OLYMPUS Centurion

デジカメが急速に進化してきていますが、紙にプリントした時のコストは大変なものです。 写真としてのコストはフィルム式が一番で画質も一番です。 140万画素を超える高価なデジカメ(プリント主体なら600万画素は欲しい。)を買うより今のところフィルム式カメラのお手軽な物を購入し、必要な画像をフィルムスキャンしては...という考えがうかびます。 そこでお手軽にフィルムから画像を取り込むことを考えるとAPSが一番パソコンに近いカメラと考えます。

そこで今回はAPS一眼レフカメラにしようと考えました。 インターネットで検索すると25〜100mmの4倍ズーム一眼レフの「オリンパス・センチュリオン」がかなり格安で販売されていました。

センチュリオン
http://www.olympus.co.jp/LineUp/Camera/centurion.html

APSカメラについての説明
http://cgi.biwa.ne.jp/%7Eomoto/aps.html

アサヒドーカメラ
http://www.asahidocamera.com/
テレコンなし:23,560円(定価78,500円)

ヨドバシカメラ
http://www.yodobashi.co.jp/
テレコンなし:39,800円(定価78,500円)
テレコン付き:29,800円(定価88,500円)
不思議な値段の付けかたです。

一応近くのカメラ屋で実物を触れてきて、これなら超軽くて操作性も良いと判断しました。 テレコンはレンズの前に付ける方式なので、テレコンを使うならフィルターを常用できないのです。 よってお手軽ということから総合的に判断するとテレコンなしが良いと思いました。 よってアサヒドーカメラに発注かけました。 アサヒドーカメラで購入すると5年間保険もついていてこの値段は安いと思います。

これがセンチュリオンです。 フルオート状態がデフォルトで、このモードではシャッターを押すだけみたいです。 一眼レフカメラは大きくて操作が難しいというのは、過去の話です。

フラッシュアップさせるとこうなります。

このようなソフトケースが標準で付属しています。

25〜100mmのズームは35mmカメラに換算すると31〜125mmに相当します。 準広角から準望遠と無難な範囲をカバーしています。 レンズはF4.5 〜5.6 10群11枚非球面レンズとなかなかの物です。 コンパクトタイプにもズーム機能が付いたカメラがいろいろありますが、レンズがイマイチなのです。 あんな小さなレンズでは周辺部に歪と色収差がモロに出てしまうのです。 それに比べて一眼レフタイプであるセンチュリオンは安心な設計です。 定価が78,500円の価値ありです。 ズームも4倍だと、これでほとんどの撮影場面をカバーできます。 重い交換レンズを持ち運ばなくてすみます。 25〜100mmの全域で60cmまで被写体に近づけます。 だいたいハガキ大の大きさを写すことができます。 マクロ機能があるようなものです。 花の撮影から風景まで1台でこなすことが可能です。

フィルムは「IX240 カートリッジフィルム」で本当に小さいです。 標準タイプはISO200で、あとISO100とISO400があります。 撮影枚数は25枚のものと40枚のものがあります。 画面サイズが小さいのでISO200が粒子から考えて無難と思います。 画面サイズは16.7×30.2mmです。大昔(30年くらい前)ハーフサイズカメラというのがあってオリンパスFの一眼レフカメラにあこがれましたが、当時のフィルム性能では画質がイマイチでした。 それに比べてAPSはハーフサイズよりは画面サイズが大きく、フィルム性能も大幅に向上しているので当時の35mmカラーよりも画質は良いはずです。 私が一番注目しているのは、APSフィルムはフィルムベースが35mmのものよりはるかに薄いので、カメラに密着させることができる点です。 いくら良いレンズ性能であっても、この密着性が悪いと画質がガクッと落ちます。 この点はAPSのほうが有利です。 ISO200・40枚撮りAPSフィルムを買いましたが1本400円程度なので35mmフィルムと大差ないようです。

APSでは写真撮影時に、標準(C),ハイビジョン(H),パノラマ(P)を選択できるのですが、これの意味するものがやっと理解できました。 この選択はプリント時の写真イメージの指定だけなんです。 撮影自体はフルサイズのHサイズで記録されるのです。 C/H/Pの指定はトリミングの指定をあらかじめ撮影時にやっているだけなんです。

フルオートにするとズーミングとシャッターを押すだけです。 他に何もすることがありません。 神経をフレーミングに集中することができます。 フォーカスもオートで、結構素早くフォーカシングできます。 シャッターボタンを軽く押さえるとフォーカスロックされます。 ちなみにフォーカスできないような近距離でシャッターを押そうとすると、シャーターが切れないようになっています。 フォーカスがあった時はピッという音がして知らせてくれます。 濃淡のない同じ色の平面にはフォーカスが合わないことがありました。 TTL位相差方式フォーカシングなので、このような被写体には弱いようです。

シャッターを切る時のミラーターンのショックはほとんどないほど軽いです。 これなら片手で操作も問題ないです。 何せシャッターを押すだけのバカチョン一眼レフカメラですから、操作は片手で充分なのです。 一眼レフカメラはファインダーを覗く楽しみがあります。

センチュリオンの本体はとっても軽いです。 500g弱なのです。 コンパクトAPSカメラと比べるとかなり重いのですが、35mm一眼レフカメラと比べると半分くらいの重さです。

センチュリオンにはイメージセレクトボタンがあり、5つのモードが選択できます。
  1. フルオート
    バカチョンモードです。 通常は何も考えずにこのモードにすればOKです。
  2. ポートレート
    レンズの絞りを開放とし、シャッタースピードをこれに追随させます。
  3. 風景
    レンズの絞りを最大に絞って、シャッタースピードをこれに追随させます。
  4. ストップアクション
    シャッタースピードを1/2000秒に固定します。 絞りをこれに追随させます。
  5. 夜景
    最長4秒のスローシャッターとします。 絞りをこれに追随させます。
逆光補正ボタンもあります。 このボタンを押すと+1.5EV露出を補正します。 補正値は+1.5EVしかありません。 ずいぶん割り切ったカメラです。

フラッシュはインテリジェントフラッシュで、被写体までの距離により自動的に光量が調節されます。 赤目軽減発光もできます。 1/2000秒の高速シャッターにもシンクロできます。 最近のカメラに実装されているフラッシュは実にたいしたものです。

当然の機能ですが、12秒のセルフタイマーと赤外線リモコン(別売)が使えます。 リモコンを使う場面は滅多にないと思うので買うつもりはありません。

APSフィルムをとりあえず何にも注文を付けずに同時プリントで頼みました。

フィルム現像代:650円
これにはインデックス・プリントの費用も入っています。 APSフィルムでは35mmと違って現像に出したAPSカートリッジのままの状態でフィルム現像して返却されます。 よって、35mmのように見えるかたちでのネガフィルムはありませんので、インデックス・プリントが添付されるのです。 インデックス・プリントには縮小された全写真とコマNo./モードが「26H」とかナンバリングされています。 「26H」とは26コマ目で撮影時にはハイビジョン・サイズに指定したことを表現しています。

Cサイズ・プリント代:25円/枚
Hサイズ・プリント代:35円/枚
Pサイズ・プリント代:70円/枚

知らなかったのですが、このようにサイズ指定でプリント代が違うようです。

Cサイズ:126x88mm,Hサイズ:150x88mm,Pサイズ:254x88mm,インデックス:172x88mmでした。 この値段は35mmと比べて同等だと思います。(得体の知れない格安DPE屋とかコンビニとかの値段の比較ではなく、マトモなカメラ屋さんに頼んだ時の値段です。ちなみに今回は日立のイトーヨーカドーB1の「カメラの田中」で現像依頼しました。)

さて、写りなのですが、これにはカメラの性能・フィルムの性能・DPE技術・撮影の腕が影響するので、私の私見がかなり入ってしまうことを承知でレポートを一読下さい。

日中の撮影・フラッシュを使っての撮影では非常にクッキリと写ります。 これは35mmと全然変わりません。 プリントがこれくらいのサイズであると全く35mmと区別がつかないと言っても過言ではありません。 35mmフィルムでもエコノミー・サイズでプリントすると周辺がカッティングされてしまいます。 これに対してセンチュリオンでは撮影時にファインダーで覗いたのと同じイメージサイズでプリントされます。 APSでは周辺はカットされないので、結局、有効フィルム面積は大して変わらないのかもしれません。

カメラのピントの具合をよく見ると、ポートレートなどの近景はピントがシャープです。 遠景になるとTTL位相差方式の欠点というかピントが甘いです。 ピントは近くの物体に合ってしまう傾向があるようです。 前ピンです。 遠景の先には空とか海があることが多いのでノベタンの被写体になり、TTL位相差方式ではピントが合いにくいのです。 この場合は、センチュリオンは幸い「景色モード」と言うのがあるので、これで撮影したほうが良さそうです。 これはセンチュリオンのクセとして覚えておきます。

意外といいのが逆光時の写り具合です。 フルオート・モードにも関わらず、プロカメラマンの写真のようにシルエット風に写ります。 逆光の被写体の中に太陽があるとゴーストが出てしまいます。 これは仕方ないです。

2枚、手ブレ写真がありました。 カメラが小型で軽いのでホールディングをもっとしっかりしなきゃ...と反省しています。

Hサイズは今までに経験したことのないサイズなので非常に新鮮に感じます。 横位置で撮影すると広がりが、縦位置で撮影すると奥行きがすごく強調されます。

プリントの裏には撮影日が自動的に印刷されていました。 また、焼増注文用紙を見ると焼増時にC/H/Pのプリントサイズを変更することも可能になっていました。 常にフルサイズでフィルムには写し込まれているので、このようなことが可能のようです。

写りは35mm同等ということがわかりました。 しかし、いつもプリントして思うのですが、自分でもいいなぁ〜と思うフレーミングは40枚撮影しても数枚です。 アマチュア・カメラマンは数で勝負するしかありませんね。

「センチュリオン」の唯一の欠点といえば、フルオートのためにほとんど操作することがなく、いじくる楽しみが少ないことかもしれません。