TOSHIBA TY-CDS7

TOSHIBA TY-CDS7 をゲット！

2019年7月10日、 ハードオフ 越谷草加 BP 店で CD ラジカセの TOSHIBA TY-CDS7 のジャンク品が税込1,080円でした。 2015年6月20日発売で、オープン価格ですが発売当初の実売価格は7千円程度でした。

本機を購入した2019年7月の時点で、まだ辛うじて現役モデルです。 メーカ在庫限りでしょうけど、5千円台で販売されています。

ジャンクの理由は [音量調節ができない] です。

付属品は [AC ケーブル] で、欠品は [取扱説明書] だけです。

購入品の製造年は2017年、製造番号は [170193697S0] です。

[綺麗な逸品] [DSP radio の予感] [お手頃価格] でゲット！しました。

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状態チェック

1. 外観
   
   
   • 2017年製造と比較的新しいためか、キズやスレがほとんどない綺麗な逸品です。
     
     
   • ホワイト筐体特有の黄色い日焼けもありません。 若干手垢が付着していましたが、清掃で綺麗に取れました。
     
     
   • こういう状況なので、外観は新品同様です。
     
     
2. 動作チェック
   
   
   • トップパネルにある [お好み選局 1〜4] [音量 +/-] ボタンなどを押すと、とんでもない動作をします。
     
     
     • ジャンク理由の [音量調節ができない] はこの現象のことを言っているのでしょう。
       
       
     • 強く押すと正常に動作することもあります。 間違いなくタクトスイッチの劣化です。
       
       
     • 2017年製造品ですから約2年での劣化は早過ぎます。 使用環境の問題があったと思います。
       
       
   • ボタンが正常に反応した時は、全ての動作は正常でした。
     
     

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分解、調査、修理

1. 分解
   
   
   1. 底面から見える8本のプラスネジを外すと、上部と下部に分離できます。
      
      
      • 右の写真で 赤〇 と 青〇 で囲ったプラスネジです。
        
        
      • 赤〇 は 12mm 長、 青〇 は 8mm 長です。 組立時に間違わないよう注意します。
        
        
      • 結合爪などは無いので、簡単に分離できます。
        
        
      • 分解が簡単なのでメンテナンス性が良いと言えます。
        
        
   2. 上部と下部を分離
      
      
      • 左の写真は上部側で、右の写真は下部側です。
        
        
      • 下部から延びている [バッテリボックスからのコネクタ] [電源トランスからのコネクタ] を外すと完全に分離できます。
        
        
      • 上部側には [メイン基板] [スピーカ＆カセット機構] が見えます。 AM バーアンテナの長さは 50mm です。
        
        
      • 下部側には AC100V で使う時の電源トランスが見えます。
        
        
      　
      
      
   3. 上部側から更に [スピーカ＆カセット機構] を分離
      
      
      • 左の写真は上部側で、右の写真は [スピーカ＆カセット機構] です。
        
        
      • [メイン基板]〜[スピーカ＆カセット機構] を結合する2個のコネクタを外すと完全に分離できます。
        
        
      • 上部側には [メイン基板] [操作基板] が見えます。 [操作基板] に交換が必要なタクトスイッチが実装されています。
        
        
      • [スピーカ＆カセット機構] には [カセット基板] が見えます。
        
        
      • スピーカは、直径 80mm / 4Ω / 3W でマグネットが大きい良質そうなものを使っています。
        
        
      　
      
      
2. 修理 ・・・ タクトスイッチ交換
   
   
   • トップパネルの操作ボタンと連動する [操作基板] を外します。
     
     
   • この基板に16個のタクトスイッチがハンダ付けされています。
     
     
     • テスターで 測って、ON 抵抗1Ω以上を NG とすると、7個が NG でした。
       
       
     • 不良率は 7÷16＝44% なので、これは全部の信頼性が疑われる数値です。
       
       
     • 従って、16個全部を一斉交換しました。
       
       
   • 右のタクトスイッチの写真で、黒ボタンが元のもの、白ボタンが交換品です。
     
     
     • 適合タクトスイッチは、[4P リード] [6mm×6mm 角] [高さ 5mm] です。
       
       
     • 交換に使ったタクトスイッチは HDK KSMC612A です。
       
       
     • 黒ボタンのものは、おそらく中国製で品質がイマイチなんだろうと思います。 リードに錆のようなものも見えます。
       
       
3. メイン基板
   
   
   • 裏面だけですが、右の写真が [メイン基板] です。 写真をクリックすると拡大写真が表示できます。
     
     
   • [CD 制御回路] [ラジオ回路] [AF 増幅回路] [電源回路] が搭載されています。
     
     
   • 調整ポイントが見当たらず、無調整で動作するようです。 経年変化に強そうです。
     
     
   • FM/AM ラジオ回路は DSP radio でした。
     
     
4. 使用 IC
   
   
   • 使われている IC は以下です。
     
     

     基板	IC 番号	IC メーカ	IC 型番	機能	備考
     メイン基板	IC101	KTMicro	KT0913/LD4	Monolithic Digital AM/FM Receiver	DSP radio
     	IC200	Silan	SC9659P	CD Digital Servo Singnal Processor with MCU
     	IC201	(不明)	H24C02	Two-Wire Serial EEPROM 2K (256x8)
     	IC202	Silan	SA1461	4-ch BTL Driver for CD Player
     	IC301	(不明)	(不明)	オーディオステレオパワーアンプ	放熱器で型番が見えなかった
     	IC401	Techcode	TD1410	2A 380KHz 20V PWM Buck DC/DC Converter
     	IC450	CYT	CYT6118A	500mA CMOS LDO Regulator
     	IC501	Wuxi I-CORE	CD3314LEO	4-channel audio processor
     	IC502	JRC	NJM4558D	2回路入り汎用オペアンプ
     カセット基板	IC601	YOUW ANG	UTC7312	Dual Recording/Playback Pre-Amplifier Circuit with ALC

     
     
     
     

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使ってみました

1. デザイン
   
   
   • CD ラジカセとしては、ごく普通のデザインで、悪くはないです。
     
     
   • ホワイト一色のシンプルデザインで、作りはマトモです。 筐体のプラスチックの質は良いです。
     
     
   • 表示器は白色バックライトの液晶 (LCD)
     
     
     • 白抜き文字が格好イイです。 コントラストも良く、見易いです。
       
       
     • LCD は経年変化しにくいので安心です。
       
       
2. 操作ボタン
   
   
   • トップパネル手前に、以下のボタンがあります。
     
     
     
     
3. 端子
   
   
   • 背面に [AC100V 電源端子] があります。
     
     
     • 付属の [AC メガネケーブル] を使って AC100V を供給します。
       
       
   • 底面に [電池ボックス] があります。
     
     
     • ここに単2アルカリ電池×6本を実装すると、バッテリ駆動できます。
       
       
   • 右側面に [マイク端子] [マイク音量つまみ] があります。
     
     
     • 本機を拡声器として使ったり、カラオケに合わせて歌えます。
       
       
   • 右側面に [ヘッドホン端子] があります。
     
     
     • ここにステレオヘッドホンのプラグを挿入すると、本機のスピーカ出力は OFF になります。
       
       
   • 右側面に [外部入力端子] があります。
     
     
     • 外部のオーディオライン信号を増幅してスピーカから音出しできます。
       
       
4. ラジオ
   
   
   • DSP radio 回路構成です。 DSP radio は、IFT などの LC 同調回路が無く、 経年変化しない優れた方式 です。
     
     
   • FM 受信周波数範囲は 76〜108MHz (0.1MHz step) で、 ワイド FM に対応しています。 アンテナはロッドアンテナです。
     
     
   • AM 受信周波数範囲は 531〜1,710kHz (9kHz step) です。 アンテナは内蔵バーアンテナです。
     
     
   • チューニング方式
     
     
     • マニュアル
       
       
       • [選局 ←/→] ボタンを押すと、受信周波数がステップ毎に変わります。
         
         
     • オートスキャン
       
       
       • [選局 ←/→] ボタンを長押しすると、オートスキャンして放送局が見つかると停止して受信します。
         
         
     • プリセット
       
       
       • [お好み選局 1〜4] ボタンを押すと、プリセットされた周波数で受信します。
         
         
   • プリセットのしかた
     
     
     • FM/AM 放送を受信状態にしてから、[お好み選局 1〜4] ボタンのいずれかを長押しすると、そのボタンにプリセットできます。
       
       
     • FM/AM 別に受信周波数を [お好み選局 1〜4] ボタンに4局分プリセットできます。
       
       
   • FM は高感度です。 AM の感度は普通です。
     
     
5. CD プレーヤ
   
   
   • FM ラジオで聴く音質とたいして変わりません。 良くはないですが、そう悪くはない音といった感じです。
     
     
6. カセット録再
   
   
   • CD から録音する場合は、シンクロ録音機能で、CD 再生とカセット録音を同期させて、1曲目から録音できます。
     
     
   • [テープ] ボタンを押して [TAPE] にした場合はマイクから、[LINE] にした場合は外部入力端子から録音できます。
     
     
7. 評価
   
   
   1. 操作性
      
      
      • 取扱説明書を読まなくてもすぐに使うことができます。 操作性は良好です。
        
        
   2. 音質
      
      
      • この部類の機器としては、まあまあの音です。 ソフト気味に聴こえます。
        
        
      • [音質切換] ボタンで低音増強できます。 常に ON で使ったほうがよいです。
        
        
   3. その他
      
      
      • 各種設定情報は EEEPROM に記憶しているようで、電源消失しても消えないのがよいです。
        
        

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仕様など

1. ドキュメント
   
   
   • TY-CDS7 取扱説明書
     
     
2. プレスリリース
   
   
   • カセットテープ、CD から SD カードに録音できる CD ラジオカセットレコーダーの発売について
     
     
3. 新製品紹介記事
   
   
   • 東芝エルイー、SD カード録音も可能な CD ラジカセ。FM 補完放送対応で約12,000円
     
     
4. 仕様
   
   
   
   
5. 発売時情報
   
   

   その他	内容
   発売開始時期	2015年6月20日
   定価	オープン (発売当初の実売価格7千円程度)

   
   

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