Pioneer F-120

Pioneer F-120 をゲット!

2007年12月7日、ヤフオクにて F-120D のご先祖様の Pioneer F-120 を910円で入手しました。 PLL シンセサイザー FM/AM チューナーで、1982年発売開始モデルです。

後継機の F-120D との違いを見極めたかった。



程度&動作チェック

  1. 出品者のコメント

  2. 外観

  3. 電源 ON してチェック



カバーを開けてみました

  1. 基板の作りは良いです。 写真をクリックすると拡大写真を表示できます。

  2. FM フロントエンド部

  3. FM IF 部

  4. パルスカウント検波+MPX 部

  5. AM 受信部

  6. プリセットメモリのバックアップ



リペア

  1. FM で -0.2MHz の同調ズレあり、ステレオにならない

  2. ステーションメモリボタンが動作不能



調整

写真の FM/AM 標準信号発生器 Panasonic VP-8175A (以下 SSG)、 FM Stereo 信号発生器 MEGURO MSG-2170、 周波数カウンタ ADVANTEST TR5822 を使って調整します。 10年も経つとコイルやトリマはズレます。

  

  1. 調整ポイント



  2. 電源電圧チェックポイント (VP)

    VP 標準値 実測値 判定
    Q403-C (放熱板) +13.7V (未測定) -
    Q405-C (放熱板) +5.5V (未測定) -

  3. FM 受信部の調整

    手順 SSG出力 F-120 の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - FM : ON
    REC LEVEL CHECK : OFF
    MONO/MUTE-OFF : OFF
    FM IF-BAND : NARROW
    - -  
    2 - 90MHz 受信 L5 TP19 電圧 = 24.5±0.2VV OSC トラッキング調整
    3 - 76MHz 受信 - TP19 電圧 = 8.0±0.5V (確認のみ)
    4 76MHz
    30dB
    mono 1kHz
    76MHz 受信 L1
    L2
    L3
    TP16 電圧 = 最大 RF トラッキング調整
    5 90MHz
    30dB
    mono 1kHz
    90MHz 受信 TC1
    TC2
    TC3
    TP16 電圧 = 最大
    6 手順4と5を数回繰り返す
    7 83MHz
    30dB
    mono 1kHz
    83MHz 受信
    FM IF-BAND : WIDE
    T2
    T101
    TP16 電圧 = 最大 IF 調整
    8 83MHz
    90dB
    無変調
    T103 TP17〜TP18 間電圧 = 0±10mV 同調点調整
    9 AT1
    AT2
    VR301から南西方向2cmくらいの1kΩ抵抗
    のどちらかの端の電圧 (1.26MHz) = 最大
    オシロスコープで測定
    パルスカウント検波調整
    10 VR301 TP10〜TP11 間電圧 = 0±5mV
    11 83MHz
    40dB
    mono 1kHz
    83MHz 受信
    FM IF-BAND : NARROW
    - TP16 電圧 = 測定 WIDE GAIN 調整
    12 83MHz 受信
    FM IF-BAND : WIDE
    VR101 TP16 電圧 = 手順11と同一
    13 83MHz
    90dB
    mono 400Hz
    83MHz 受信 - オーディオ出力 = 測定 REC LEVEL CHECK レベル調整
    14 REC LEVEL CHECK : ON VR501 オーディオ出力 = 手順2の -6dB
    15 - FM : ON
    REC LEVEL CHECK : OFF
    MONO/MUTE-OFF : OFF
    FM IF-BAND : WIDE
    - -  
    16 83MHz
    90dB
    stereo 1kHz L+R
    83MHz 受信 VR304 下の [VCO 調整手順] を参照 VCO 調整
    17 AT3 TP14 電圧 = 最大
    オシロスコープで測定
    18 L306
    VR305
    オーディオ出力 = 19kHz 成分最小 パイロットキャンセル調整
    19 T2
    T101
    オーディオ出力 = 高調波歪率最小 IF 歪補正
    20 83MHz
    90dB
    stereo 1kHz R
    VR302 L ch. オーディオ出力 = 最小 セパレーション調整 (L)
    21 83MHz
    90dB
    stereo 1kHz L
    VR303 R ch. オーディオ出力 = 最小 セパレーション調整 (R)
    22 83MHz
    26dB
    mono 1kHz
    VR102 ミューティング = ON/OFF 閾 ミューティングレベル調整

  4. AM 受信部の調整

    手順 SSG出力 F-120 の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - AM : ON
    REC LEVEL CHECK : OFF
    - -  
    2 - 522kHz 受信 L202 TP19 電圧 = 2.0V OSC トラッキング調整
    3 - 1611kHz 受信 TC202 TP19 電圧 = 24.5V
    4 手順2と3を数回繰り返す
    5 603kHz
    40dB
    1kHz
    603kHz 受信 L201 TP15 電圧 = 最大 RF トラッキング調整
    6 1395kHz
    40dB
    1kHz
    1395kHz 受信 TC201
    7 手順5と6を数回繰り返す



使ってみました

  1. デザイン

  2. ステーションメモリ

  3. FM アンテナ入力端子

  4. 感度と音質



仕様ほか

  1. ドキュメント

  2. 仕様

    FM 受信部
    受信周波数範囲 76〜90MHz
    実用感度(Narrow, 75Ω) mono : 0.95μV/10.8dBf
    S/N 比 50dB 感度(Narrow, 75Ω) mono : 1.8μV/16.2dBf
    stereo : 21.0μV/37.7dBf
    S/N 比(85dBf 入力時) mono : 96dB
    stereo : 88dB
    高調波歪率(Wide) mono : 0.0095%(100Hz), 0.0095%(1kHz), 0.01%(10kHz)
    stereo : 0.015%(100Hz), 0.015%(1kHz), 0.05%(10kHz)
    キャプチャーレシオ Wide : 0.8dB
    Narrow : 2.5dB
    実効選択度 Wide : 30dB(400kHz)
    Narrow : 60dB(300kHz)
    ステレオセパレーション Wide : 65dB(1kHz), 50dB(20Hz〜10kHz)
    Narrow : 40dB(1kHz), 40dB(20Hz〜10kHz)
    周波数特性 20Hz〜15kHz +0.2, -0.8dB
    イメージ妨害比 80dB
    IF 妨害比 100dB
    スプリアス妨害比 90dB
    AM 抑圧比 70dB
    サブキャリア抑圧比 60dB
    ミューティング動作レベル 5μV(25.2dB)
    アンテナインピーダンス 75Ω不平衡型
    300Ω平衡型
    AM 受信部
    受信周波数範囲 522〜1611kHz
    実用感度 ループアンテナ: 55dBμ/m
    外部アンテナ: 15μV
    選択度 30dB
    S/N 比 50dB
    イメージ妨害比 40dB
    IF 妨害比 65dB
    総合
    出力レベル/インピーダンス FM(100%変調) : 650mV/900Ω
    AM(30%変調) : 150mV/900Ω
    電源電圧 AC100V, 50/60Hz
    定格消費電力(電気用品取締法) 14W
    外形寸法 420(W)×61(H)×317(D)mm
    重量 4.0kg
    その他
    発売時期 1982年
    定価 45,000円
    付属品 FM T 字型簡易アンテナ
    AM ループアンテナ
    ループアンテナキャッチャー
    ピンプラグ付接続コード
    F 型接栓プラグ
    サービスネットワーク
    取扱説明書
    保証書