SONY ST-S333ESG (9号機)

SONY ST-S333ESG (9号機) が到着

2023年1月9日、岡山県苫田郡の Y さんより SONY ST-S333ESG の修理依頼品が届きました。

写真は修理完了後です。 S メータがちゃんと振れ、音が出るようになりました。



到着した状態のまま、状態チェック

  1. 依頼者のコメント

  2. 外観

  3. 電源 ON にてチェック

  4. カバーを開けてチェック



リペア

  1. FUSE 抵抗のチェックと交換

  2. FM 受信できない

    1. FM 受信周波数を変化に応じて VT 電圧も変化するかチェック

      • どこの受信周波数でも常に [VT 電圧 = 29.3V] のままでした。 これが受信できない原因です。

      • 要因は [OSC が発振していない] [OSC モニタ出力が PLL 回路に入力されていない] の可能性を考えました。

    2. OSC が発振しているかチェック

      • オシロスコープで観測すると、OSC は一番高い周波数で発振しており問題ありません。

    3. PLL 回路へ OSC モニタ出力が入力されているかチェック

      • PLL 回路は [IC501 CX7925] で構成しており、[FM OSC]〜[CX7925] は下の左の回路になっています。

      • CX7925 - 11pin をオシロスコープで観察すると、OSC モニタ出力が入力されていました。

        • でもおかしいのです。 11pin の DC レベルが 9V 以上あるのです。

          • OSC モニタ波形が GND レベルに到達しないので、CX7925 が入力を認識できません。

          • CX7925 は +5V で駆動されており、この電圧を超えることはあり得ません。

        • そうすると、11pin にどこからか DC 電圧が回り込んでいることになります。

      • CX7925 - 11pin にどこから DC 電圧が回り込んでいるのだろう?

        • CX7925 - 11pin の先には [C504 0.01uF] のコンデンサしかありません。

        • まさかと思いつつ、C504 を 0.01uF フィルムコンデンサと交換してみたところ、電圧の回り込みは解消しました。

        • 下の右の写真は交換後で、赤丸で囲んだ黄色の部品がフィルムコンデンサです。

        • そして、 FM 受信できない現象が直りました!!!

        • C504 が内部レアショートして数 kΩの抵抗に変身したのです。 これが FM 受信できない真の原因でした。

       

  3. FM 受信できるようになったので、あらためて FM の状況をチェックしたところ、以下の現象が確認できました。

  4. FM の感度が低下している

  5. オートチューングで放送局周波数の -0.1MHz で受信する。

  6. 電気二重層コンデンサ交換

  7. ハンダクラック対策

  8. 内部に結構ゴミが溜まっている

  9. 交換前に実装されていた部品の記録



再調整

  1. 電源電圧チェック (VP)

  2. 調整結果



使ってみました

  1. 全体的にブラック基調のデザイン

  2. FM 受信

  3. AM 受信