PENTAX ME 分解練習用教材をゲット!
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2014年2月20日、PENTAX ME ボディの中古ジャンクが
税込200円
でした。
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内部を診ると、この個体は誰かがいじった形跡がありました。
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メカニカルシャッター幕が油まみれになって表面張力で貼り付いて動作不能状態でした。
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精密機構に大量に注油するとは、いじった人はよほど素人なんでしょうね。
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不適切な補修は完全復活を阻害します。
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これでは修理しても信頼性の回復は困難と思われたので、分解練習用教材としました。
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200円ですからね ・・・ ゴミを拾うこともあります。
ただし、教材として200円を遥かに超える価値があります。
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もちろん、分解時に取り出した部品は補修用部品として保管します。
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ME super
と共通の部品も多く、ME / ME super 補修用部品として活用できます。
分解記録
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ミラーボックスを分離するために、黄緑色○のワイヤのハンダ付けを外します。
この部分は
ME super
よりシンプルです。
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こちらの黄緑色○のワイヤのハンダ付けも外します。
ME super
より簡単かつ安全に外せます。
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左側写真にある端子にハンダ付けされているワイヤは左から [白] [青] [真鍮] [橙] [茶] です。
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右側写真の赤ワイヤは外さなくてよいです。
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ミラーボックスのメカニカル機構です。
以下の理由より
ME super
よりシンプルです。
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左側写真を見て判るように、ME super ではゴム材のダンパーリングが使用されている部分が、ME では硬質プラスチックリングとなっています。
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右側写真を見て判るように、ME super にはあるエアダンパーが、ME には使用されていません。
エアダンパーの中にゴム材のクッションがあります。
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以上より、ME では経年劣化する部品がなく、ME super より信頼性が高いことが判ります。
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ME super ではミラー動作時のショックの軽減と音の静音化を目指して、ダンパーリングとエアダンパーが導入されましたが、これらにゴム材を使用したことが災いして、いつか必ず経年変化でミラー動作不具合が発生します。
性能向上と引き換えに信頼性が下がってしまったのです。
中古市場に出ている ME super のほとんどがミラー動作不良になっていることより信頼性の低下は明らかです。
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ME では経年劣化する部品が使われていないので高信頼です。
中古 ME を入手してシャッターがちゃんと切れるならミラーボックスを分離する大掛かりな補修は不要です。
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ME super よりミラー動作時のショックと音が大きいと言っても一般の一眼レフカメラよりは十分小さいです。
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縦走りメカニカルフォーカルプレーンシャッターユニットも分解して清掃の練習をしました。
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無水アルコールにて洗浄し、元気良く動作するようになりました。
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この小さなユニットに前幕と後幕の2つのシャッターがあるのに驚きます。
2つ幕の間に写真上中央のセパレータがあります。
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シャッターおよびセパレータは超薄いハガネ鋼が使われています。
[超薄い]=[軽い]=[素早く動作する] ということです。
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よく考えられた機構で、記録なしでもちょっとしたパズル感覚で簡単に組み立てできました。
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精密メカニカル機構の分解/組立の経験のある人なら簡単にできます。
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自信がなければデジカメ等で記録しながら作業するほうがよいです。
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右側の写真はシャッターユニットのワイヤを記録するために撮影しました。
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一番左側のワイヤはストロボ X 接点に向かいます。
X 接点はシャッターと同期するので、考えたらごく当然です。
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その次からの4本 (左から [青] [白] [茶] [橙]) はそのまま、項番2の左側写真の端子に向かいます。
ドキュメント
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取扱説明書
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Service Manual