SONY CFM-A50

SONY CFM-A50

SONY CFM-A50 をゲット！

2018年8月11日、ヤフオクでラジカセの SONY CFM-A50 の中古品が税込500円でした。メーカー希望小売価格は税抜12,000円です。

中古市場であまり人気がないようで、ヤフオクでは1,000円くらいが相場です。でも、 ラジオ性能と音質はお値段以上 なので、綺麗なら買い！です。

購入品は2001年製造品でした。

付属品は [イヤホン] [電源コード] でした。

発売日は1997年4月10日で、2010年まで生産されました。

元々は「大きな文字と使いやすさを最優先した高齢者向け気配りラジカセ」として販売されていた記憶があります。

出品者のコメントは以下です。

　① 中古品ですが美品です。
　② 付属品は、本体と電源コードになります。

美品に惹かれました。動作状態のコメントがないですが、たぶん大丈夫かな？実際にモノを見ないと何とも言えませんが・・・

到着直後の状態チェック

外観
- 外観は確かに綺麗です。ワレやスレやヘコミなどはありません。全体的なクリーニングはしたほうがよいです。
- ツマミやボタンにはゴム塗装が施されていますが、かなりべとつきがあります。
- 電池ホルダに液漏れ跡がなく、ホルダおよび接点は綺麗です。
ラジオ
- FM/AM とも正常に受信できます。感度も良いです。
- FM ダイヤルと指針に少しズレがあります。
  - 76MHz 付近で +1.0MHz、90MHz 付近で +1.3MHz 程度です。 [例] 76.0MHz の電波がダイヤルの 77.0MHz で受信する。
  - 本製品の規格精度内かもしれませんが、少しトラッキング調整したいような・・・
- AM ダイヤルと指針のズレは許容値内です。
カセット
- [再生] [早送り] [巻き戻し] は正常です。 [遅聴き再生] ボタン動作も正常です。
オーディオ系など
- [音量] ツマミの操作でガリ音発生はなく良好です。音も正常です。
- その他のツマミやボタン、スイッチなどの動作は正常です。

リペア

分解
- 下の写真左の赤丸で示したネジ7本と [同調] ツマミを外してから、前後カバーを少し揺すると前後に開きます。
　
- 赤色コネクタをトランス基板の所で外すと、前カバーと後カバーに分割できます。
　
- ラジオ基板には以下の IC が使用されています。
  
  メーカ IC 型式 概要
  
  MITSUMI MM1315AS Pre/Power Amp.
  
  SONY CXA1352AS 2-channel 5 Elements Graphic Equalizer
  
  CXA1611P FM/AM Radio
不具合対策とクリーニング
- FM ダイヤルと指針に少しズレ
  - OSC トラッキング調整のバリコンにあるトリマコンデンサで +0.2MHz 以内に再調整しました。
- ツマミやボタンにべとつき
  - 正しい補修方法は [ゴム塗装剥離] → [再ゴム塗装] となりますが、今回は [ゴム塗装剥離] だけにしました。
  - [選局] [音量] [聴きやすさ調整] ツマミなど、文字がプリントされていないパーツは無水アルコールでゴム塗装を剥離しました。
  - カセットの [再生] [早送り] [巻戻し] ボタンなど、文字がプリントされているパーツは OA クリーナでゴム塗装を剥離しました。
  - 心配していた文字プリントが消えることなく、べとつきが解消し綺麗になりました。ツマミやボタンが光沢状になりましたが、これはこれでありと思います。
- クリーニング
  - ケース内部には17年分の綿埃が大量に蓄積していたので、これを丹念に除去しました。
  - 全体に OA クリーナでクリーニングしました。

使ってみました

デザイン
- ローズウッド調の胴体が落ち着いた高級感を醸し出しています。素晴らしいです。
- 上部にキャリングハンドルが付いたままですが邪魔にはならず、持ち運びやすいです。
- 厚みと重みがあってしっかり設置できます。このため、操作がしっかりと安定します。
- 左側面上にイヤホン収納ポケットがあります。
- 上面が操作パネルです。手前方向に下る傾斜があり、操作しやすいです。
- [照明] ボタンを押すと、写真のように赤色 LED でラジオダイヤル面を7秒間光らせます。
- 背面右下に [AC IN] 端子があります。 AC100V で駆動可能です。
- 背面に単1乾電池×4本を実装できる電池ホルダがあります。乾電池でも駆動可能です。
ラジオ機能
- アンテナは、FM は伸びないアンテナ、AM は内蔵バーアンテナです。
- 伸びない不思議なアンテナ
  - 長さが 230mm のままで伸縮せず、フニャフニャと弾力性がある不思議なアンテナです。
  - 内部がコイル状になっているヘリカルアンテナと思います。
  - 普通に使って折れることはないでしょう。
- 受信周波数範囲
  - TV は 4～12ch です。昔のアナログ TV 放送ですから、今や何の役にも立ちません。
  - FM は 76～108MHz (TV1～3ch 含む) です。 90～95MHz で FM 補完放送 が受信できます。 TV1ch は 95.75MHz です。
  - AM は 530～1,629kHz です。
- チューニング
  - [バンド] スイッチを操作すると、対応するダイヤルパネルが切り換わります。判りやすくて良いです。
  - 大型の [同調] ツマミのおかげで、チューニング操作は良好です。
  - ダイヤル指針に同調インディケータが仕込まれており、放送局に合うと赤く光ります。
カセット機能
- テープ再生中に [遅聴き再生] ボタンを入れると、再生速度を通常より 15% 遅くします。
- 上記以外はごく普通のカセット機構です。操作で悩むことはないでしょう。
- 録音はラジオ放送と内蔵マイクに対応します。
  - AUX 入力端子が無いので、外部ラインからの録音はできません。
  - タイマー機能が無いので、留守録音はできません。
[聴きやすさ] スイッチと [聴きやすさ調整] ツマミ
- 音楽や人の声などの特定の音を強調させて聴く時に使います。
  - [聴きやすさ] スイッチを [入] にして、[聴きやすさ調整] ツマミで好みの音質に合わせます。
  - 特定の周波数範囲の音を強調する機能です。特定の周波数範囲は [聴きやすさ調整] ツマミで調整
- 結局、健常者には [聴きやすさ] スイッチ [切] が一番バランスの良い音です。
評価
- 操作は簡単で、取扱説明書は不要です。直感で操作できます。
- FM/AM 共、十分な感度があります。越谷で FM 14局、AM 7局が受信できました。
- カセットはごく普通に録音/再生ができて実用レベルの性能です。
- 余裕ある出力 2.3W と筐体の大きさで、 かなり良い音 です。満足できます。

仕様など

ドキュメント
- CFM-A50 取扱説明書
- CFM-A50 Service Manual ・・・海外版のため、ラジオの受信周波数に違いがあるが、参考にはなる

仕様

項目	内容
ラジオ
受信周波数	TV：4～12ch FM：76～108MHz (TV1～3ch) AM：530～1,629kHz
アンテナ	FM：ロッドアンテナ AM：フェライトバーアンテナ内蔵
カセット
トラック方式	2トラック1チャンネルモノラル
早巻き時間	2分 (C-60)
周波数範囲	TYPE I (ノーマル) カセット 100～8,000Hz (JEITA)
共通
スピーカ	コーン型フルレンジ 9.2cm 4Ω 2.3W 1個
実用最大出力	2.3W (JEITA)
出力端子	イヤホン (ミニジャック) 1個
電池持続時間 (アルカリ電池)	テープ再生時 20時間 FM 録音時 35時間
電源	AC100V 50/60Hz DC6V 単1乾電池×4本
消費電力	9W (AC100V 使用時)
最大外形寸法	289(W)×200(H)×123(D) mm
質量	2kg (乾電池とテープ含まず)
付属品	イヤホン電源コード取扱説明書・保証書ソニーご相談窓口のご案内
その他
定価 (税別)	12,000円
発売日	1997年4月10日

メーカ	IC 型式	概要
MITSUMI	MM1315AS	Pre/Power Amp.
SONY	CXA1352AS	2-channel 5 Elements Graphic Equalizer
SONY	CXA1611P	FM/AM Radio