SONY ICR-SW700 をゲット!
世界は、あなたの指先まで近づいてきた
がキャッチフレーズの PLL シンセサイザー BCL ラジオです。
2005年1月23日、
SONY ICR-SW700
のジャンク品が
HARD-OFF 越谷花田店
で税込2,100円だったので買いました。
ACアダプタ AC-D3M (4.5V)とのセット品でした。
放送局カードが1枚(VOA/BBCカード)しか付いてなかったのが残念。
その後、2006年12月15日に4枚のプリセットカード付きジャンク本体を税込3,000円でゲットし、完品になりました。
ちょっと手垢が多い綺麗じゃない状態でした。
ロッドアンテナにも少し錆が出ていました。
小キズはありましたが致命的なキズはなかったので、クリーニング可能と思い購入しました。
このラジオには
SONY ICF-M500
という兄弟がいます。
修理
-
買ってきてから付属していた ACアダプタで聴く分には何にも問題ありませんでした。
電池(単3×3本)で試してみようとやってみたら、ウンともスンとも鳴らない???
そのうち電池が暖かくなってきました???
-
調べてみると DCジャック端子が破損していて ACアダプタのプラグを抜くと電池の+と−がショートしてしまうことが判明。
それで電池が暖かくなったんだ!!!
-
ICR-SW700 を分解して手持ちの DCジャックと交換しました。
完全に同じものではないので、若干、板金加工して無理矢理交換しました。
→交換後バッチリです。
-
分解したついでにプラスチック部はお風呂でジャブジャブ、錆びかけていたロッドアンテナは錆び取りコンパウンドで軽く研磨・・・ピカピカになりました。
キズが少なかったことが幸いして、もう新品同様です。
使ってみました
-
1994年新発売ですから本機も10年近くは経っていると思いますが、MW でこんな素晴らしく感度の良いラジオは初めてです。
-
PLLシンセザイザーチューニングで MW/SW の AM 専用です。
安定して受信できます。
-
音はとっても聴きやすい。
枕元で聴いても聴き疲れません。
どちらかと言うと通信受信機タイプの狭い帯域で明瞭度を上げている感じの音です。
音楽より、ニュースなどの「声」をハッキリ聞き取る用途です。
-
MW: 531〜1710kHz, SW: 3700〜17900kHz 連続受信と完全に BCL用です。
-
MW は9kHzステップと 10kHzステップを切換できます。
切り換えるには、スタンド足の根元近くにあるスライドスイッチを操作して、一旦電池を抜き、数秒後、再度電池を入れたら切換が有効になります。
-
単3電池3本か AC アダプタで使います。
電池の持ちは結構良いです。
-
修理した時に気が付いたのですが、このラジオのバーアンテナは 14cm もありました。
当然、MW 感度は抜群です。
ラジオ大阪が越谷で受信できました。
バーアンテナが長いことが幸いしています。
AC アダプタで使っても AC100V からのノイズに負けない感度です。
-
MW 遠方受信 BCL マニアにうける十分すぎる性能がある逸品です。
AM 専用としてはトップクラスの性能があると思います。
PLL シンセサイザー方式の AM ラジオでこれほど感度の良いものは SONY でもこれ以降発売されていないと思うくらい、
素晴らしく良いラジオ
です。
マニュアルがないのでいろいろ試してみた
<放送局のプリセット>
-
プリセットする周波数をマニュアルチューニングする。
-
「WRITE」ボタンを数秒押し続けると「WRITE!」という表示がフリッカするので、「WRITE」ボタンを押したまま「0」〜「9」のボタンを押す。
-
これで放送局が2項で押した「0」〜「9」にプリセットされる。
放送局カードの規格
このページをご覧いただいた高知の山田さまより、放送局カードに関する貴重な情報が入ってきました。
そこで、この情報を基に、自分でも実験して纏めてみました。
-
放送局カードが放送局の周波数を記憶しているのではなく、ICR-SW700 の本体で記憶しています。
放送局カードでこの記憶メモリを選択するようになっています。
-
どうして記憶メモリを選択するかを述べます。
- カードの裏面の左側に対応する4つの光センサーが ICR-SW700 に設置されています。
- このセンサーに対応する放送局カードの4つの位置、これをビットとします。
- ビットに相当する位置の色が、白だと「1」、黒だと「0」となります。
- 4つの 2**0(2の0乗) 〜 2**3(2の3乗) ビットの組み合わせで記憶メモリを選択します。
-
放送局カードは VOA/BBC カードが1枚だけ本物を持っているので、このカードを基本にして寸法図を描いてみました。
-
この図の左側にある□(四角)の位置がビットです。
-
図では5つ描いていますが、実際には真中の位置には光センサーがなく、未使用ビットです。
-
4つのビットの重み付け 2**0 〜 2**3 は図の通りです。
-
図の上に窪みが描いてありますが、これはカードをラッチさせる構造となっています。
実際に試してみると、窪みがなくても使えましたが、あったほうがカードが安定してラッチ(固定)できるようです。
本物の放送局カードは表・裏両面使うようになっているので、同じように両面使う場合はカードの上下2箇所に窪みが必要です。
-
カードの大きさはクレジットカードやテレホンカードと全く同じです。
バスカードやパスネットカードとは大きさが違います。
-
本物の放送局カードとビットとの対応は実験の結果、以下の表のようになっていました。
4つのビットですから16パターンあることになりますが、表を見て判るように7パターンのみ使っているようです。
2**3 bit |
2**2 bit |
2**1 bit |
2**0 bit |
カード名称 |
0 |
0 |
0 |
0 |
(Card Error) |
0 |
0 |
0 |
1 |
Voice Of America |
0 |
0 |
1 |
0 |
BBC |
0 |
0 |
1 |
1 |
RADIO AUSTRALIA |
0 |
1 |
0 |
0 |
RADIO JAPAN |
0 |
1 |
0 |
1 |
Omnibus |
0 |
1 |
1 |
0 |
Memory Card |
0 |
1 |
1 |
1 |
Clock Card |
1 |
0 |
0 |
0 |
(Card Error) |
1 |
0 |
0 |
1 |
(Card Error) |
1 |
0 |
1 |
0 |
(Card Error) |
1 |
0 |
1 |
1 |
(Card Error) |
1 |
1 |
0 |
0 |
(Card Error) |
1 |
1 |
0 |
1 |
(Card Error) |
1 |
1 |
1 |
0 |
(Card Error) |
1 |
1 |
1 |
1 |
(Card Error) |
-
たまたま、ヤフオクに ICR-SW700 が出品されており、そこにカードの写真もあったので編集して以下に示します。
本物の放送局カードは両面使っており、左側の写真が表、右側の写真が裏です。
見方ですが、左写真のカード名称に対応する選択ビットは右写真に現われています。
右写真のカード名称に対応する選択ビットは左写真に現われています。
Voice Of America / BBC カード
RADIO AUSTRALIA / RADIO JAPAN カード
Omnibus / Memory Card カード
Clock Card カード
放送局カードの製作
放送局カードを作ってみました
家中探したのですが、テレホンカードの使用済みのものは1枚しかありませんでした。
そこで、一番必要な Clock Card を作ってみました。
ICR-SW700 では Clock Card がないと時計合わせができないのです。
-
必要な材料は「使い古しのテレホンカード」「ニチバン・マイタックラベル・リムカ ML-R8」「黒マジックペン」です。
リムカは文房具売場で売っています。
-
リムカは名前の通り貼りやすく、剥がしやすく、粘着面がベタベタしないので好都合です。
-
リムカ ML-R8 は寸法 18×50mm なのでちょうどいい大きさです。
-
リムカ ML-R8 を写真のように貼って、「0」にするビット位置を黒マジックペンで塗り潰します。
Clock Card はビットパターンが「0111」ですから、1箇所塗り潰すだけです。
-
カード上下の窪みは、丸ヤスリで軽く削ってつけました。
ビット位置や窪みは割りとラフなので、厳密にやる必要はありません。
-
早速、動作テスト!
バッチリ、Clock Card として認識されました。
・・・パチパチパチ・・・
主な仕様
・受信周波数 MW: 531〜1710kHz (9kHzステップ) / 530〜1710kHz (10kHzステップ)
SW: 3700〜17900kHz
・バーアンテナ 140mm
・スピーカー 直径77mm 丸形 8Ω 0.5W
・入力端子 DC 4.5V(φ2.1、外+)
・出力端子 イヤホン出力(ミニ)、録音出力(ミニ)
・電源 単3電池×3本 / DC4.5V(適合ACアダプタ: AC-D3M (4.5V 400mA))
・電池持続時間 18時間(マンガン電池)
・最大外形寸法 189(W)×116(H)×45(D)mm
・質量 570g (電池込み)
・付属品 放送局カード(3)、クロックカード(1)、イヤホン、取扱説明書
・発売 1989年
・定価 14,800円(税抜)