KENWOOD KT-5020

KENWOOD KT-5020 をゲット!

2008年5月28日、私のチューナーページのファンから KENWOOD KT-5020 の寄贈を受けました。

ローコストクラスの機種ですが、その実力はいかに???

まずは、外観&動作チェックしました。



カバーを開けてみました

  1. 基板の作りは良いです。 垂直に取り付けられている小さな基板は PLL 検波基板です。 写真をクリックすると拡大写真を表示できます。

  2. FM フロントエンド部は4連バリキャップ方式です。 [アンテナ]→[シングル同調]→[Dual Gate FET]→[ダブル同調]→[ミクサ Dual Gate FET]←[OSC同調] の構成です。 RF 同調回路はトラッキング調整できない構成です。

  3. FM IF 部の WIDE 時の構成は [UP-CF]→[BA401]→[BA401]→[UP-CF]→[LA1266] です。
    NARROW 時は [UP-CF]→[BA401]→ [CF] →[BA401]→[UP-CF]→[LA1266] です。

  4. FM 検波部は DLLD と呼ばれるバランス型 PLL 検波です。

  5. FM MPX 部は LA3401 を使用しています。 セパレーション調整は左右単一調整です。 調整箇所はこのセパレーション調整しかありません。 VCO や パイロットキャンセラーは無調整回路です。

  6. FM 受信時に、電波が弱いと働くオートブレンド回路が内臓されています。 この回路が働くと S/N が改善されます。 ただし、ステレオセパレーションは悪化します。 モノラルで聴くよりはマシという考え方で、(私は)かなり実用的と思います。

  7. AM 受信部は LA1266 で全てを行っています。 2連バリキャップのフロントエンド構成でごく普通です。

  8. IC を使用して合理化が図られています。 主な IC は以下です。


  9. 使っている部品のロット番号より、本機は1989年製造品と判りました。 電源ケーブルのマーキングも1989年です。



リペア

  1. フロントパネル四隅のキズ・・・黒のタッチペンで補修しました。

  2. 天板カバー僅かな曲がり・・・板金加工で補修したら判らなくなりました。

  3. [5] ボタン操作の違和感・・・フロントパネルを分解して調査してみたらタクトスイッチが傾いてハンダ付けされていました。 これを補修したら直りました。

  4. 全体の汚れを OA クリーナーで拭き取りました。



調整

写真の FM/AM 標準信号発生器 Panasonic VP-8175A (以下 SSG)、 FM Stereo 信号発生器 MEGURO MSG-2170、 周波数カウンタ ADVANTEST TR5822 を使って調整します。 10年も経つとコイルやトリマはズレます。

  

  1. FM 同調点の調整

  2. FM フロントエンドの調整

  3. FM PLL 検波部の調整

  4. FM MPX 部の調整

  5. FM レベルメータの調整

  6. AM 部の調整

  7. 再調整結果



使ってみました



レベルメータ



仕様