KENWOOD KT-880

KENWOOD KT-880 をゲット!

2008年8月23日、私のチューナーページのファンから KENWOOD KT-880 の寄贈を受けました。

TRiO → KENWOOD ブランドに切り換わった直後の機種ですが、その実力はいかに???

まずは、外観&動作チェックしました。



カバーを開けてみました

  1. 基板の作りは良く、部品が綺麗に整然と並んでいます。 写真をクリックすると拡大写真を表示できます。

  2. フロントエンドは KT-880F より上です。 性能に直結する部分では KT-880F よりお金がかかっており、KT-880 のほうが上でしょう。 従って、 KT-880F は、KT-880 のコストダウン+機能強化版 だと思います。

  3. 電源トランスは、安そうなトランス1個です。

  4. FM フロントエンド部は4連バリキャップ方式です。 [シングル同調]→[Dual Gate FET]→[ダブル同調]→[ミクサ Dual Gate FET]←[OSC同調] の十分な構成です。 同調回路はトラッキング調整できません。

  5. FM IF 部の構成は [UP-CF]→[TA7060AP]→[UP-CF]→[LA1231N] です。

  6. FM 検波部は DLLD と呼ばれるバランス型 PLL 検波です。

  7. FM MPX 部は uPC1223C を使用しています。 セパレーション調整は左右単一です。

  8. FM IF 歪を補正する DCC 回路が組み込まれています。 2次高調波までの簡易型です。

  9. AM 受信部は LA1245 で全てを行っています。 2連バリキャップのフロントエンド構成でごく普通です。

  10. IC を使用して合理化が図られています。 主な IC は以下です。


  11. 使っている部品のロット番号より、本機は1984年製造品と判りました。 電源ケーブルのマーキングも1984年です。



リペア

  1. 端子類の薄いサビ・・・マイクロ研磨でサビを除去しました。

  2. 全体の汚れを OA クリーナーで拭き取りました。 25年間の汚れと若干黄色のタバコのヤニと思われる汚れがスッキリ取れました。



調整

写真の FM/AM 標準信号発生器 Panasonic VP-8175A (以下 SSG)、 FM Stereo 信号発生器 MEGURO MSG-2170、 周波数カウンタ ADVANTEST TR5822 を使って調整します。 10年も経つとコイルやトリマはズレます。

  

  1. FM 同調点の調整

  2. FM フロントエンドの調整

  3. FM PLL 検波部の調整

  4. FM MPX 部の調整

  5. DCC 部の調整

  6. AM 部の調整

  7. 調整結果

    1. 再調整にて、感度が大幅に上がりました。 音質も向上しました。

    2. FM ステレオセパレーションとキャリアリークは以下となりました。 ステレオセパレーションは若干低いですが実用的にはそれほど問題ありません。 本来は 60dB 以上は欲しいところです。

      項目 L R 単位
      ステレオセパレーション 50 48 dB
      パイロット信号キャリアリーク -85 -74 dB
      オーディオ出力レベル偏差 (MONO) 0 -0.3 dB



使ってみました



プログラム受信のしかた

  1. プログラムタイマーと KT-880 を接続して電源を切る直前に受信していた局(LAST-CH)と ステーションメモリ A-6 の合計2局を受信することができます。

  2. [PROGRAM] ボタンを ON にして電源 OFF とします。 この直前に受信していた局が [LAST-CH] です。

  3. タイマーにより電源 ON となると、[LAST-CH] が受信されます。

  4. 次にタイマーより電源 ON となると、[A-6] が受信されます。 これ以降、タイマーより電源 ON となると、[A-6] が受信されます。



レベルメータ



仕様