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FreeBSDの入手
秋葉原へ行けば簡単にFreeBSDのCD-ROMの最新版が入手できますが、初めてのインストールでは単にCD-ROMだけでは、「インストール時にどんな画面がでるのか?」「トラブルシューティングはどうすれば良いか?」など不安になります。
私の場合、ちょうどタイミング良く
FreeBSD入門キット 秀和システム 2,900円
FreeBSD2.0.5 CD-ROM付き
本来はPC-98を対象としたインストールガイド本であるが、
PC/AT版のシステムもCD-ROMに含まれている。
の本が売っていたので、これでインストールすることにしました。
PC-98用に書いてある記述は頭の中でPC/ATに変換すれば良い。
私はPC-98,PC/AT,MACのユーザでもあるので、それほどたいしたことはない。
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CD-ROMに入っているINSTALLとHARDWAREと言うドキュメントを印刷
Windows95のNotePADで読み込んでみると、解読不能でした。
ダメ元でWordPADで読み込むとアラ不思議、ちゃんと読めました。
これでドキュメントを印刷できました。
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Bootフロッピ作成
ドキュメントを読むと、いろんなインストール方法(FTPからダイレクトにインストールする方法などがある。)が書いてありましたが、やはり一番安全そうなのは、Bootフロッピを作成してCD-ROMから行うことだと思われました。
ドキュメントによると、boot.flp(フロッピイメージデータ)を rawrite.exe を使ってフロッピに書き込めとなっているぞ。
さて、これらはCD-ROMのどこにあるんだろう???
結果、
\dists\floppies\boot.flp
\dists\tools\dos_tool\rawrite.exe
でした。
これでBootフロッピが作成できました。
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Bootフロッピで立ち上げ
ドキュメントによると、Bootフロッピよりブートすると30秒〜3分(なんと曖昧な表現,アメリカらしいラフさ)で、最小構成のインストール用FreeBSDが立ち上がり、インストール・メニューが表示されると書いてあるぞ。
早速実行。
しばらくしてFreeBSDが立ち上がり、自動的にハード構成をチェックし始めました。
そして、しばらくすると
matcd0:get_stat:After reading status byte, bus didn't go idle ff f 230
が連続して永遠に表示し続ける現象とあいなりました。
我慢強い私は、これでも1時間ほど待ち続けましたが、一向に終わる気配がないので、ドキュメントを読んでみました。
matcd0 と言うのは Matsushita/Panasonic CD-ROM のことだとは判りましたがメッセージの内容は不明です。
たぶん、CD-ROMのインターフェースを見つけたが、そのバスからの応答を待っている状態と推定します。
ここで言う matcd0 とはおそらく、サウンド・カードに付属しているCD-ROMことを言っているはずです。
ところが、私のCD-ROMは内臓でIDEタイプなのです。
サウンドブラスタ16は実装していますが、私のSB16にはCD-ROMのインタフェースはありません。
ここで考えられるのは、私のSB16にはCD-ROMインタフェース・コネクタは無いのだが、回路的なインタフェースはあって、これをFreeBSDが見つけてしまったと言うこと。
そうであれば、SB16を外してブートすれば状態は変わるはずだ。
早速実行。
インストール・メニューが立ち上がりました。
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CD-ROMが使えない
インストール・メニューは立ち上がりましたが、私のIDEタイプのCD-ROMをFreeBSD君は認識してくれないのです。
また、ドキュメントを見ました。
ありました。インストール時にはIDEタイプのCD-ROMはサポートしていないとハッキリ書いてありました。
FreeBSDシステムさえ完全に立ち上がれば、たぶんIDEタイプも使えるように出来ると思うのですが、このままでは先に進みません。
SCSIタイプならだいたい大丈夫そうなので、パソコンにアダプテックAHA1510BのSCSIインタフェースを実装し、私の家にゴロゴロころがっているCD-ROMドライブのうち、NEC 210Rを接続しました。
これで再びブート。
結果はCD-ROM認識できました。
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FreeBSD用領域設定
私の場合、1GBのHDのうち500MBをすでにWindows95用に割り振ってあったので、残りの500MBをFreeBSD用に領域設定しました。
そして、この領域をスワップ・パーティションとファイル・システム・パーションに分割しました。
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やっと、FreeBSDインストール
考えるのが面倒なので、Distributionsメニューの Evrything を指定してフルインストールしました。
約1時間かかりました。
350MB以上の容量です。
最後にブート・マネージャを組み込むかどうかを聞いてきましたので、組み込みました。
これを組み込んでおくと、ハードディスクからのブート時にどの領域が立ち上げるかを聞いてきます。
おかげで、F1キーでWindows95が,F2キーでFreeBSDが立ち上がります。
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項番4の matcd0 の問題解決
項番4でSB16を取り外しましたが、このままだとWindows95使用で困るので、また、ドキュメントを見てみました。
すると、ブート画面で出てくる
Boot:
の時に -c を入力してやるとコンフィグ・モードになるようなのです。
まずはこのコンフィグ・モードにしてみました。
Boot: -c
続いて、
Config> disable matcd0
とキー入力して matcd0 を常にディゼーブル状態にできました。
この状態で再度SB16を実装したところ、matcd0 のエラー・メッセージが出続ける現象はなくなりました。
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IDEのCD-ROMが使えないか?
ドキュメントを読んでみたのですが、FreeBSD2.0.5ではやはりIDEのCD-ROMはサポートしていないようです。
とりあえず、SCSIのCD-ROMが使えているので問題はないのですが、やはり気にかかります。
http://www.freebsd.org/
を覗いてみると、最新のFreeBSD2.1ではやっとIDEのCD-ROMをサポートしたようです。
機器名は wcd になるようです。
そのうちバージョン・アップすることにします。
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日本語106キーボードが使えない
当然と言えば当然なのですが、FreeBSDのオリジナルは日本語キーボードをサポートしていないようです。
Niftyの「FUNIX」を覗いてみました。
ありました。
日本語106キーボード・テーブルのソースがありました。
このソースをオリジナルのものと入れ替えて、システム・ジェネレーション(再コンパイル)すれば良いと言うことが判りました。
しかし、昨日FreeBSDが初めて動いたと言う状況下では、ちょっと危険すぎます。
結局、私の場合キーボード切替ボックスを設置して、Windows95では日本語キーボード,FreeBSDでは英語キーボードと切り替えて使うことにしました。
私はキーボードを収集するのも趣味にしているので、IBM純正から台湾製まで20台以上のキーボードがゴロゴロしています。
しばらくFreeBSDを勉強してみて自信がついたら再コンパイルに挑戦してみます。
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項番5の「IDE CD-ROM認識できない」の問題解決(1)
FreeBSDを最近の2.1.0にバージョン・アップしました。
目的はIDE CD-ROMを認識させるためです。
FreeBSD2.1.0のCD-ROMを入手しました。
2枚組なんですね。
知りませんでした。
ドキュメントを読んでみると、「ATAPI.FLPでブート・ディスクを作成し、これでブートしてインストールせよ。」と書いてあるぞ。
やってみました。
ブートで見事にIDE CD-ROMを認識し、インストールが完了しました。
簡単でした。
ところが、FreeBSDを立ち上げてみると、やはりIDE CD-ROMを認識してくれない。
ムッムッム。
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項番5の「IDE CD-ROM認識できない」の問題解決(2)
これはもうシステムの再構築しかないと判断し、
/usr/src/sys/i386/conf/GENERIC
をvi(viって慣れないと使いにくいですね。)で開いてみると、ATAPIの記述があり、CD-ROM記述がコメントになっていました。
頭の#を外して、この行を有効にし、ついでに私の環境に合うように、GENERIC(カーネルの構成定義ファイル)全体を書き換えました。
そしてシステムの再コンパイルを開始。
5分くらいで終わりました。
システムを再立ち上げしたところ、IDE CD-ROMをちゃんと認識できました。
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項番10の「日本語106キーボードが使えない」の問題解決
次のようにしてCD-ROMから jp.106.kbd (キーボード・マップ・データ)ファイルを share ディレクトリにコピーする。
# cat share.?? | gunzip | ( cd / ; tar xvf-
./usr/share/syscons/keymaps/jp.106.kbd )
そしてvi で /etc/sysconfig を編集し、
keymap=jp.106
とする。
これで日本語106キーボードが使えるようになりました。
日本語キーボードが使えるように設定するまで、これらの操作を英語キーボードでやらなくてはならないのが気にかかりますが。
私のようなマニアではどちらのキーボードも持っているので、特に支障はないのですが、一般の人は難しいかもしれません。
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パスとプロンプトの定義を設定
.cshrc ファイルを vi で編集し、パスとプロンプトの設定をやりました。
set path=(/usr/X11R6/bin /sbin /usr/sbin /bin /usr/bin /usr/local/bin)
alias cd 'cd \!*; set prompt = "[`hostname -s`] $cwd% "'
cd .
これでX-Windows Systemを動作させるためのパスと、パスを付加したプロンプトの表示を設定できました。
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コンピュータの名前を付ける
「HAL」なんていうのは、みんなが付けそうな名前なので、私は「BrainStorm」としました。
これは /etc/sysconfig を vi で編集して設定します。
ついでにスクリーン・セーバも設定しました。
hostname="BrainStorm"
blanktime="180"
saver="blank"
としました。
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X Windows Systemが立ち上がりました。
でも...
やっと、X Windows Systemが立ち上がりました。
でも、VGAモード(640×480,16色)です。
今までSVGAモードで何回も挑戦してダメだったので、VGAモードでやってみたらすんなりOKとなったものです。
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SVGAモードで立ち上げようとやっていた時の現象は、startxでCRTの画面が真っ黒になり、それっきりキーボードも何も操作不能になってしまう。
ログをとって調べてみると表示ドライバーの組み込みに失敗しているトレースとなっていました。
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VGAモードでの立ち上げはすんなりOKでした。
ただし、640×480の画面では実用になりそうに思えません。
1024×768程度の解像度はほしい。
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使用しているビデオ・カードはDiamond Stelth64 Graphics 2001です。
チップはArk2000PVを使っています。
XFree86のドキュメントを読む限りは、このチップをサポートしているはずなのですが???
もう少しSVGAモードに挑戦してみます。
インターネットでXFree86のサポートを覗いてみると、「Diamond社はインタフェースの技術公開をしてくれないので、サポートされるチップを使っていてもDiamond社のビデオカードでの動作は保証しない。」とはっきり書かれています。
Diamondさん何とかして下さい。
色々試してダメであれば、ビデオボードの交換も考えています。
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ビデオ・カードを交換してxがまともに
Diamond Stealth64 Graphics 2001 でどうしてもxで高解像度が得られないため、秋葉原で超低価格のビデオ・カードを探しました。
目標は2MBのメモリが付いて1万円以下でしたが、これに近い
ExpertColor DSV3365P Video Card (PCI) - \12,800
を見つけました。S3 Trio64V+ / EDO2MB のグラフィックアクセラレータカードです。
有名なメーカだと3〜4万円します。
はっきり言ってマガイ物です。
マガイ物ですが、ボードはキチンと作ってあるし、ドライバーディスケットとマニュアル(中国語)と、なんとNOVELLの「PerfectWorks」と言うワープロ/表計算/データベース/ドロウ&ペイント/パソコン通信の統合ソフトのCD-ROMが入っていました。(もしかしたら、これはコピー品???)
まずこのカードをWindows95で認識させると、さすがPCIのため、一発でWindows95が勝手にドライバーをインストールしてくれました。
Windows95は貧乏人の味方です。
次にXFree86でコンフィグしてみました。
これも一発でアクセラレータモード用 XF86_S3ドライバーが動きました。
S3社のグラフィックチップとXFree86は相性が良いようです。
これでやっと 1024×768 モードの解像度で使うことができるようになりました。
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次のパッケージをインストールしました
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mtools-2.0.7
MS-DOSのフロッピをアクセスするツール群です。
現在のところインターネットへはWindows95でアクセスしているのでUNIX関係のデータ交換の際に必要です。
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fvwm-1.24rとxpm-3.4f
ウィンドウ・マネージャです。
標準のtwmは画面が平面的で面白くないのでこれにしました。
fvwn-1.24rをインストールするとxpm-3.4fが自動的にインストールされます。
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kterm-6.1.0
標準のxtermに代わる漢字表示できるターミナルプログラムです。
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Canna-3.2.2
漢字変換サーバーです。
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jp-ckinput2-2.0.1
DOSの世界でいうkterm用日本語FEPです。
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jp-less-290
標準のmoreコマンドの代わりです。
日本語表示用です。
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jp-cmule-2.3
Canna用の日本語エディタです。
emacsの日本語版です。
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emiclock-1.0.2
x画面に張り付ける「エミちゃんクロック」です。
Windows版と同じ、エミちゃんの時計が表示できます。
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xearth-1.0
x画面の壁紙に地球が現れます。
そしてこの地球は時刻と共にグルグル回ります。
各国がだいたい何時くらいか感覚的に判ります。
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fd-1.00
ご存じDOS用FDユーティリティのUNIX版です。
1〜9までのパッケージはFreeBSD2.1のCD-ROMに標準で入っています。
10は以下のサイトからインターネットで入手しました。
http://jun.t.u-tokyo.ac.jp/miyazaki/KitHome.html
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「~/.cshrc」の編集
以下の記述を「~/.cshrc」の最後部に追加しました。
alias fde 'fd -LANGUAGE=english'
alias xterm kterm
alias more jless
alias sysend '/usr/local/canna/bin/cannakill; shutdown -h now'
setenv LANG ja_JP
alias cd 'cd \!*; set prompt = "[`hostname -s`] <$cwd># "'
cd .
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「~/.xinitrc」の作成
以下の「~/.xinitrc」を作成しました。
xmodmap -e 'keycode 133 = backslash bar'
xmodmap -e 'keycode 123 = backslash underscore'
xearth &
emiclock -geometry -0+0 &
xeyes -geometry 90x95-135+0 &
kterm -km euc -C -T console -geometry 30x5+0+0 &
kterm -km euc -T hkita -geometry 45x19-4+171 &
kinput2 -canna &
fvwm
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「~/.Xdefaults」の作成
以下の「~/.Xdefaults」を作成しました。
KTerm*vt100*Translations:#override\
Shiftspace: begin-conversion(JAPANESE_CONVERSION)
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「~/.emacs」の作成
以下の「~/.emacs」を作成しました。
(load-library "canna")(canna)
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「/etc/services」の編集
以下の記述を「/etc/services」に追加しました。
canna 5680/tcp #canna server
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「/etc/rc.local」の編集
以下の記述を「/etc/rc.local」の最後部に追加しました。
# put your local stuff here
if [ -f /usr/local/canna/bin/cannaserver ]; then
if [ -f /var/spool/canna/lock/.CANNALOCK ]; then
rm -f /var/spool/canna/lock/.CANNALOCK
fi
/usr/local/canna/bin/cannaserver > /dev/null
fi
echo 'CannaServer started'
echo ''
以上のことをやってから、リブートするとxでの日本語環境がほぼ動作するようになりました。
まだ若干、問題箇所や調整不足箇所がありますが、実用的になって来ました。