TECSUN PL-390

TECSUN PL-390 をゲット！

ステレオスピーカの DSP ラジオ

TECSUN PL-390 です。 2010年10月12日、 TECSUN のダイレクトショップ にて268元で買いました。 （当日の中国銀行での換金レートは 2,000円＝156.58元 でしたから、日本円に換算すると3,424円です。） 重慶の大型家電店では498元だったので、半額近くで買えました。

国内 EMS 送料が10元かかりましたが、右の写真のような28元相当の「単3 Ni-MH 充電池×3本＋USB ケーブル」がオマケされたのでチャラかな。

参考です。 「オールバンド・デジタル・ステレオ・ラジオ」の中国語は「全波段数字解調立体声收音机」です。

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PL-390 のブロック図

1. 右図は PL-390 のブロック図です。 基本的に PL-310 と同じですが、スピーカが2個のため、この部分のオーディオ回路が異なります。
   
   
2. 一番大きな四角で囲まれた部分は SILICON LABS Si4734 で、これが DSP ラジオの主要部分で、ほとんどの機能を構成します。 小指の爪くらいのごく小さいチップです。（3.31×3.31mm）
   
   
3. Si4734 で電波の選局・増幅・検波・ステレオ復調の全てを DSP デジタル処理します。 従って、受けた電波を一旦 ADC でデジタルデータに変換し、これを DSP 処理してから DAC でアナログに戻します。
   
   
4. Si4734 で電波の選局・検波・ステレオ復調の全てをデジタル処理します。
   
   
5. 同調コイルとしては MW/LW 用のバーアンテナがあるだけで、これ以外にはありません。 従って経年変化による性能劣化は考えられないです。 画期的 です。
   
   

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操作ボタン/スイッチや端子など

• 一般的な機能はボタンの名称で判ると思うので、特徴的な操作のみを解説します。
  
  
  • 慣れれば操作性は良いと思えるようになりますが、ボタンの短押し／長押しなど、少ないボタンで多くの機能を詰め込んでいるので、最初は戸惑います。
    
    
• 正面パネル
  
  
  1. [POWER] ボタン
     
     
     • [POWER] ボタンで電源 ON/OFF します。
       
       
     • 電源 ON 時に [POWER] ボタンを押したままにして、[TUNING] ダイヤルを回すと、スリープタイマー時間の 1/5/10/15/30/45/60/75/90/120/On を選択できます。 [On] は常時電源 ON です。 数字はスリープ時間で単位は分です。 数字の時間後に電源 OFF となります。
       
       
  2. [ETM] ボタン
     
     
     • [ETM] ボタンを短押しすると ETM (Easy Tuning Mode) モードになります。 液晶表示器に [ETM] と表示されます。
       
       
     • [TUNING] ダイヤルを回すと ETM でプリセットされた周波数を選択できます。
       
       
     • [ETM] と表示されている時に [ETM] ボタンを長押しすると周波数をスキャンして ETM メモリにプリセットします。
       
       
  3. [VM] ボタン
     
     
     • VM (メモリ可変) モードになります。
       
       
     • [TUNING] ダイヤルを回すとプリセット番号が変わります。
       
       
     • [10キー] でダイレクトにプリセット番号を指定することができます。
       
       
     • このモードで [VM] ボタンを長押しすると、プリセットスキャンします。 順にプリセットされた放送局をスキャンします。 スキャンを停止させるには [VM] ボタンを押します。
       
       
  4. [VF] ボタン
     
     
     • VF (周波数可変) モードになります。
       
       
     • [TUNING] ダイヤルを回すと受信周波数が変わります。 なお、[TUNING] ダイヤルを「ゆっくり回す (Slow)」「素早く回す (Fast)」で、周波数ステップが以下のように変化します。 Slow の時は [ > ] が、Fast の時は [ >> ] が液晶表示器に出ます。
       
       

       バンド	>	>>
       FM	0.01MHz	0.1MHz
       MW	1kHz	9/10kHz
       LW	1kHz	9kHz
       SW	1kHz	5kHz

       
       
     • [10キー] でダイレクトに周波数を指定することができます。
       
       
     • このモードで [VF] ボタンを長押しすると、周波数スキャンします。 放送局が見つかると一旦その放送を受信しますが、しばらくすると再びスキャンを再開します。 スキャンを停止させるには [VF] ボタンを押します。
       
       
  5. [AM BW] ボタン
     
     
     • AM (MW/LW/SW) 受信時にこのボタンを押すことで帯域幅を 1/2/3/4/6 kHz に切り替えできます。
       
       
     • DSP 処理なので、一番狭い 1kHz でも音の破綻がなく、優秀です。
       
       
  6. [FM SET] ボタン
     
     
     • 電源 OFF の時に長押しすることで、以下のように FM 受信周波数範囲を切り換えできます。
       
       

       FM 受信周波数範囲	対応国
       87〜108MHz	標準
       87.5〜108MHz	ドイツ
       76〜90MHz	日本
       64〜108MHz	ロシアを含む広範囲

       
       
  7. [9/10kHz] ボタン
     
     
     • 電源 OFF の時に長押しすることで、MW 受信の周波数ステップを 9/10kHz のいずれかに切り換えできます。
       
       
  8. [Battery] ボタン
     
     
     • 電源 OFF の時にこの操作が有効です。
       
       
     • 長押しして [CHA On] と表示されたら Ni-MH 充電池モードになります。 [USB] 端子に 5V を供給すると充電できます。
       
       
     • 長押しして [CHA OFF] と表示されたら乾電池モードになります。
       
       
• 左サイド
  
  
  1. [FM & SW ANTENNA] 端子
     
     
     • PL-310 にあって、PL-380 で無くなったアンテナ端子が復活しています。 やはり、この端子はあったほうがありがたいです。
       
       
  2. [LINE IN] 端子
     
     
     • PL-390 をアクティブスピーカ代わりに使えます。
       
       
     • この端子の実装は、おそらく TECSUN のラジオでは初めてと思います。
       
       
  3. ヘッドホン端子
     
     
     • ヘッドホンで聴く時に使います。
       
       
  4. [USB] 端子
     
     
     • mini USB そのものです。 この端子より外部電源入力します。
       
       
     • 電源入力端子を USB 端子にするとは、面白いアイデアです。 世の中に USB 電源アダプタは溢れているので、自分の気に入ったアダプタが使えます。 パソコンから電源供給することだって可能です。
       
       
• 右サイド
  
  
  1. [TUNING] ダイヤル
     
     
     • デジタル周波数ダイヤルです。 選択ダイヤルとしても使います。
       
       
  2. [VOLUME] ダイヤル
     
     
     • 30段階のデジタル音量調節です。
       
       

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使ってみました

1. ステレオラジオですが、ほど良い大きさです
   
   
   • PL-310 や PL-380 よりサイズが大きくなりましたが、この中で一番大きなスピーカを2個使用しています。
     
     
   • ステレオラジオですが、本格的な BCL ラジオの作りです。 品質や質感も日本製と変わらず、満足できます。
     
     
   • ソフトケースが付属しているので、お出かけに気軽に持って行けます。
     
     
   • 背面にスタンドが収納されており、このスタンドを使うと、少し水平斜めに設置でき、操作しやすくなります。
     
     
   • ロッドアンテナは360度回転させることができます。 FM/SW バンドに有効です。
     
     
2. PLL シセサイザー同調
   
   
   • アナログチューニングより楽で、周波数ズレもありません。
     
     
   • 同調方式は [マニュアル] [プリセット] [ダイレクト周波数入力] [オートスキャン] です。
     
     
   • プリセットメモリは550局分あるので十分です。
     
     
   • ややこしい ETM と ATS
     
     
     • [ETM] [ATS] は、どちらも自動で受信可能周波数をスキャンしてプリセットしてくれる機能ですが、以下の違いがあります。
       
       

       項目	ETM	ATS
       フル名称	Easy Tuning Mode	Auto Tuning System
       保存先メモリ	ETS メモリ	ATS メモリ
       メモリ番号	なし	あり
       10キーによる ダイレクトメモリ呼び出し	できない	できる
       手動プリセット	できない	できる
       メモリ消去	できない 新たな ETM スキャンによる 全部書き換えは可能	メモリ番号単位または全消去

       
       
     • 要は ATS メモリは保存用メモリで、ETM メモリは一時的に放送局を探してみる時に使う簡易メモリという位置付けです。
       
       
     • ETM 受信中に [M] ボタンを短押しすると、その周波数を ATS メモリに記憶させることができます。
       
       
3. その他
   
   
   • 暗い所での利用ができるようイルミネーション機能があります。 液晶表示器が橙色に照明されます。
     
     
   • シグナルレベルは2桁のデジタル dBu 表示です。 S/N も2桁のデジタル dB 表示です。 シグナルレベルも S/N も常時リアルタイム表示 できます。
     
     
   • 「時計」「目覚アラーム (ラジオ & ビープ音)」「デジタル温度計」が付いています。
     
     
   • バッテリは「単3乾電池×3本」または「単3 Ni-MH 充電池×3本」が使用できます。 充電回路も内蔵しています。
     
     
   • キャリングソフトケースにファスナーが2個 あって、上側のファスナーで本体が収納でき、下側（底）のファスナーで小さいポケットが開き、予備電池とかイヤホンを入れられると、完璧！です。
     
     
4. 評価
   
   
   • 感度
     
     
     1. FM ・・・ PL-310 同様の高感度です。 一般的に DSP ラジオは FM が高感度のようです。
        
        
     2. MW ・・・ 特に感度不足を感じることもなく、良好です。
        
        
     3. LW ・・・ 私の環境では受信できる放送局がないので不明です。
        
        
     4. SW ・・・ 感度は並と思いますが、DSP 処理のおかげで S/N が良く、イメージ妨害がないので、意外と実力があります。
        
        
   • 選択度
     
     
     1. AM 受信では、DSP 処理により選択帯域を 6/4/3/2/1kHz に切り替えでき、S/N を上げることができます。
        
        
     2. 選択度が高く、不要な周波数をスパッと切っているようで、DSP 処理の威力を感じます。
        
        
   • 音質
     
     
     1. スピーカサイズが大きいので、かなり良い部類です。 FM 放送のような高音質放送でも聴き疲れしません。
        
        
     2. FM ステレオ受信では、スピーカの感覚が狭いのでステレオ感を感じるのは 50cm くらいまでです。 でも、ステレオ分離度が結構ある (35dB) ので、やはり良いです。
        
        

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仕様その他

1. 分解方法および写真
   
   
2. 取扱説明書 (英文)
   
   
3. 取扱説明書 (中文)
   
   
4. 仕様は以下です。
   
   

   項目	スペック
   受信周波数	�@FM 87〜108 / 87.5〜108 / 76〜90 / 64〜108 MHz (0.01/0.1MHz step) �AMW 522〜1620kHz (1/9kHz step) / 520〜1710kHz (1/10kHz step) �BLW 153〜513kHz (1/9kHz step) �CSW 2300〜21950kHz (1/5kHz step)
   感度	�@FM (S/N=30dB) 3uV �AMW (S/N=26dB) 1mV/m �BLW (S/N=26dB) 10mV/m �CSW (S/N=26dB) 20uV
   AM 帯域幅 (BW)	1/2/3/4/6 kHz
   選択度	�@FM 60dB 以上 (±150kHz) �AMW 60dB 以上 (BW=3kHz, ±9kHz) �BLW 60dB 以上 (BW=3kHz, ±9kHz) �CSW 60dB 以上 (BW=3kHz, ±5kHz)
   FM ステレオ分離度	35dB
   音声出力	スピーカ 180mW×2 イヤホン 10mW / 32Ω
   プリセットメモリ数	合計 550個 �@FM バンドメモリ 100個 �AMW バンドメモリ 100個 �BLW バンドメモリ 100個 �CSW バンドメモリ 250個
   目覚モード	ラジオ受信 / ビープ音
   消費電流	�@FM 25mA 以下 �AMW 23mA 以下 �BLW 23mA 以下 �CSW 27mA 以下 �Dスタンバイ 90uA 以下
   スピーカ	直径57mm, 8Ω, 250mW ×2個
   イヤホン端子	直径3.5mm ステレオミニジャック, 32Ω
   電源	�@単3乾電池×3本 または 単3 Ni-MH 充電池×3本 �ADC5V/250mA (USB 端子)
   外形寸法	186(W)×89(H)×29(D) mm
   質量	315g (電池含まず)
   付属品	�@ステレオイヤホン �Aワイヤアンテナ �Bライン入力用オーディオケーブル �Cソフトケース �D取扱説明書 (中文) �E保証書 (中文)
   発売日	2010年8月8日

   
   

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