カーラネットに接続してカーラネットのSMTPサーバーを使いたいので、ズバッとツーカー東京に電話して聞いてみました。

「ツーカー携帯電話を契約し、カーラを使っていますが、「プロバイダ設定」からカーラネットのSMTPを使いたいのでサーバー名を教えてください。」
「SMTPって何ですか?」
「ああっ??、インターネットの世界でメールをやりとりするPOPやSMTPサーバのことなんですが。」
「カーラネットにはPOPもSMTPもありません。」
「そんなバカな。じゃ、カーラではどのような方法でインターネットメールの送受信をやっているのですか?」
・・・・・しばし無言・・・・・
「企業秘密なのでお答えできません。」
「私は正当なユーザなので情報を知る権利はあると思いますが。」
「ともかくお答えできません。」

受け付けたツーカー社員がオバカなのか、企業体質のせいか、ともかく頭に来てしまいました。

!!!!!それなら調べてやる!!!!!

まず、カーラネットのIPアドレス割付を知る必要があります。 これを調べるには JPNIC の「WHOIS」検索サービスを使うのが手っ取り早いです。 ここに情報があれば苦労せずに済みます。 正当なインターネットサーバならここにドメイン名やIP情報があるはずです。 早速、「カーラネット」を「WHOIS」検索にかけてみました。 すんなり出てきました。
Network Information: [ネットワーク情報]
a. [IPネットワークアドレス]     202.33.227.224/27
b. [ネットワーク名]             CARA-NET
f. [組織名]                     エスアイアイ・データサービス株式会社
g. [Organization]               SII Data Service Corp.
[割当年月日]                    1999/09/28
[返却年月日]                     
[最終更新]                      1999/09/28 16:42:20 (JST)
ありゃりゃ。カーラネットはツーカーにあるのではないんだ!!!
「エスアイアイ・データサービス株式会社」という会社にカーラネット事業をアウトソーシングしているようです。 SII(エスアイアイ)という名前で思い出しました。 そういえばカーラを製造しているのはセイコー電子(SII)だったな。 カーラの製造からネット事業まで一括して取り込んでいるんだ!!
ここで感心したりして。

この情報でIPアドレス割付は「202.33.227.224/27」の情報から
 202.33.227.224〜202.33.227.255
と判明しました。

次は「nslookup」コマンドを使ってこれらのIPアドレスを片っ端から調べます。 たかが32アドレスですから調査はすぐに終わります。 結果、以下のIPアドレスにサーバが存在することが判りました。

202.33.227.225 Official Name: ns.cara.tu-ka.ne.jp
202.33.227.241 Official Name: www.cara.tu-ka.ne.jp


次に「ns.cara.tu-ka.ne.jp」「www.cara.tu-ka.ne.jp」に「traceroute」コマンドをかけて再確認します。
TraceRoute ns.cara.tu-ka.ne.jp (202.33.227.225)
58 bytes from 202.33.227.225: time=80 ms
 1      6      6 192.168.0.1     MN128-SOHO
 2     47     41 202.210.104.3
 3      *      * timed out
 4     48      1 202.210.103.189
 5     48      0 202.210.103.190
 6     58     10 202.210.103.102
 7     48    -10 202.249.2.9
 8     57      9 165.76.255.164  TKY.A2-0.CHB01BC4.CHB.SPIN.AD.JP
 9     57      0 165.76.13.8     FE2-1.CHB01NC6.CHB.SPIN.AD.JP
10      *      * timed out
11     80     23 202.33.227.225  mx.cara.tu-ka.ne.jp
host reached

TraceRoute www.cara.tu-ka.ne.jp (202.33.227.241)
58 bytes from 202.33.227.241: time=79 ms
 1      7      7 192.168.0.1     MN128-SOHO
 2     47     40 202.210.104.3
 3      *      * timed out
 4     48      1 202.210.103.189
 5     48      0 202.210.103.190
 6     49      1 202.210.103.102
 7     49      0 202.249.2.9
 8     57      8 165.76.255.164  TKY.A2-0.CHB01BC4.CHB.SPIN.AD.JP
 9    110     53 165.76.13.8     FE2-1.CHB01NC6.CHB.SPIN.AD.JP
10      *      * timed out
11     79    -31 202.33.227.241  proxy.cara.tu-ka.ne.jp
host reached
結果から 「ns.cara.tu-ka.ne.jp」は「mx.cara.tu-ka.ne.jp」,「www.cara.tu-ka.ne.jp」は「proxy.cara.tu-ka.ne.jp」と言うエイリアス名も持っていることがわかります。

この2つのサーバーにSMTPポートが開いているのはどちらか調査した結果、「www.cara.tu-ka.ne.jp」(202.33.227.241)と判明しました。 ポート番号が存在するかどうかは「telnet」コマンドでポート番号を変えながらアタックしてみると簡単に判ります。 ついでにいろいろ調査してみたのですが、 DNSやPROXY, SMTP, POPまで、全てこの1台でやっているようです。 意外とFreeBSDやLinuxなどのパソコンUNIXで運営しているかもしれません。

以上の調査の結果、カーラの「プロバイダ設定」は以下としました。 もちろんメールの送受信は問題なくできています。
     電話番号: *202
ログインアカウント: tu-ka
ログインパスワード: tu-ka
 メールアカウント: (開きたいPOPのアカウント,例:bakabon)
  メールアドレス: (メール返信アドレス,例:[email protected])
 メールパスワード: (開きたいPOPのパスワード,例:naisho)
 送信(SMTP)サーバ: www.cara.tu-ka.ne.jp
  受信(POP)サーバ: (開きたいPOPサーバ名,例:pop.efgh.com)
  ネームサーバ1: 202.33.227.241
  ネームサーバ2: 202.33.227.225
    PROXYサーバ: proxy.cara.tu-ka.ne.jp
    ポート番号: 10080
私が質問したツーカー社員はネットワークが丸ごとアウトソーシングされているので、全然知らなかったのでしょう。 知らないのなら「知らない。」と正直に言ってくれると可愛げがあるのに、知らないことは全て「企業秘密です。」とはユーザは怒りをおぼえてしまいます。