GARMIN eTrex
|
|
2000年6月10日〜6月18日にロサンジェルスへ旅行しました。
Office Depot
Torrance店(Crenshaw BLVD.)で
GARMIN社
の世界最小のハンディGPS
eTrex
を見つけ、かわいいボディに惚れて買ってきました。
$119.99でした。
これが eTrex です。
携帯電話より背が低く、タバコより少し高いくらいです。
防水仕様です。
1999年の年末に新発売され、販売店でしょっちゅう在庫切れをおこすほど大人気みたいです。
すごく格好イイでしょ!!
GPSとは・・・
"Global Positioning System" の略で一般的には「全地球測位システム」 と訳されています。
これは米国で開発された全地球規模の測位システムで、1995年に当初予定されたすべての衛星の配備が終わりシステムが完成しました。
GPSは米国国防総省によって打ち上げ配置される人工衛星からの電波を受信して現在位置や高度を測定するもので、軍事利用を目的に開発されていますが、標準測位と呼ばれる機能は民間用にも開放されています。
GPS衛星は、地上から約20,000Km離れた円軌道上にあって、約12時間で 地球上を一周します。
1つの軌道には4個のGPS衛星が配置され全部で6つの軌道が使われます。
全体では、合計24個の衛星で構成されています。
ロサンジェルスでeTrexを使用
eTrexのGPS受信機部分は12チャンネルになっているのでGPS衛星を捕捉しやすいです。
感度が良い
ということです。
eTrexはGARMIN社のハンディGPSでは一番感度が良いという噂もあります。
昔の8チャンネルGPSでは衛星捕捉に数分かかっていたと思いますが、eTrexでは15秒くらいです。(ロサンジェルスで使った実績です。)
eTrexのような12チャンネルGPSでは12個の衛星を同時受信するようです。
そして、ダイナミックに4個の衛星を選ぶようです。
eTrexはなるべく遠くの衛星(水平線に近い衛星で衛星同士が離れている。)を捕捉しようとします。
できるだけ離れた衛星を複数個捕捉できるほど精度が上がります。
3個確保できると2D計測(緯度・経度)が、4個捕捉できると3D計測(緯度・経度・高度)できます。
さて、ロサンジェルスでeTrexを使用した体験を述べます。
-
まず、非常に短時間で衛星捕捉できました。
アメリカでは高い建物があまりないし道が広いせいか、自動車の中でも簡単に衛星捕捉できます。
特に窓際でなくとも捉えることができました。
ひょっとして電波も強いのかもしれません。
-
精度は最高4m誤差を確保できました。
この精度が結構簡単に出ます。
-
ロサンジェルス空港でも窓際に行くと衛星捕捉できました。
-
正確な位置情報,時刻情報,日出・日入情報などが簡単な操作で得ることができました。
-
eTrexは動くアニメーション表示で操作指示してくれるので、操作マニュアルを読まなくても直感的に使えました。
このような梱包で販売しています。
アメリカではロサンジェルス空港(LAX)と泊まったTorrance Plaza Hotelをポインティングしてきました。
自宅からTorrance Plaza Hotelまでの距離を計測してみると 8,824Km となりました。
飛行機が時速 800Km で飛行しても11時間かかるのは当たり前と直感的に理解できます。
-
N 33°55.995' / E118°24.323' : LAX
-
N 33°50.049' / E118°18.342' : Torrance Plaza Hotel
-
N 35°52.827' / E139°47.921' : 自宅
海の上も山も徒歩で歩けるとすると、1日50Km 歩くと、アメリカへは半年で到着できることになります。
eTrexには目的地の方角と現在地からの距離が表示できるので、ただただ、ひたすら歩き続ければよいのです。
日本でeTrexを使用
eTrexを自宅近くで運用してみました。
-
180度近く開けた場所では、ロサンジェルスと同様15秒程度でGPS衛星捕捉でき4mの精度が出ます。
ですから、ロサンジェルスのほうが衛星の電波が強いということはなさそうです。
-
道路を走行すると、日本のほうが道路が狭く道路のすぐ脇に高い建物が建っているので精度は出ないです。
極端に悪い時は精度470mとなりました。
ロサンジェルスでは一般道でも6車線あり、建物は平屋が多いのでGPS環境は非常に良いです。
-
自宅(木造)でも窓際へ行くと室内で衛星捕捉できました。
感度はかなりイイです。
-
ロジャースから自宅までの軌跡をトレースしてみましたが、頭で描いたルートとeTrexの表示は一致していました。
このトレースデータはeTrexに記憶されているので専用フリーソフトと地図データを使うと、地図上にルートマッピングできるようです。
このためには、データケーブルが必要です。
-
データケーブル(RS-232C接続)がないと地図情報とリンクさせることや、ファームウェアのアップデートができません。
さっそく通販で購入しまし、ファームウェアのアップデートをしました。
購入時のバージョンは 2.03 でしたが、アップデートで 2.07 になりました。
時刻表示がちゃんと秒まで出るようになったり、GPS衛星の精度が上がったことによる対応がされています。
アップデートには4〜5分かかると書いてありましたが、実際には115kbpsでつながったので15秒くらいでした。
あっという間でした。
今回のファームウェアバージョンアップで高度もwaypointに記録できます。
この場合、平面の座標とは違って高度は10m以内の誤差でないと実用になりません。
富士山の頂上なら誤差100mでも良いでしょうけど。
この高度記録ができるようにしたのは、GPS衛星の誤差情報を解除(5月1日から。)したのと関係あるのでしょう。
eTrexは誤差4mできるので十分実用になります。
eTrex のソフトケース
ロサンジェルス旅行中に eTrex に使えそうなソフトケースを買いました。
サムソナイト製で $8.88でした。
本来はエリクソンの携帯電話用のもののようです。
ウェットスーツの素材と同じで、いくらでも伸びます。
そして十分なクッション性があります。
この写真ように入れます。
ケースというより、携帯パンツのイメージです。
収納時の写真です。
サムソナイトのロゴが格好イイです。
eTrex の隠しコマンド
-
Enter keyを1秒程度押し続けるとWaypoint入力画面になります。
メニューから選択する手間が省けます。
-
Up keyとPage keyを押しながら電源を入れるとテストモードになります。
-
Enter keyとPage keyを押しながら電源オンでリセットモードになります。
Yesを選択すればリセットできます。
eTrex の製品スペック
受信部 |
12衛星並列受信 |
アンテナ |
内蔵パッチアンテナ |
衛星捕捉(ウォーム・スタート) |
15秒 |
衛星捕捉(コールド・スタート) |
45秒 |
初期化 |
約5分 |
位置登録(ウェイ・ポイント数) |
最大500箇所 |
ルート |
最大50ウェイ・ポイントを連結して1ルート登録可能 |
移動軌跡 |
最大1024ポイント、 10トラック登録可能 |
データ更新 |
連続1秒毎 |
測地精度 |
10m |
液晶表示部 |
54×27mm, バックライト付き4階調白黒液晶 |
使用温度範囲 |
-15〜+70℃ |
電源 |
単3アルカリ乾電池2本またはシガレットアダプタ |
電池寿命 |
省エネモードで約22時間 |
防水仕様 |
IEC529 IPX7に準拠 |
データ入出力ポート |
あり(シリアル) |
データ形式 |
NMEA0183, RTCM104, DGPS |
寸法 |
112(H) × 51(W) x 30(D) mm |
重量(乾電池内蔵時) |
150g |
付属品 |
ネックストラップ, 英文マニュアル |
2000年7月8〜9日の越谷流通団地特別販売でマルキン自転車を買いました。
私は実用主義なので、以下の基準で自転車を選びました。
-
MTBでなくてごく普通の軽快車
-
内装3段変則付き
-
前カゴと後荷台付き
-
後輪錠付き
-
27インチ
-
自転車立て(?)が1本足でなく、両足というか安定性のあるもの。
-
eTrexを取り付ける位置があること。
これにピッタリで100%要求を満たした自転車を14,000円(消費税込み)で買いました。
ついでに自転車パーツも安かったので、自転車用バックミラーとコンパス付ベルも買いました。
1個で100円でした。
帰宅して、これらのパーツと eTrexのパイプアダプタを取り付けました。
GPSナビ付き高級自転車の完成です。
試乗に自宅を出発し、しらこばと大橋を渡り、産業道路を北上、ロケット北越谷店が見えた所で左折して北越谷に抜け、旧4号で帰宅しました。
eTrexの軌跡を見るとまさにこのルートを表示していました。
eTrexを装着していると現在位置情報(緯度・経度・高度),時刻,速度,自宅までの距離などが表示されるので楽しいです。
格好イイでしょ。
eTrexはパイプアダプタでワンタッチ装着・取外ができるようになります。
オイルコンパス付ベルです。
すごく実用的です。
eTrexだけでも方角は判るのですが、それはGPSの性質上、移動している時にしか判りません。
道を曲がったりするとしばらくしないと正しい方角表示となりません。
このコンパスで eTrexの方向指示に誤り無いか補助的にチェックします。
自転車にバックミラーを装着したのは初めてですが、やはりあると運転が楽でした。
パイプアダプタはこのようなハンドルパイプに付けるアダプタとeTrexの裏蓋のセットです。
「eTrexで表示される緯度・経度の1度はどれくらいの距離だろうか?」という素朴な疑問が湧きました。
これを計算するには地球一周が何kmあるかを知る必要があります。
インターネットで調べてみました。
ハイパー科学なぜなぜ110番
というのがありました。
このサイトは小学生向けの「なぜなぜ質問ページ」ですが、大人が見ても結構楽しめます。
ここで地球一周は 40,000km と判りました。
すると以下の計算になります。
40,000 ÷ 360 = 111 km/度
111.1 ÷ 60 = 1.85 km/分
1,850 ÷ 60 = 30.8 m/秒
eTrex の緯度・経度表示は 0.1秒まで表示できるので、3mまでの分解能で表示できることになります。
このような考察はなかなか面白いです。
高速道路で一生懸命走っても、1時間にたった1度しか移動できないのです。
地球一周には360時間かかるので、15日かかることになります。
本屋で緯度・経度の載っている地図帳を探したけれど、良いのがありません。
2000年7月14日にLAOXパソコン本店の3Fにふらっと寄ったら、「ProAtlas2001」のデモ販売をやっていました。
ProAtlas2001とは
株式会社アルプス社
が製作しているパソコン地図ソフトです。
最大1/1,500スケールに出来るので個人の家の形までわかるほどです。
説明員がいるので聞いてみました。
-
地図から緯度・経度が読み取れますか?
これ超簡単でした。
マウスカーソルを地図の知りたい位置に持っていくだけで一番下のステータスラインに緯度・経度をリアルタイムに表示できます。
度分秒で、秒は0.1単位ですからまさに eTrex にピッタリです。
紙の地図から緯度・経度を正確に読み取るのは至難の業ですが、これは絶対パソコン地図の勝ちです。
-
ハンディGPSと連動できますか?
eTrexのデータフォーマットNMEAがサポートされているのでリアルタイム連動が出来ます。
eTrexから取り込んだ位置データをリアルタイムに移動の軌跡として地図上に描くことができます。
この軌跡は移動ログとしてファイル保存でき、オフライン時にログ再生できます。
ドライブが終わって自宅やホテルで「今日はどのコースを走ってきたのだったけ。」と皆でワイワイガヤガヤ再生画面を見ながら楽しめます。
これは普通のカーナビには絶対できないことです。
また、このソフトはルート機能があるので、目的地を指定すると最短ルートを地図上に表示できます。
また、地図のスケールも自動で最大スケールにする機能を持っています。
すなわち簡易ナビとして使えるのです。
いろいろデモ画面をいじって納得しました。
帰りにはしっかりProAtlas2001を抱えていました。
買ったのは首都圏版で東京・神奈川・千葉・埼玉・伊豆・茨城・群馬・信州・栃木・山梨の地図が収録されています。
CD-ROM 1枚です。
値段は定価5,800円のところ4,350円で買えました。
書籍なら値引きはありませんが、パソコンソフトなら値引きがあるのがウレシイです。
この値段なら紙の地図帳の1県分ですが、同じような値段で首都圏全部をカバーしているので考えようでは非常に安いと言えます。
それに紙の地図帳では絶対にできないGPS連動や他のソフトとの連動(駅すぱーとなど)やインターネットページとの連動(駅前探検倶楽部など)ができるので買って良かったと思います。
自宅で ProAtlas2001を使って eTrexとの連動ができることを確認しました。
eTrexでは省かれているGPS衛星捕捉画面が ProAtlas2001では衛星番号と捕捉状態をマップとして表示できます。
eTrexを補助するソフトとしても使えるのです。
買って良かった!!!
さて、次なる欲求が出てきました。「eTrexに蓄積された移動の軌跡をProAtlas2001で再生できないだろうか!」です。
ProAtlas2001のどこを見てもそんな機能がありませんでした。
それでは電網徘徊してみよう...ということでピッタリのフリーソフトを見つけました。
GarAtlas
という名前で、うれしいことに eTrexのアイコンまで付いています。
対応地図ソフトはProAtlasのみです。
あんまりこの辺の機能を考えずにProAtlas2001を買ったけれど大正解だったようです。
Fukuro氏の作品です。
GarAtlasでできることは以下です。
-
waypointデータの入出力。
waypointデータを csvファイルとして保存することや編集したwaypointデータを eTrexに書き込むことができます。
これで eTrexの waypointデータの管理がすごく楽になります。
-
track(移動の軌跡データ)の入力。
trackデータをログファイルとして保存できます。
取り込んだログファイルを表示できます。
さて、ProAtlas2001でこのtrackデータを使うには取り込んだログファイルを指定して軌跡の再生を行うのです。
早速やってみました。
先週の日曜日のサイクリングの軌跡を再生してみました。
かっかっ感激・大感動!!!!!!!
見事にProAtlas2001の地図上に軌跡が再生できました。
再生は移動表示が少しずつ変化して、通ったルートと移動方向が表示されます。
感動ものです。
eTrexの精度と相まってちゃんと道路を走っています。
昔のGPSナビのように池の上を走っていたと言う事は全くありません。
頭の記憶ではハッキリ覚えていないルートも正確に再生してくれます。
この感激は「初めてハム交信できた。」「初めてパソコン通信できた。」「初めてインターネット接続できた。」に相当する大感激ものです。
私はこの喜びと、GPS衛星の誤差情報が解除されたと言うタイミングの良さから、ハンディGPSがこれから日本で大ブレークする予感がします。
MDプレーヤを買うより安い値段で始められるのです。
皆さんもハンディGPSを購入しませんか!!!