DENON TU-280

DENON TU-280 をゲット!

2015年5月28日、 DENON TU-280 を豊橋市の K さんより、研究用に寄贈いただきました。 ワンオーナー品 で、1993年に秋葉原で購入したとのことです。

ローコスト機ですが AM stereo 対応です。



早速、程度&動作チェック

  1. 外観

  2. 入手した状態のまま電源 ON してチェックしました



カバーを開けてみました

  1. 基板の作りは良いです。 写真をクリックすると基板の拡大写真を表示できます。

  2. 以下の IC を使用して合理化が図られています。

    メーカ IC 機能
    DENON 2621755004 MCU
    JRC 78M12A 3-Terminal 0.5A Positive Voltage Regulator
    SANYO LM7000 Direct PLL Frequency Synthesizer for Electric Tuning
    SANYO LA1851N DTS Single-chip Tuner
    TOSHIBA TA8124P C-QUAM AM ステレオ復調

  3. FM フロントエンド

  4. FM IF 部

  5. FM 検波部

  6. MPX 部

  7. AM 受信部

  8. プリセットメモリのバックアップ



リペア



調整

写真の FM/AM 標準信号発生器 Panasonic VP-8175A (以下 SSG)、 FM Stereo 信号発生器 MEGURO MSG-2170、 周波数カウンタ ADVANTEST TR5822 を使って調整します。 10年も経つとコイルやトリマはズレます。

  

  1. 調整ポイント

    BAND 種別 調整ポイント 調整内容
    FM L フロントエンド内
    RF コイル×2
    RF
    フロントエンド内
    OSC コイル
    OSC
    IFT フロントエンド内
    IFT
    IF
    T006 クォードラチュア検波 (同調点)
    T007 クォードラチュア検波 (歪率)
    VR VR101 Stereo Separation (LA1851N-12pin と接続)
    AM L T004 RF
    TC TC002 RF
    L T002 OSC
    IFT T005 IF
    VR VR102 AM 同調点検出レベル調整 (LA1851N-16pin と接続)

  2. テストポイント (TP)

    BAND TP 名 接続先 内容 備考
    FM TP1
    TP2
    LA1851N-4pin
    LA1851N-28pin
    クォードラチュア検波 NULL 電圧 FM 受信で同調すると 0V になる
    FM/AM TP3
    G3
    R22 リア側
    GND
    VT 電圧 バリキャップ印加電圧
    AM TP4
    G4
    LA1851N-5pin
    GND
    AM 復調出力  
    FM/AM ワイヤジャンパ B LA1851N-25pin S-meter 電圧 受信シグナルレベル電圧

  3. 電圧チェック

    ポイント 標準値 実測値 備考
    IC005 (78M12A) OUT +12V +11.91V チューナ/オーディオ用
    JV039 ジャンパ +5V +5.10V ロジック用

  4. FM 受信部の調整

    手順 SSG出力 TU-280 の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - BAND:FM
    AUTO/MANU:MANU
    - -  
    2 83.0MHz
    90dB
    変調 : OFF
    83.0MHz 受信 T006 TP1〜TP2 間電圧 = 0V 同調点仮調整
    3 - 90.0MHz 受信 フロントエンド内
    OSC コイル
    TP3〜G3 間電圧 = 7.42V (実測値)
    4 76.0MHz 受信 - TP3〜G3 間電圧 = 1.852V 確認のみ (実測値)
    5 83.0MHz
    30dB
    変調 : OFF
    83.0MHz 受信 フロントエンド内
    RF コイル×2
    ワイヤジャンパ B 電圧 = 最大 RF 調整
    6 フロントエンド内
    IFT
    IF 調整
    7 83MHz
    90dB
    変調 : mono 1kHz
    T007 オーディオ出力 = 歪率最小  
    8 T006 TP1〜TP2 間電圧 = 0V (同調点調整)
    9 - - - 手順7と8を数回繰り返す クォードラチュア検波調整
    10 - BAND:FM
    AUTO/MANU:AUTO
    - -  
    11 83MHz
    90dB
    変調 : R/L only 1kHz
    83MHz 受信 VR101 L/R オーディオ出力電圧 = 最小 セパレーション調整

  5. AM 受信部の調整

    手順 SSG出力 TU-280 の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - BAND : AM
    AUTO/MANUAL : MANU
    - -  
    2 - 1629kHz 受信 T002 TP3〜G3 間電圧 = 7.38V (実測値)
    3 - 522kHz 受信 - TP3〜G3 間電圧 = 0.831V 確認のみ (実測値)
    4 630kHz
    40dB
    変調 : OFF
    630kHz 受信 T004 ワイヤジャンパ B 電圧 = 最大  
    5 1440kHz
    40dB
    変調 : OFF
    1440kHz 受信 TC002  
    6 - - - 手順4と5を数回繰り返す RF 調整
    7 1080kHz
    40dB
    変調 : OFF
    1080MHz 受信 T005 ワイヤジャンパ B 電圧 = 最大 IF 調整

  6. 調整結果

    項目 L R 単位
    ステレオセパレーション 45 45 dB
    パイロット信号キャリアリーク -48 -47 dB
    オーディオ出力レベル偏差 (MONO) 0 +0.1 dB



使ってみました

  1. フロントパネル

  2. リアパネルの端子は [FM COAX] [LOOP ANT] [OUTPUT] です。

  3. 機能関連

  4. 評価



仕様&その他

  1. 右の写真は付属リモコンです。 型式は RC-126 です。

  2. 取扱説明書

  3. 仕様は以下です。

    FM 受信部
    受信周波数範囲 76.0〜90.0MHz
    アンテナ端子 75Ω (F 端子)
    実用感度 1.2uV / 75Ω (12.8dBf)
    周波数特性 20Hz〜15kHz +0.5dB -2.0dB
    S/N 比 stereo: 74dB
    mono: 79dB
    高調波歪率 stereo: 0.2%
    mono: 0.1%
    ステレオセパレーション 43dB (1kHz)
    出力 (100% 変調時) 0.6V
    AM 受信部
    受信周波数範囲 522〜1629kHz
    AM stereo 対応
    アンテナ ループアンテナ (付属)
    実用感度 18uV
    出力 (30% 変調時) 0.15V
    総合
    電源電圧 AC100V, 50/60Hz
    消費電力 6W
    外形寸法 434(W)×75(H)×238(D)mm
    重量 2.6kg
    リモコン (RC-126)
    リモコン方式 赤外線パルス方式
    電源 DC3V (単4乾電池×2本)
    外形寸法 58(W)×125(H)×19.5(D)mm
    重量 70g (乾電池含む)
    その他
    発売時期 1992年
    定価 32,000円