Aurex ST-S07 をゲット!
2009年12月28日、
Aurex ST-S07
の中古品を
YAMAHA t-2x (2号機)
の修理のお駄賃にいただきました。
なぜか?メーカーが違う
TRiO KT-770
とデザイン以外は全く同じです。
早速、動作チェック
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外観
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非常に綺麗な逸品です。
金属部に新品同様な輝きがあります。
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フロントパネル左下エッジに僅かな当て傷がありますが目立たないです。
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リアパネルは綺麗で、端子はピカピカ輝いています。
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天板は綺麗で輝きがあります。
ただし、この ST-S07 の上に設置されていた機器の足形はあります。
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底板は綺麗で輝きがあります。
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入手した状態のまま電源 ON してチェックしました
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電源は問題なく入りました。
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蛍光表示器で 81.3MHz の 8 の表示で薄い部分があります。
7 の表示以外のセグメントです。
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ボタン操作は全て正常です。
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FM/AM とも周波数ズレもなく正常に受信できます。
FM では [STEREO] ランプもちゃんと点灯します。
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FM で感度低下を感じます。
Aurex ST-S07 vs TRIO KT-770
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ST-S07 は
TRiO KT-770
の OEM 供給品です。
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右の写真は上から「シルバー KT-770」「ブラック KT-770」「ST-S07」です。
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KT-770 のシルバー/ブラックとも、内側はブラックで周囲の色だけが違うことが判ります。
デザイン的にはブラックが正解で、シルバーは失敗の気がします。
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内側シルバー/周囲シルバーの組み合わせは ST-S07 だけです。
本当のシルバーは ST-S07 なのです。
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この3個体のうち、デザインが一番スッキリしているのは ST-S07 と思います。
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ST-S07 は TRiO からの OEM 品と言っても、Aurex らしいデザイン変更を施しています。
TRiO デザインは野暮ったく、Aurex デザインは気品を感じます。
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蛍光表示窓の周囲がグレーマスキングされていて気品が出ています。
その上の S メータ表示などのバーも同じグレイマスキングです。
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操作ボタン周囲の土台がハーフブラックになっていて、これがボタンを細線で輪郭取りしてクッキリ感を出しています。
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以上のようにデザインが秀逸と思って調べたら
1983年のグッドデザイン賞
を受賞していました。
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ST-S07 の内部は
TRiO KT-770
と全く同じです。
写真をクリックすると拡大写真を表示できます。
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内部構成の解説は
TRiO KT-770
のページを参照ください。
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使っている部品のロット番号より、本機は1983年製造品と判りました。
電源ケーブルの製造マーキングも1983年でした。
リペア
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修理
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蛍光表示で薄い部分がある
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要因の1つに蛍光表示管のリード線の半田クラックがあります。
リード線はステンレスですから半田に馴染みにくいのです。
今回はこれではありませんでした。
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蛍光表示管そのものの劣化が原因でした。
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私のジャンクポッケを探してみると、表示ボードそのものが出てきました。
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表示ボードを一式交換して、当たり前ですが直りました ・・・ パチパチパチ
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FM の感度低下
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経年変化による調整ズレが原因でした。
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再調整で完全に復活しました。
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クリーニング
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全体をマルチクリーナ D413 でクリーニングしました。
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元々綺麗な逸品が更に綺麗になりました。
再調整して使ってみました
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再調整結果
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調整方法は
TRiO KT-770
のページを参照ください。
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FM ステレオセパレーションは 以下となりました。
素晴らしい数値です。
項目 |
L |
R |
単位 |
ステレオセパレーション (1kHz) |
82 |
77 |
dB |
高調波歪率 (stereo 1kHz) |
0.018 |
0.017 |
% |
パイロット信号キャリアリーク |
-76 |
-77 |
dB |
オーディオ出力レベル偏差 (mono) |
0 |
-0.05 |
dB |
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感度や音質
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FM 受信機としての性能、すなわち感度、妨害電波排除能力は非常に高いです。
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FM の音質は、セパレーションが良く、歪感が少なく、輪郭がハッキリで、スッキリした音の出かたです。
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AM の感度は良く音質も良いです。
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TRiO KT-1010
のベースモデルですが、ST-S07 (KT-770) のほうが良いと感じます。
やはり
ST-S07 (KT-770) は名器
です。