独自ドメインを取得しよう (2015)

独自ドメインを取得しよう (2015)

プロローグ

本記事は2003年に公開した独自ドメインを取得しよう (2003) の焼き直しです。
- DNS サーバーを [Value Domain 独自のネームサーバー] に乗り換えるとキャンペーンでドメイン登録料が安くなるので設定変更しました。
- この12年間に Value Domain や XREA.COM で表示される画面がかなり変わったので、改訂タイミングとしてもちょうどイイかもしれない。
最近では FTTH 接続の方が多いと思います。そうなると、最初は自分専用のインターネットサーバーを所有したくなります。
- インターネットサーバーの構築方法については玄人志向 KURO-BOX/HG の記事が参考になります。
次なる欲望は 独自ドメインでインターネットサーバーを運用したい に決まっています。
- この記事では、[独自インターネットサーバーでの独自ドメイン運用] [レンタルサーバーでの独自ドメイン運用] の2通りの方法を紹介しています。
- kita3.net が前者、abuna.net が後者です。

独自ドメインを取得

Value Domain で独自ドメインを取得
- 費用は1ドメインあたり1,080円/年 (キャンペーン価格) です。
- 無料で DNS サーバーと DDNS を使えます。 A レコードや MX レコードの設定もできる大変優れたサービスです。
- 取得した1ドメイン当り1個の [50MB レンタルサーバー] も無料で使えます。 50MB は写真などを公開するサーバーとしては不足ですが、メールを複数運用するには十分と思います。懸賞応募などでは、この複数のメールアドレスを駆使すると当選確率が上がります。
kita3.net （北さんネット）、abuna.net （アブナネット）の2つのドメインを取得
- ドメインは基本的に NIC (Network Information Center) と使用者の契約ですから、例え Value Domain 社が倒産しても、ドメイン名は契約者のもので、そのまま使うことができます。 また、転売することも可能です。いい名前のドメインが取れたら大金持ちになれるかもしれませんよ？？？
- abuna.net は「危なネット」という意味ではありません。南米のお魚の名前です。お間違いなきように。
- Value Domain でドメイン登録して、そのドメインが使えるようになるのに1日程度はかかります。

自宅サーバーのドメインを kita3.net に

方針
- 自宅の FTTH 回線に kita3.net サーバーを設置します。従って DNS が kita3.net サーバーを指すようにすればよいのです。
- OCN 光 1Gbps で固定 IP アドレスではありません。従って DDNS で運用することになります。とは言っても OCN 光では IP アドレス払い出しの生存時間が長くなっているようで、実際にはほとんど IP アドレスが変わることはないです。この辺り、ISP によって対応が違います。
Value Domain では DDNS (Dinamic DNS) をサポートしています。
- 一般の FTTH 契約では取得したグローバル IP アドレスが固定ではなく、何らかのタイミングで変わってしまいます。
- この変化するグローバル IP アドレスを DNS 設定に外部から反映させる仕組を DDNS といいます。
Value Dmain の DNS 設定
1. [ネームサーバーの設定] から DNS サーバーを選択します。
  - [VALUE-DOMAIN 独自のネームサーバー (国内)] を選択しました。理由はキャンペーン価格で安いからです。
  - 右のように ns1～4.value-domain.com が DNS サーバーとなります。
2. [DNS 情報／URL 転送の設定] から DNS 情報を記述します。
  - 1行目は kita3.net の IP アドレスが 125.175.104.62 であることを宣言します。
    - 125.175.104.62 は一時的なもので、DDNS で登録する IP アドレスが入ります。
    - @ はホスト名なし (ホスト名なしのホスト名) を意味します。
  - 2行目は www.kita3.net は kita3.net と同じだという宣言です。
  - 3行目はメールサーバーは kita3.net であることを宣言します。
  - ウェブにアクセスは http://kita3.net/ または http://www.kita3.net/ となり、メールアドレスは [email protected] のようになります。
  - このように記述するのは、IP アドレス設定が必要な行は1行目だけになるので、DDNS 操作が楽になるからです。
    - DDNS では A レコードで記述したホスト名 @ の IP アドレスを書き換えます。
DDNS 手順を使った IP アドレス更新は以下の URL アクセスでできます。
- [d=] に続いてドメイン名を記述しますが、ここでは [kita3.net] としています。
- [p=] に続いてパスワードを記述します。
- [h=] に続いてホスト名を記述しますが、ここでは [@] としています。
- [i=] に続いて設定する IP アドレスを記述しますが、ここでは空欄としています。
  - 空欄にするとこのコマンドを発行したホストのグローバル IP アドレスを自動的に設定してくれます。 IP アドレス抽出のスクリプトを書く必要がないので楽です。
- URL アクセスは、UNIX だと wget コマンドを使うのが一番楽です。
以上で、DNS が kita3.net サーバーを指すようになりました。簡単でしょ！
- 世界中に分散している DNS サーバー全部に反映されるのに24時間程度はかかります。
- 設定結果の良否がすぐに判らずイライラするのが DNS 設定です。落ち着いて吉報を待ちましょう。

XREA.COM のバーチャルサーバーを abuna.net に

方針
- abuna.net は自分でサーバーを構築するのではなく、 XREA.COM のバーチャルサーバーを使うことにします。
  - XREA.COM のバーチャルサーバーは VALUE-DOMAIN にドメイン登録していると、 1ドメインに1個のバーチャルサーバーが無料 で使えます。
  - バーチャルサーバー当たりウェブとメールとログなど全て合わせて 50MB の容量を確保できます。
- バーチャルサーバーで実現したいことは以下です。
  - http://abuna.net/ または http://www.abuna.net/ でウェブページを表示する。
  - [email protected] 宛てのメールをバーチャルメールサーバーで受け取る。
XREA.COM にエリア確保
- Value Domain から [サーバー]-[XREA 無料サーバーアカウントの取得] をクリックします。
- @ の前にアカウント名を入れます。どんなアカウント名でも良いのですが後々に混乱するので、オリジナルドメイン名をそのまま使うのがお奨めです。私は既に [email protected] を確保していました。
- XREA.COM のエリアにログインするのに必要な情報 [URL] [ID] [Password] は Value Domain に登録したメールアドレスにメールされます。
Value Domain の DNS 設定
1. kita3.net と同様に、[VALUE-DOMAIN 独自のネームサーバー (国内)] を選択します。
2. NSLookup で abuna のエリアがある XREA.COM サーバーの IP アドレスを確認します。この IP アドレス情報を設定で使います。 s38.xrea.com → 203.189.104.138 でした。
3. Value Domain の [DNS 情報／URL 転送の設定] から DNS 情報を記述します。
  - 1行目は abuna.net の IP アドレスが 203.189.104.138 であることを宣言します。
  - 2行目は www.abuna.net の IP アドレスが 203.189.104.138 であることを宣言します。
  - 3行目はメールサーバーは abuna.net であることを宣言します。
XREA.COM のドメインウェブ設定
- XREA.COM から [ドメインウェブ] をクリックして右のように設定します。
  - Main の設定は、 http://abuna.net/ でウェブアクセス可能にします。
  - Sub1 の設定は、 http://www.abuna.net/ でアクセスすると http://abuna.net/ に URL ジャンプします。
- 以上で、インターネットブラウザで http://abuna.net/ または http://www.abuna.net/ をアクセスすると XREA.COM エリアに設置したホームページが見えるようになります。
XREA.COM のドメインメール設定
- XREA.COM から [ドメインメール] をクリックして右のように設定します。
  - [email protected] で来たメールを受信して XREA.COM エリアに保存できるようになります。
- 同じようにしてメールアカウントを最大100個作成することができます。
クライアントパソコンのメーラー設定
- [email protected] 用設定は以下です。ログイン名に [@] を含むことができないのなら、代わりに [%] を使います。
```
　　・メールアドレス： [email protected]
　　・ログイン名： tekito%abuna.net
　　・パスワード： ドメインメールで設定したパスワード
　　・SMTPサーバ： abuna.net
　　・POP3サーバ： abuna.net
```
- 以上のように設定したら正常にメール送受信ができるかチェックします。
ウェブメール (SquirreMail) にてインターネットブラウザからメール送受信もできます。
1. インターネットブラウザから http://www.s38.xrea.com/mail/src/login.php をアクセスするとウェブメールのログイン画面が表示されます。
  - URL は設定したバーチャルサーバーで異なるので、 XREA.COM の [ウェブメール]-[ログイン] 画面で確認します。
2. 以下の [ログイン名] [パスワード] を入力して [ログイン] をクリックするとウェブメール画面が表示されます。
```
　　・ログイン名： [email protected]
　　・パスワード： ドメインメールで設定したパスワード
```

WHOIS 情報の公開について

取得した独自ドメインの管理情報は InterNIC の WHOIS に登録されます。
- これを見るとドメインを持っているのが誰で管理者が誰かを知ることができます。
- 普通に登録すると、[氏名] [住所] [電話番号] と言った個人情報が全世界に公開されてしまいます。
- これじゃ危ないのですが、InterNIC に登録する情報はウソを書く訳にはいかないです。
Value Domain には登録名義代理公開サービスがあって、登録者と管理者のメールアドレス以外の情報を Value Domain にしてしまうことができます。
- ドメインに関する紛争があった場合の窓口になってくれるサービスです。私は Value Domain の関係者の扱いになるのでしょうね。
- WHOIS は問題があった時のちゃんとした連絡先を要求しているだけなので、これでも問題はないと思います。
- 既に WHOIS で私のオリジナルドメインを検索しても、Value Domain 社の情報が表示されるだけです。

エピローグ

意外に簡単で費用も僅かでオリジナルドメインを持てることが判ったでしょう。
メリットの1つとして、オリジナルドメインでウェブ公開やメール送受信すると、ISP 乗り換えしてもウェブの URL やメールアドレスはそのままで大丈夫です。
オリジナルドメインでのメールは中国 (China) 駐在中に非常に役に立ちました。
- 中国では政府の意向で、全人代会議などが開催される時期などに、ある日突然ドメイン規制がかかることがあります。
- 例えば gmail.com などが全然使えなかったです。オリジナルドメインでのメールなら大丈夫でした。
オリジナルドメインに関して、皆さまの健闘をお祈りします。