Persol PBW004
Y!BB用に無線LANアクセスポイントを導入しました
PBW004は2002年7月に新発売されました。 そして半年も経たない2002年12月には投売り状態です。 たぶん一般ユーザーが使いこなせなくて在庫の山に陥ったと思われます。
巷の掲示板
で悩んでいる人の一般ユーザの声が聞けます。 この悩みはネットワークエンジニアからみると、ネットワークの常識で問題ではないのですけどね。
2002年12月30日、ヨドバシカメラ上野店で定価29,800円の
Persol PBW004
が6,980円でした。 15%ポイントがついたので実質5,933円です。
2003年1月2日に PC DEPOT へ行ったら、この PBW004 が 12,700円で特売されていました。 この値段を出せばヨドバシカメラでは2台買えちゃいます。
!!!なんだか得した気分!!!
PBW004はスペック的にはかなりマトモです。 定価通りのスペックがあります。
アンテナが良い。 2本のダイバーシティアンテナを持っています。
セントロコネクタがあり、プリンタサーバ機能があります。 6,000円以下ですからプリンタサーバと思って買っても元が取れます。 私が購入に踏み切ったのもこの機能があるからです。
無線LAN機能としては「IEEE802.11/IEEE802.11b準拠の11Mbps」「ESSID」「WEP64/128」「MACアドレス制限機能」と現在考えられる必要な機能は全てあります。 無線アクセスポイント/無線ブリッジの2つの用途に使えます。
無線ブリッジ機能はとても良いです。 例えば、親しいお隣さんと同一セグメントでLAN構成できます。 この場合、PBW004を2台使用して、お互いに見通しできる窓際に PBW004を置きます。
2ポートの10/100MbpsスイッチングHUB機能があります。 これは首を傾げる仕様の1つです。 なぜ2ポートなんだろう? 1ポートよりマシなのですが、どうせなら4ポートは欲しいです。 2ポートだからスイッチング機能が活きますが、1ポートだったらスイッチング機能は不要です。 スイッチングHUBとしては世界最小ポート数です。
DHCPサーバー機能があります。 そしてこの機能ONがデフォールトです。 これも首を傾げる仕様の1つです。
PBW004への設定はブラウザから行えます。 素人もプロも扱い易いです。
電源はACアダプター方式なのですが、ACアダプターは、入力AC100〜240Vとワールドワイド仕様、出力DC12V/1500mA、スイッチング電源なのでコンパクトと私好みです。
特異な形をしていますが、これは金属ケースにプラスチックを被せた構造で、シールド性はバッチリです。 特異な形も設置した時の安定性に役立っています。
60ページ弱のユーザーズマニュアルが添付されています。 やさしい言葉で書かれていますが内容はネットワークエンジニア向けです。 言葉はやさしいですが、素人にはチンプンカンプンだと思います。 ネットワークエンジニア向けとしては必要十分な内容で問題ないレベルです。
さて、こんなに良いスペックなのになぜ売れなかったのか・・・そして投売りに至ってしまったのか???
マニュアルはエンジニアが書いたエンジニア向けのドキュメントだと思います。 素人お断りの世界なので、一般人が使いこなせない・・・クレームが多いのでお店も売りたがらない・・・在庫の山に至る。
この製品を買うユーザーの大半は
ルーター機能付きADSLモデムがつながったLANの無線アクセスポイントとして使いたい
だと思います。 実際、この製品は入っていた外箱にもイメージ図と共に「有線ルータやルータタイプのADSLモデムを本製品と接続することで、無線LANを使ってインターネットを利用できます。」と書いてある。
!!!問題はデフォールトの設定では、この書いてある通りに動かない!!!
ことです。 これでは一般ユーザーからクレームや問い合わせに山になります。
なぜ、素人に使いこなせないのか・・・を設定方法を交えて解説します。
この製品は無線アクセスポートとして使うケースがほとんどだと思います。 と言う事はルータ機能付きADSLモデムかIPルータに接続して使うはずです。
なぜか、PBW004 にはDHCPサーバ機能があって、この機能ONがデフォールトになっています。
でも一般のADSLモデムのルータ機能でもIPルータにもDHCP機能があるので、同じLAN上でクライアントパソコンが困ってしまいます。 「私はいったいどちら様のDHCPクライアントになったらいいの?」というクライアントパソコンの悲鳴が聞こえてきそうです。 DHCPサーバ機能OFFであるデフォールトが正解のはずです。 素人さんは、まずここで悩んでしまいます。
いったい何のためにDHCP機能があるのでしょうね。 よく判らない仕様です。 PBW004 のもう1つの用途として、PBW004 2台による無線ブリッジがありますが、この用途でもDHCPサーバ機能は全然必要ありません。 2台の PBW004 をデフォールトのままブリッジ構成すると同じIPアドレスのクライアントが存在してしまってLANがグチャグチャになります。
PBW004 のIPアドレスのデフォールトは「192.168.123.253」です。 無線アクセスポイントとして使うには、これをルータのDHCPセグメントに合わせる必要があります。 我が家はルーターのセグメントは「192.168.1.0」ですから、PBW004 のIPアドレスを「192.168.1.253」とします。 こうしなければならないことはネットワークエンジニアでは常識ですが、素人さんには判らないです。 ユーザーマニュアルに記載があれば素人さんでもその通りにやるでしょうが、この辺り、マニュアルには何にも記載ありません。
私はIPルータにこのデフォールトのまま PBW004 を接続しました。 当然 PBW004 のDHCP機能も活きているし、IPアドレスも「192.168.123.253」のままです。 良識あるネットワークエンジニアならこの不安定な状況を一刻も早く脱出したいと思うはずです。 そのためには PBW004 にログインしなくてはなりません。 操作するクライアントパソコンのTCP/IPの設定を変えて PBW004 にアクセスできるセグメントのIPアドレスにする必要があります。
私はクライアントパソコンのTCP/IP設定から
・IPアドレス:192.168.123.1(固定IPアドレスにする) ・ネットマスク:255.255.255.0
としました。 Windows-XpはリブートしなくてもTCP/IPの設定が有効になります。 Windows-95などではリブートが必要です。
この状態でブラウザを起動し、URLに「192.168.123.253」をタイプすると PBW004 にログインできます。 設定画面で「DHCP機能をOFF」「IPアドレスを 192.168.1.253」に変更し、PBW004 を再起動します。
クライアントパソコンは変更したTCP/IPの設定を設定前の状態に戻します。 これ以降はブラウザから「192.168.1.253」を指定すると PBW004 の設定画面にログインできます。 無線LANの設定などをします。
このように設定するとよいことが PBW004 ユーザーマニュアルに何にも書かれていないのです。 これじゃ〜素人さんには使えませんよね!!!
PBW004 はなかなか良い製品です。 2002年12月25日に横浜駅近くのビックカメラで6,980円で売られているのを見つけたのが最初です。 これは買いだろうかと情報をいろいろ収集して、自分なりに買い!と判断しました。 マニアをくすぐるのは、一般ユーザーの使いこなせないレポートが非常に多い・・・ことなのです。
使い方が難しい機器というのは性能が優れている
というのが私の考え方です。
備忘録
工場出荷初期状態
システムパスワード:admin
LAN IPアドレス:192.168.123.253
Mode:AP
DHCPサーバー:有効(192.168.123.100〜192.168.123.199)
工場出荷初期状態に戻す方法
正面パネル左下にあるリセットスイッチを、針金のようなもので押しながら電源を入れる。
M1 LEDがオレンジに点灯したらリセットスイッチを離す。