SANSUI TU-α707R

SANSUI TU-α707R をゲット!

2010年4月5日、I さんから SANSUI TU-α707i SANSUI TU-α707R を寄贈いただきました。

パッと見た目は綺麗ですが、「フロントパネルの擦り傷」と「天板左サイドのフロントパネル側の1箇所のヘコミ」が気になります。



カバーを開けてみました

  1. 開けてみてビックリ! なんと!初代 SANSUI TU-α707 と全く同じです。

  2. TU-α707 シリーズの変遷は以下です。 確認できた内部パーツの型式も一緒に表示しています。

    No. 型式 発売年 定価 メイン基板 ドータ基板 アンテナ基板 電源基板 電源トランス サイド飾り 備考
    1 TU-α707 1986年 59,800円 F-5728 F-5744 F-5810 F-5731 T188000 初代
    2 TU-α707i 1987年 59,800円 F-5728 F-5744 F-5810 F-5731 T188000  
    3 TU-α707EXTRA 1989年 54,700円 F-5728 F-5744 F-5810 F-5731 T188000 ×  
    4 TU-α707R 1991年 53,800円 F-5728 F-5744 F-5810 F-5731 T238000 × TU-α707 シリーズの最終機種



修理

  1. この TU-707R は正常動作していたので修理するつもりはありませんでしたが、再調整をかけてみると、セパレーション調整がビシッと決まらないのです。

  2. 何が原因か調べてみると、LA3450 につながる X01 セラロックに 457kHz が使われています。 写真は付いていた 457kHz セラロックです。

  3. ここのセラロックは パイロット信号 19kHz × 24 = 456kHz でなければいけないです。 457kHz では誤差 +0.2% で高域の位相に影響があります。

  4. そこで手持ちの 456kHz セラロックと交換しました。 交換後の試聴で高域の解像度感が上がるのが確認できました。 電波の弱い放送局では今まで聴こえなかったホワイトノイズが目立つようになりました。 おそらく 5kHz 以上のセパレーションが大きく上がったのだと思います。

  5. この TU-707R の基板はいじられた形跡がなく、元々 457kHz セラロックで組み立てられています。 なぜ?457kHz セラロックを使ったのか不思議です。 この頃、サンスイでは 456kHz セラロックがどうしても入手できず、やむを得ず 457kHz セラロックで代替したと推測します。



調整

  1. TU-α707 と全く同じなので、調整方法は SANSUI TU-α707 を参照ください。

  2. 電圧チェック

    ポイント 標準値 実測値 (参考) 備考
    電源基板 [JP2] +29V +29V +29.20V PLL VC 用
    電源基板 [JP2] +12V +12V +12.64V チューナー用
    電源基板 [JP2] +18V +18V +21.78V FL 用
    電源基板 [JP2] +5.6V +5.6V +5.62V MCU 用
    電源基板 [JP2] -27V -27V -21.88V  

  3. 再調整結果

    項目 IF BAND L R 単位
    ステレオセパレーション WIDE 56 55 dB
    ステレオセパレーション NARROW 55 56 dB
    パイロット信号キャリアリーク WIDE -100 -100 dB
    REC CAL (MONO) WIDE -6.99
    445.3
    -6.98
    445.3
    dB
    Hz
    オーディオ出力偏差 (MONO) WIDE 0 -0.07 dB



仕様