
    MONO : ON
    FM フロントエンド
    RF コイル×3
    IFT
    C211 右側電圧 = 最大 RF 調整
    IF 調整
    5 83MHz 90dB
    変調 : OFF
    83MHz 受信
    MONO : ON
    L203 R207リア側〜C209リア側間電圧 = 0V クォードラチュア検波調整
    6 83MHz 22dB
    変調 : MONO 1kHz
    83MHz 受信
    MONO : OFF
    R211
    (FM MUTE)
    MUTING ON/OFF の閾値に設定 MUTING レベル調整
    7 83MHz 90dB
    Pilot 信号 : ON
    変調 : STEREO 1kHz
    83MHz 受信
    MONO : OFF
    FM フロントエンド
    IFT
    オーディオ出力 = 高調波歪最小 高調波歪調整
    ±90度の範囲で調整
    8 83MHz 90dB
    Pilot 信号 : ON
    変調 : R/L ch. only 1kHz
    83MHz 受信
    MONO : OFF
    R303
    (FM SEP)
    L/R ch. オーディオ出力電圧 = 最小 セパレーション調整

  3. AM 受信部の調整

    手順 SSG周波数 SSG出力 ST-46F の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - - BAND : AM - -  
    2 - - 1602kHz 受信 LA02 U135 電圧 = 7.3V VT High
    3 - - 531kHz 受信 - U135 電圧 = 1.2V VT Low
    確認のみ
    4 603kHz 40dB
    変調 : 400Hz
    603kHz 受信 LA01 C211 右側電圧 = 最大  
    5 1404kHz 40dB
    変調 : 400Hz
    1404kHz 受信 CA01 C211 右側電圧 = 最大  
    6 - - - - 手順4と5を数回繰り返す RF トラッキング調整
    7 999kHz 40dB
    変調 : 400Hz
    999kHz 受信 LA06 C211 右側電圧 = 最大 IF 調整

  4. 調整結果

    1. FM 受信の不具合はこの再調整で完全に直りました。

    2. FM ステレオセパレーションなどは以下となりました。 カタログ通りです。

      項目 L R 単位
      ステレオセパレーション 45 46 dB
      パイロット信号キャリアリーク -82 -86 dB
      オーディオ出力レベル偏差 (MONO) 0 -0.04 dB



使ってみました

  1. デザイン

  2. 機能関連

  3. 受信性能は良いが音質はイマイチ



仕様その他