TOSHIBA TY-C260

TOSHIBA TY-C260 をゲット！

2022年11月25日、 ハードオフ 白岡店で CD ラジオ TOSHIBA TY-C260 の CD 再生不能ジャンク品が税込1,650円でした。 2020年6月発売で、オープン価格ですが発売当初の実売価格は7千円程度でした。

外観は超綺麗 で、店内でチェックしたら、FM 放送がかなり良い音で受信できたのでゲット！

ワイド FM ホームラジオ として使うつもりで、大きさがちょうどよいです。

---

状態チェック

1. プライスカード
   
   
   • CD は使えないが、ラジオは使えるようです。
     
     
2. 本体のシリアル表示
   
   
   • [2020年製造品] でした。 割と新しい！
     
     
   • 製造シリアル番号は [20 07 07520 K 0] です。 この番号より、2020年7月製造かな？
     
     
3. 超綺麗な逸品
   
   
   • キズやスレは全くありません。 新品と間違うほどの超綺麗な外観です。
     
     
   • 付属品は [AC コード] だけです。
     
     
4. 動作チェック
   
   
   • 正常に電源 ON でき、各ボタンの操作も正常です。
     
     
   • ラジオはちゃんと動作し、音もイイです。
     
     
   • [CD] ボタンを押すと、[CD 回転]→[CD ピックアップシーク]→[NoCd] 表示で止まります。
     
     
     • TOC が読み取れないのです。 CD ピックアップの故障でしょう。
       
       

---

修理

1. [CD ピックアップ] を準備
   
   
   • [CD ピックアップ] の型式は SANYO SF-P101N (16P) で、新品の手持ちは多数あります。
     
     
   • 右の写真のように、[CD ピックアップ] のコネクタ近くに [黄〇] で囲んだ箇所に半田ブリッジがあります。
     
     
     • この半田ブリッジで保管中の [CD ピックアップ] が静電気破壊するのを防止します。
       
       
     • ブリッジしたままでは CD 読取信号を出力しないので、ピックアップ交換の一番最後でブリッジを解除します。
       
       
   　
   
   
2. 分解とピックアップ交換
   
   
   1. 背面にある [黄〇] で示した6本のネジを外すと、ケースが前後に分離できます。 このうちの1本は電池カバーを開けた所です。
      
      　
      
      
   2. メイン基板にある [黄〇] で示した3本のネジを外すと、CD トランスポートにアクセスでき、右のように取り出します。
      
      
      • ここで新たな不具合を発見しました。
        
        
      • [黄→] の部分の CD 盤をスピンドルに固定する [ボール＋スプリング] 部品が1セット欠損しています。
        
        
      • こうなると、[CD ピックアップ] と一緒に [機構部] も交換するしかありません。 不思議なことに [機構部] の手持ちもあります。
        
        
      　
      
      
      • 右の写真は故障していた [CD ピックアップ] です。
        
        
        • 見た目では故障しているかどうかはわかりません。
          
          
        • 故障モードとしてはレーザ光の減少や焦点ボケが多いです。
          
          
   3. [CD ピックアップ] [機構部] を交換し、トランスポートのレールとギア部分をグリスアップします。
      
      
      • 古いグリスを拭き取り、新しいグリスを塗布します。
        
        
      • グリスに経年変化の少ない TAMIYA セラグリス HG を使いました。
        
        
      • [CD ピックアップ] にボリュームがありますが、これは調整済みなので触れないようにします。
        
        
   4. 分解と逆の順で組み上げます。
      
      
      • まずは仮組みして正常動作を確認してから、完全組み上げました。
        
        
      • 見事！ CD が再生できるようになりました！！！
        
        
3. ついでに中身を鑑賞
   
   
   • AM バーアンテナの長さは 54mm でしたが、 なんと！ (水平ではなくて) 斜めに取り付けられています！
     
     
     • バーアンテナは水平にしたほうが電波を拾いやすいのに、なぜこうなってるんだろ？？？
       
       
     • あるとすれば、電源トランスからの誘導雑音を避けるためかな？ よくわかりません。
       
       
   • スピーカは小さいけれどマグネットの大きい [口径 50mm] [4Ω 2W] が実装されていました。
     
     
   • 下の写真はメイン基板の表面と裏面です。
     
     
     
     
     
     
   • 次の IC が使われていました。
     
     
     • [部品番号] も含め [TY-C160] [TY-C251] と全く同じです。 ここまで一致すると回路も全く同じとしか思えないです。
       
       

     部品番号	メーカ	型番	機能	備考
     IC102	KTMicro	KT0923D4	Monolithic Digital AM/FM Receiver	DSP radio
     IC103	SUM	CD8227GP	Low Frequency Power Amplifier	オーディオパワーアンプ
     U1	Silan	SC9659P	CD Digital Servo Singnal Processor with MCU	CD 用 DSP
     U3	ETEK	ET24C02A	Two-Wire Serial EEPROM 2K (256x8)	プリセット情報などの記憶用
     U4	HOLTEK	HT7533-1	3.3V 100mA Low Power LDO	低電圧ドロップレギュレータ
     U5	Silan	SA1466	4-ch BTL Driver for CD Player	CD サーボドライバ

     
     

---

ボタンや端子など

---

使ってみました

1. 前作 [TY-C251] との違い
   
   
   • [TY-C260] は [TY-C251] よりほんの少し小さくなりましたが、ほとんど変わりません。
     
     
   • [TY-C251] では四隅が曲線ですが、[TY-C260] は直線です。
     
     
     • 更にスピーカ部がスリットデザインになったことより、[TY-C260] のほうが精悍に感じます。
       
       
   • LCD は [TY-C251] では中央、[TY-C260] では左側にあります。 これに伴いボタン配置が換わっています。
     
     
   • [TY-C260] ではバスブースト機能が追加されました。 [Bass] ボタンで低音増強できます。
     
     
2. デザイン
   
   
   • ブラック基調のシンプルデザイン
     
     
     • CD 付きなのにホームラジオくらいの大きさです。
       
       
     • スピーカ部のスリットで精悍な感じがする良好デザインです。
       
       
     • 筐体のプラスチックの質は良く、作りはマトモです。
       
       
   • 表示器は経年変化しにくい液晶 (LCD)
     
     
     • コントラストは良いです。 バックライトはありません。
       
       
   • 操作は全てボタン
     
     
     • 音量もボタン操作です。 ボタン名称は日本語表示です。
       
       
   • スピーカは 50mm×2個
     
     
     • 小さいですが、高音質タイプらしいです。
       
       
     • スピーカ出力は 1.5W＋1.5W です。
       
       
   • アンテナ
     
     
     • FM はロッドアンテナ、AM は内蔵バーアンテナです。
       
       
     • ロッドアンテナは短く、引き延ばしても 40cm しかありません。
       
       
   • AC 電源内蔵がとってもイイ
     
     
     • 邪魔っけな AC アダプタが不要で、精神的に良いです。
       
       
     • 単3アルカリ電池×6本でも駆動できますが、ラジオで14時間、CD で3時間しか使えず、オマケ程度です。
       
       
   • リモコン機能と時計機能がない
     
     
     • リモコンを紛失する心配がなく、面倒な時刻合わせも不要でお気軽に使えます。
       
       
     • スリープタイマ機能はあります。 120/90/60/30/15分/OFF に設定できます。
       
       
3. ラジオ
   
   
   • DSP radio 回路構成で、IFT などの LC 同調回路が無く 経年変化しない優れた方式 。 消費電力がやや多いのがデメリット。
     
     
     • FM 受信周波数範囲は 76.0〜108.0MHz (0.1MHz step) で、 ワイド FM に対応しています。
       
       
     • ワイド FM は 90〜95MHz の周波数で放送され、AM 放送のサイマルですが ステレオ受信 できます。
       
       
       
       
     • AM 受信周波数範囲は 531〜1,710kHz (9kHz step) です。
       
       
   • 3つのチューニング方式
     
     

     チューニング方式	操作
     マニュアル	[|＜＜] [＞＞|] ボタンを押すと、受信周波数がステップ毎に変わります
     オートスキャン	[|＜＜] [＞＞|] ボタンを長押しすると、オートスキャンして放送局が見つかると停止して受信します
     プリセット	お好み選局 [1]〜[5] ボタンのいずれかを押すと、プリセットコールして受信できます

     
     
   • FM1/FM2/AM それぞれに5局分プリセットでき、操作は簡単です。
     
     

     手順	操作
     1	プリセットしたい放送を受信状態にします
     2	お好み選局 [1]〜[5] ボタンのいずれかを長押しすると、そのボタンにプリセットされます

     
     
   • よく聴く以下の放送局をプリセットしました。
     
     
     • プリセット情報は EEPROM に記憶 しており、電源消失しても消えないのが素晴らしい！
       
       

     プリセット 番号	FM		AM
     	周波数 (MHz)	放送局	周波数 (kHz)	放送局
     P01	78.0	bayfm78	594	NHK 第1
     P02	79.5	NACK5	810	AFN Tokyo
     P03	80.0	TOKYO FM	954	TBS ラジオ
     P04	81.3	J-WAVE	1134	文化放送
     P05	82.5	NHK-FM 東京	1242	ニッポン放送
     P06	86.8	こしがやエフエム	P01〜P05 は FM1/AM P06〜P10 は FM2
     P07	89.7	InterFM897
     P08	90.5	TBS ラジオ
     P09	91.6	文化放送
     P10	93.0	ニッポン放送

     
     
   • 感度
     
     
     • FM は DSP radio 特有の高感度です。
       
       
     • AM の感度は普通です。 ローカル局を受信するには問題ないです。
       
       
4. CD
   
   
   • 音は普通に出ます。 筆者は CD 再生はオマケ程度にしか思っていません。
     
     
   • [プログラム] [リピート] [ランダム] [レジューム] 再生ができます。
     
     
5. 音質
   
   
   • ラジオとしての音は良く満足できます。 CD の音はラジオの音とたいして変わりません。
     
     
   • 高音も低音もそう出る訳ではありませんが聴きやすい音です。 低音に関しては [Bass] ボタンで増強できます。
     
     
   • やや横幅があるので、ステレオ感はそこそこ感じます。
     
     
   • 迫力のある音は出ませんが、ホームラジオとして長時間 BGM 的に聴くのに適した音です。
     
     

---

仕様など

1. ドキュメント
   
   
   • TY-C260 取扱説明書
     
     
2. プレスリリース
   
   
   • 語学学習と音楽鑑賞機能を充実させ、コンパクト化を実現した CD ラジオ2機種を発売
     
     
3. 仕様
   
   
   
   
4. 発売時情報
   
   

   その他	内容
   発売開始時期	2020年6月
   定価	オープン (発売当初の実売価格7千円程度)

   
   

---