2004年5月4日、
ジャパン
越谷店で購入した PANASOUND Ky-188 フラッシュライト付きのワンタッチオートスキャンFMラジオです。
なんと!税込み207円でした。
もちろん新品ですよ。
これが商品パッケージです。
構成は「本体+ステレオイヤホン」です。
この値段でステレオイヤホンまで付いているのに驚きます。
(注)ステレオイヤホンが付いているのですが基本的にモノラル音です。
大きさは実測 25(W)x122(H)x15(D)mm、重さは実測 24g のペンシル型です。
十分小さくて軽いです。
スーツやワイシャツのポケットに楽々入ります。
押しボタンは「SCAN」「RESET」「LIGHT」の3つです。
その他は、電源スイッチ兼用の「ボリュームツマミ」「イヤホンジャック」「POWER-LED」「電球」です。
作りは安っぽいです。でも、200円ですからね・・・。
電源に単4電池×2本が必要です。
この写真のようにセットします。
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「LIGHT」ボタンを押すと「電球」が点灯して懐中電灯になります。
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「SCAN」ボタンを押すとFM放送の周波数の低いところから高いところに向かって放送局をスキャンします。
放送局が見つかるとスキャンを停止して放送を受信します。
再度、「SCAN」ボタンを押すと更に周波数の高いところに向かって放送局をスキャンします。
周波数が一番高いところになった場合はそこでスキャンは終わりです。
それからはいくら「SCAN」ボタンを押してもスキャンされません。
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「そうすると、低い周波数に戻すにはどうしたらいいの?」という質問が来ると思うのでお答えします。
「RESET」ボタンを押すのです。
スキャン周波数が最初の一番低い周波数に戻ります。
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この自動 SCAN 同調が最大の特長です。
「SCAN」ボタンを押して一瞬に選局が完了します。
ストレスなしです。
100円ショップにも FM ラジオがありますが、バリコン同調です。
200円出すとこのような自動スキャンの FM ラジオが買えます。
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自動 SCAN はいったいどういう回路なのか非常に興味あります。
と言う事で、カバーを外して基板を見てみました。
どこを見ても水晶発信子はありませんでした。
コイル1個、IC(D7088)1個、バリキャップダイオード1個、トランジスタ2個しかありませんでした。
この構成から想像すると、シンセサイザーのようなデジタルスキャン方式ではありません。
アナログスキャン方式です。
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そうすると、どのようにして自動スキャンニングするのだろう?
バリキャップ同調するのですが、それは AGC(自動利得制御)を OFF にして一方向にバリキャップ印加電圧を変化させて放送局を探し、見つかると印加電圧の変化をストップすると同時に AGC を ON にするのだと思います。
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使い勝手はシンセサイザーのそれとあんまり変わりません。
200円でよくぞここまでに出来たと感心します。
音も悪くありません。
少なくとも200円以上の音質です。
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我が家では Inter-FM/放送大学/BAY-FM/NACK5/TOKYO-FM/J-WAVE/NHK-FM が受信できています。
十分です。
ともかく200円ですから丁寧に使う必要もありません。
使い捨て感覚で、どんどん使おうと思います。
回路図化してみました
少ない部品で実用レベルになっている・・・興味深いので、基板パターンから回路図化してみました。
以下がその結果です。
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主要LSIには D7088 という One chip FM Radio with Electronic Tuner が使用されています。
SCAN スイッチを押すことにより、C4 の印加電圧を徐々に上げていき、FM 放送が受信できたら印加電圧の上昇を止めます。
「C4 の印加電圧 = D1 バリキャップの電圧」です。
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C4 の印加電圧が電源の 3V になったら、これ以上電圧は上がりません。
最初からやり直すために、RESET スイッチを押すと C4 がディスチャージされて、印加電圧が 0V になります。
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ランプにはフィラメント型電球が使われています。
これは簡単に最近の高輝度 LED に交換可能です。
この場合、R3 を適当なものと交換が必要です。
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PHONE には C13 を介して D7088 の 11pin がつながっています。
これはアンテナ回路です。
イヤフォンケーブルがアンテナの代わりをします。
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PHONE の回路が何だか変です。
いくらみてもこのようになっているのです???
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しかし、この程度の部品点数で実用的な FM 受信機ができてしまうのですね。
恐るべし、D7088。
たった200円ほどで、これだけの頭の体操が出来て満足です!!!
参考リンク