PLANEX VTL-ST02H をゲット!
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2007年6月23日、
M2X ショップ
で
PLANEX VTL-ST02H
という SIP 電話機が税込6,300円と格安だったので買ってみました。
1年間保証付きです。
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この製品は台湾 ACT 社の
P104SLD
と同じものと思われます。
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VTL-ST02H は、質感等、日本製品と遜色ありません。
三者通話、留守番電話、転送電話の機能があります。
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LAN インタフェースは 100BASE-TX/10BASE-T で、QoS 機能まであります。
QoS 機能のある SIP 電話機は初めてです。
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マルチアカウント機能があり、同一 SIP プロバイダのアカウントは4つまで収容することができます。
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VTL-ST02H には M1〜M10 のワンタッチボタンがあり、ここに電話番号を登録するとワンタッチダイヤルできます。
なお、このボタンは保留転送の機能があり、最低1個はこの機能を割り当てておく必要があります。
よって、電話番号を登録できるのは M2〜M10 ということになります。
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VTL-ST02H には短縮ダイヤル(Speed Dial)機能があります。
*00〜*09 に電話番号を登録できます。
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VTL-ST02H には電話帳機能があります。
ここへは「名称」「電話番号」の対を200個まで登録できます。
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取扱説明書は添付されていますが、「LAN ポートを接続すると Taraba とつながります。」という程度の Taraba 専用になっているので、一般の SIP プロバイダで使うには全く使い物にならない説明書です。
早速、使ってみました
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Web ベース設定画面へは http://[VTL-ST02H の IP address]:9999/ で入れます。
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PLANEX がサービスを行っている CyberGate に
設定例
がありました。
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SIPphone
で使用する設定をしてみました。
SIPphone 社の推奨する全てのパラメータを設定できました。
問題なく動作しました。
音質も問題なしです。
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電話帳の名称には英数字を登録できるのはもちろんですが、半角カタカナが登録できるか試してみました。
予想通り半角カタナナが登録できました。
LCD にちゃんと表示されます。
いくら台湾製と言っても主要部品は日本製ですから、こういうことができてしまうんです。
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しばらく使っていて問題が発覚しました。
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問題点-1
SIPphone の設定で数時間放置すると、発信はできて通話時間のカウントもちゃんと行われるのですが、肝心の相手からの声が聞こえない状態になります。
声が聞こえなくなる以外は動作正常です。
こうなった時は VTL-ST02H の電源を一旦 OFF にし、再び電源 ON とすると直ります。
音の出ない SIP 電話機って実用になりません。
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問題点-2
SIP レジスタポートは 5060 しか動作しない。
5061 とか 5062 にするとなぜか認証に失敗します。
これが出来ないと同一ネットワークに SIP 電話機を複数台設置する場合に困ります。
PLANEX VTL-ST02H が D-Link DPH-140S に大変身!!!
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問題点-1, 2 を解決するには、ファームウェアのバージョンアップに期待するしかない・・・ところが PLANEX サイトには最新ファームがありません。
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と言うことで、まずは OEM 元である ACT 社の型名 P104SLD で電網検索してみましたが、それらしい最新ファームにはヒットしませんでした。
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次に「P104S Firmware」と言うキーワードで全世界を電網検索したところ、ロシアの D-Link 社
にヒットしました。
ここに
ロシア語の取扱説明書と最新ファーム
がありました。
ところが、私にとってロシア語は中国語よりたちが悪いです。何が書いてあるのか判らん!
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このロシアのサイトより、PLANEX VTL-ST02H は D-Link DPH-140S と同じではないかという感触がつかめました。
そこで、今度は
アメリカの D-Link 社
にサーチをかけて DPH-140S を調べてみました。
すると、
D-Link DPH-104S
の取扱説明書並びに今年2007年3月20日の最新のファームウェアまで
サポートページ
にあるではないか!!!
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さすが品質よりドキュメントの国、アメリカです。
アメリカ製品は品質はよくないのですが、ドキュメントだけはシッカリしています。
日本の品質最高・ドキュメント最低とは違って、品質最低・ドキュメント一流の国です。
ファームウェアとそれをインストールするドキュメントはシッカリしています。
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ドキュメントに従って DPH-140S のファームウェアを入れてみました。
TFTP サーバー(ソフト)を立ち上げて DOS コマンドを叩くという、ほんのちょっと敷居が高いですが、D-Link のサポートページ(上記 URL)をよく読んでその通りにやれば大丈夫です。
もちろん、人柱のつもりです。・・・うまくいきました!!!
ファームウェアを入れ替えると PLANEX VTL-ST02H が D-Link DPH-140S になってしまいました!!!
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もう全くの D-Link DPH-140S です。
だって、ウェブベースの設定画面を表示してみると「D-Link DPH-140S」と表示されるんですもの。
PLANEX はどこへ行った???
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ファームウェア入れ替え前の設定画面のタイトル
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ファームウェア入れ替え後の設定画面のタイトル
D-Link DPH-140S として使ってみました
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問題点-1 は完全に直りました・・・これが当たり前なんです。
問題点-2 はまだ残ったまま(少し改善しています。認証はするようになったが発信できない。次のバージョンアップに期待。)ですが、とりあえず、実用的に使えるようになりました。
やっぱり、音の出る SIP 電話機はよいですね・・・
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PLANEX VTL-ST02H は Taraba でしか動作保証されないローカルスタンダードですが、D-Link DPH-140S はグローバルスタンダードです。
このことより、ファームウェアを入れ替えて使うのが吉です。
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D-Link のサポートページを読んで、新たに以下のことが判りました。
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設定画面パスワードを忘れてどうしようもなくなった時
受話器を上げて「255*000」をダイヤルすると、Restore Default Setting が表示されるので [OK] ボタンを押すと工場出荷時の状態に戻ります。
すなわち、パスワードが解除されるのです。
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DPH-140S に表示される時刻表示のフォーマットを変更したい時
[Cancel] [Mute/Func] [2] の順にボタンを押すと12Hr 制または24Hr 制の時刻フォーマットが選択できます。
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D-Link のサポートページからダウンロードした DPH-140S 取扱説明書は英文です。
そりゃ〜中国語やロシア語より全然読み易いです。
そんなに操作の難しい機器ではないので、これで十分です。
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ログの出方は DPH-140S になってマトモになりました。
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DPH-140S になって少しだけ設定項目が増えると同時に設定内容も多少変わりました。
SIPphone で使う設定
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Web ベース設定画面では、左側に以下のメニューが表示されます。
このメニューから項目をクリックすると右側に詳細が表示されます。
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Management 画面です。
NTP Server IP と Time Zone を以下のように設定します。
TFTP と FTP はいずれも Enable で良いと思います。
別画面でこれらのサーバを指定しないと絶対に動作しないし、これを Enable にしておかないとローカルで TFTP サーバからファームウェアのアップグレードをやろうとしても、できないですから。
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Network Settings 画面です。
LAN 環境にもよりますが、通常は DHCP にしておくのが汎用性あります。
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SIP Settings 画面です。
ここでは SIP サーバの設定を行います。
以下の設定とします。
Media Port というのは RTP ポートのことで、どんな値を設定してもよいのですが、SIPphone 推奨値にしました。
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SIP Account Settings 画面です。
ここは最大4個のアカウントが設定でき、その内の1個を Default Account に指定します。
受信はどのアカウントでも、発信は Default Account からになります。
マルチアカウントと言っても、SIP サーバは SIP Settings 画面に1個しか設定できないので、同一 SIP サーバ内のマルチアカウントということです。
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STUN & UPnP Settings 画面です。
この設定をすることで NAT 越えが可能となります。
通常は STUN を設定すればよいです。
STUN は簡単に言えば、外部にあって、SIP 電話が使われるネットワークのグローバル IP アドレスを教えてくれるサーバのことです。
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Voice Stettings 画面です。
通常はこのデフォールトのままでOKです。
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Phone Settings 画面です。
特に変更しなくも大丈夫ですが、電話音はアメリカ式より日本式のほうが馴染みがあるので、Tone Setting を Japan にしました。
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設定をやっていて、DPH-140S には「ダイヤルプラン」設定項目がないのに気がつきました。
あれば、もっと便利に使えるのですが・・・
ついでに G-LEX で使う設定
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G-LEX
で使える設定をしてみました。
これも問題なく使えました。
G-LEX で使う場合は、SIPphone 設定を上書きします。
- SIP Settins 画面で、Registar Server を sip001.g-lex.net とする。
- SIP Account Settings 画面で G-LEX の ID と パスワードを設定する。
- 上記を Default Account にします。
STUN とかその他の設定は原理上、このままで動作します。
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G-LEX は無料プランでも PSTN(一般電話や携帯電話)から中継サーバを介して着信できるのがイイです。
代表電話 050-5529-9999 にかけてアナウンスに従って G-LEX 番号(内線)を入力するとつながります。
実用的です。
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上記のアナウンスは長々と聞く必要はありません。
代表電話 050-5529-9999 につながったら、すぐに内線番号をダイヤルしてもOKです。
ですから、G-LEX にかける電話機の設定で 050-5529-9999,[ポーズ],[G-LEX番号] と短縮ダイヤル記憶させておくと便利です。