AC SW ボックスの製作
製作の動機
FPGA FM Stereo Tuner
には電源スイッチがありません。 また、最近のオーディオ機器ではリモコンで電源 ON/OFF できるので、電源の一部分が常に ON 状態です。
これでは電気代が勿体無いのと、常時電源 ON だと寿命が心配です。
この解決のために、オーディオ用 AC SW ボックスを製作しました。 これと同じ機能の AC テーブルタップが市販されていますが、オーディオ機器としてオーディオラック内に設置することができません。 美しくないですし ・・・
製作費は1,500円程度なので、こいうのもあってもイイかなと、2013年8月24日、製作に踏み切りました。
この写真の上はフロントパネルで、下はリアパネルです。
回路設計
右図は回路図です。
クリックすると大きな pdf の回路図を表示します。
設計ノート
回路設計と言っても、スイッチで AC100V 電源を ON/OFF するだけですから大したことはありません。
AC100V 電源を両切りにすると配線が面倒なので、片切りにします。
部品調達
以下の部品をアキバで調達しました。 合計1,490円です。
部品
単価
個数
金額
購入先
備考
Panasonic AJ7202HH02 ロッカスイッチ
100円@3個
6
200円
千石電商
特価品です。1個余るが予備にします。
AC アウトレット AC-1
80円
5
400円
千石電商
Takachi CP-Y85 コードプロテクタ
50円
1
50円
千石電商
Takachi SY-150B ケース
840円
1
840円
千石電商
この他に AC ケーブルや配線材が必要ですが、これは我が家に転がっていたものを流用したので、リストに載っていません。
板金加工設計
右図は板金加工図です。
クリックすると大きな pdf の加工図を表示します。
回路図 CAD を使って描いているので、分解能 1mm です。 従って、0.5mm とかの正確な寸法線を表現できていません。
部品は部品 CAD を使って描いているので正確な位置を表現できています。
図面中で [×] の付いた箇所の穴を開けます。
設計ノート
Takachi ST-150B ケースはフロントパネルとリアパネルはケースのスリットに挟み込む構造になっています。
この構造ににより、板厚 1mm にも関わらず強度が確保されています。
フロントパネルとリアパネルを完全に取り外せ、アルミ平板となるので、加工しやすいです。
板寸法の内側にある大きい長方形は、ケースのスリットに入る境界や、ケース支柱の境界を表しています。 従って、この境界線の外側を加工してはダメです。
今回の主要パーツの寸法図は前項の部品リストにリンクさせています。 この部品寸法図を参照して、各部品の正確な位置をプロットします。
この板金加工設計は結構面白いです。 図面が出来たら物ができたように錯覚します。
CAD でやるから面白いのでしょうね。 CAD だと位置変更はあっと言う間ですから。 紙と鉛筆でやったら地獄と思います。
板金加工
図面を見てアルミパネル裏側に部品の正確な位置をけがきます。
私はけがき器として100円ショップの [千枚通し] を使っています。
何しろ安いですから。 先が丸くなったら消耗品的に交換できる値段です。
けがく時の注意として、誤差が積算されないように位置測定します。 例えば、1つの部品の隣の部品位置を相対距離でやったら誤差が積算してしまいます。 絶対的な原点(例えば左上端)を決めて、そこからの絶対距離を測定します。
けがき終わったら、2013年8月24日より導入した新兵器
ミニボール盤
などを使って加工します。
加工精度の悪さを隠せるようにパネル表面から取り付ける部品を選んでいますが、それでも今回のロッカスイッチでは縁が 1mm しかありません。 と言うことは 0.5mm 以上の加工精度が必要となります。 細心の注意で加工しましょう。
製作&動作確認
部品取付
パネルに部品を取り付けます。
取り付けたら、ネジ部分にネジロック材を塗布します。
配線
配線は写真の通りです。 たった、これだけです。
動作確認
設計通り、良好に動作しました。
同機能の AC テーブルタップの値段と変わらない1,500円程度で製作できます。 しかも上品で綺麗なのでお奨めです。