SONY ST-A5 (2号機)

SONY ST-A5 (2号機) をゲット！

2013年11月21日、 SONY ST-A5 の中古を税込1,000円で入手しました。 写真は手直し後です。 実物を見るとフロントパネルの下側で左寄りにシールの剥がし跡が多数あるのですが、写真にするとなぜか奇麗に写っています。 不思議です。 NACK5 79.5MHz 受信中ですが、ダイヤル指針位置がピッタリなのが判るでしょ。

「受信動作不良です」という状態表示に憧れての入手です。 故障しておれば暇潰しの修理を楽しむことができます。

ST-A5 を手掛けるのは2台目です。 以前に手掛けた ST-A5 (1号機) において、同調点検出の安定度に疑問があり、1号機だけの問題か？／ST-A5 というマシンの特性か？、を見極めたかったのも入手動機の1つです。

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入手時状態でチェック

1. 外観は並以下です。
   
   
   • 全体に細かい砂状の汚れがあります。
     
     
   • フロントパネル下部にはシールを剥がした跡が多数あります。
     
     
   • フロントパネルの左右上部折り返しにキズがあります。
     
     
   • 同調ノブや各スイッチは汚れていますが無傷です。
     
     
   • 天板には、1箇所軽いヘコミ、全体に擦りキズがあります。
     
     
   • リアパネルは綺麗です。 端子も綺麗です。
     
     
2. 電源を入れてチェック
   
   
   • 正常に電源が入り、ランプ切れはありません。
     
     
   • 「受信動作不良です」ということでしたが、FM 受信できました。 Stereo ランプも点灯しました。
     
     
     • 我が家の電波レベルは 80dB 以上あるので、少々の感度低下でも受信できてしまいます。 ここでは、ある程度動作しているとの認識です。
       
       
     • T メータはそれなりに動作するのですが、同調ノブと同期しない、とんでもない振れ方をする場合があります。
       
       
     • S メータは放送局の無い周波数でも振り切れます ・・・ おかしいです。
       
       
     • 放送を受信して聴いていると、常時、小さいチリチリという雑音が出ています。
       
       

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修理

• 不具合現象の全ての原因はバリコン可動部の接触不良でした
  
  
  • バリコン可動部と固定部の接触子をアルコール洗浄してから、 導電グリス を塗布して直りました。
    
    
  • 対策後、再調整して新品時の性能に回復しました。
    
    
• このバリコン可動部の接触不良という現象は、かなり多いです。 バリコンというメカ機構の宿命です。 以下の現象が見られたら、この接触不良です。
  
  
  • アンテナ接続を外し、MUTING OFF としてからバリコンを回します。 この時、回転と同期してゴソゴソという低い雑音が聞こえる。
    
    
  • フロントエンドのトラッキング同調調整がなかなか決まらない。
    
    

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調整

1. ST-A5 (1号機) の調整手順で再調整しました。
   
   
2. 調整結果
   
   
   • ステレオセパレーションは以下で良好な数値です。 これらの数値は1号機とほぼ同じです。
     
     
   • 1号機より同調点の安定度が良いです。
     
     
     • 外観が1号機よりボロですが、安定度は本機のほうが高いです。
       
       
     • この結果より、1号機はクォードラチュア位相シフト用 IFT が劣化していると思われます。 2号機はこれを確認したくての入手でした。
       
       

     項目	SELECTIVITY	L	R	単位
     ステレオセパレーション	NORMAL	54	55	dB
     ステレオセパレーション	NARROW	35	35	dB
     パイロット信号キャリアリーク	-	-73	-74	dB
     オーディオ出力レベル偏差 (MONO)	-	0	-0.35	dB

     
     
   • 本機と1号機で 2コ1 する (2台のイイとこ取りして1台の完品を合成) 予定です。 1号機は外観良好品で、本機は動作安定品です。
     
     

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修理＆再調整後に使ってみました

1. 受信感度は良好です。 音は明朗でハッキリしていて良好です。 音のハーモニも心地好いです。
   
   
2. 高安定の 素晴らしいフロントエンド です。
   
   
   • ダイヤルスケールと指針がピタリと合って気持ち良いです。バリコンの精度が良いです。
     
     
   • AFC やサーボロックがないのに、運用中の周波数ズレは全く感じられないです。
     
     
3. MUTING の効きが実に良いです。
   
   
   • ノイズによる誤った MUTING 解除がなく、放送周波数でスパッと音が出てきます。
     
     
   • MUTING 回路はリードリレーを使った高級仕様です。
     
     
   • MUTING 解除条件は LA1230 による「S メータレベルが出ていること」「クォードラチュア同調点に入っていること」のアンドになっています。
     
     
4. ST-A5 を2台調整した結果、この機種は優れた性能と音質があると判定します。 ちゃんと再調整したらです。 10年を経過したらほぼ間違いなく調整ズレしています。
   
   
   • 値段はローコスト機並みですが、性能は中級機を超えます。 SONY の戦略製品だったのでしょう。 安いマシンでも高性能、高いマシンを買うと、もっとイイですよ ・・・ のアピール。
     
     
   • FM 専用機として十分な性能と音質があります。 お奨めできるマシン です。
     
     

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