YAMAHA TX-500

YAMAHA TX-500 をゲット!

2012年1月8日、私のチューナページのファンの T さんから YAMAHA TX-500 の寄贈を受けました。

寄贈者のコメントは以下です。



状況チェック

  1. 外観

  2. FM 受信

  3. AM 受信



カバーを開けてみました

  1. 基板の作りは良いです。 電源トランスはかなり小さいです。 写真をクリックすると拡大写真を表示できます。

  2. FM フロントエンドは4連バリキャップ方式です。 ALPS 製で汎用パック化されているので詳細不明です。 OSC コイルはロウで固定化されているので、調整困難です。

  3. FM IF 部は以下の構成です。

  4. FM 検波は SANYO LA1266 のクォードラチュア検波部です。

  5. FM MPX 部は SANYO LA3401 を使った PLL MPX です。 セパレーション調整ボリュームは1個で左右共通です。

  6. AM 受信部は SANYO LA1266 で全てを行っています。 2連バリキャップのフロントエンド構成でごく普通です。

  7. PLL 制御は SANYO LM7000N で行っています。

  8. MCU は YAMAHA XB762AD です。

  9. メモリバックアップは基板の最前面の右にあるゴールドキャパシタ 4.7F 5.5V です。

  10. 使っている部品のロット番号より、本機は1987年製造品と判りました。



調整

写真の FM/AM 標準信号発生器 Panasonic VP-8175A (以下 SSG)、 FM Stereo 信号発生器 MEGURO MSG-2170、 周波数カウンタ ADVANTEST TR5822 を使って調整します。 10年も経つとコイルやトリマはズレます。

  

  1. FM 受信部の調整

    手順 SSG周波数 SSG出力 TX-500 の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - - BAND : FM
    IF MODE : WIDE
    MODE : AUTO ST
    HIGH BLEND : OFF
    TUNING MODE : MAN'L
    - -  
    2 - - 90MHz 受信 フロントエンド
    OSC コイル
    フロントエンド 5pin 電圧 = 7.6V VT high
    3 - - 76MHz 受信 - フロントエンド 5pin 電圧 = 1.8V VT low
    確認のみ
    4 83MHz 変調 : OFF
    出力 : 30dB
    83MHz 受信 フロントエンド
    RF コイル×3
    IFT
    S メータ = 最大 RF, IF 調整
    5 83MHz 変調 : 1kHz 100%
    出力 : 90dB
    83MHz 受信 T101
    リア側コア
    オーディオ出力 = 高調波歪最小  
    6 83MHz 変調 : 1kHz 100%
    出力 : 90dB
    83MHz 受信 T101
    フロント側コア
    LA1266 フロント側にある15kΩ両端電圧 = 0V  
    7 - - - - 手順5と6を数回繰り返す QR 検波調整
    8 83MHz 変調 : R/L only, 1kHz 100%
    出力 : 90dB
    83MHz 受信 VR101 L/R ch. オーディオ出力電圧 = 最小 セパレーション調整

  2. AM 受信部の調整

     
    手順 SSG周波数 SSG出力 TX-500 の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - - BAND : AM
    TUNING MODE : MAN'L
    - -  
    2 - - 1611kHz 受信 OSC コア フロントエンド 5pin 電圧 = 7.8V VT high
    3 - - 531kHz 受信 - フロントエンド 5pin 電圧 = 1.8V VT low
    確認のみ
    4 999kHz 変調 : OFF
    出力 : 40dB
    999kHz 受信 ANT コア
    T102
    S メータ = 最大 RF, IF 調整
    ループアンテナを接続した
    状態で行うこと

  3. 再調整結果

    項目 IF MODE L R 単位
    ステレオセパレーション WIDE 57 58 dB
    ステレオセパレーション NARROW 28 28 dB
    パイロット信号キャリアリーク - -46 -45 dB
    オーディオ出力レベル偏差 (MONO) - 0 -0.01 dB



使ってみました

  1. デザイン

  2. 操作性

  3. 受信性能

  4. 総合評価



仕様その他

  1. 取扱説明書

  2. 仕様は以下です。

    FM 部  
    受信周波数 76.0〜90.0MHz
    実用感度 (mono, 30dB S/N, 75Ω) 0.8uV (9.3dBf)
    S/N 50dB 感度 (75Ω) mono:1.55uV (15.1dBf)
    stereo:21uV (37.7dBf)
    イメージ妨害比 (84MHz) 60dB
    IF 妨害比 (84MHz) 100dB
    スプリアス妨害比 (84MHz) 80dB
    AM 抑圧比 55dB
    実効選択度 85dB
    キャプチャーレシオ 1.5dB
    S/N 比 mono:82dB
    stereo:76dB
    全高調波歪率 (1kHz) mono:0.05%
    stereo:0.07%
    ステレオセパレーション (1kHz) 52dB
    周波数特性 30〜13,000Hz ±0.5dB
    AM 部  
    受信周波数 531〜1611kHz
    実用感度 250uV/m
    選択度 32dB
    S/N 比 50dB
    イメージ妨害比 40dB
    スプリアス妨害比 50dB
    全高調波歪率 0.3%
    オーディオ部  
    出力レベル/インピーダンス FM (100% 変調, 1kHz):900mV/3.3kΩ
    AM (30% 変調, 1kHz):150mV/3.3kΩ
    総合  
    電源電圧 AC100V, 50/60Hz
    消費電力 10W
    外形寸法 435(W)×92.5(H)×282.5(D)mm
    重量 3.1kg
    その他  
    発売時期 1987年
    定価 34,800円