SONY ST-J60

SONY ST-J60 をゲット!

2008年5月2日、私のチューナーページのファンから SONY ST-J60 を寄贈いただきました。

さっそく、状態&動作チェックしてみました。



構成図



カバーを開けてみました

  1. 作りは良いです。 基板の部品は綺麗に整然と並んでいます。 写真をクリックすると拡大写真を表示できます。 リアパネル上にあるビビリ防止用のスポンジクッションが風化してボロボロになっています・・・これは交換します。

  2. FM フロントエンド部は ALPS 製で4連バリキャップ方式です。 同調回路はトラッキング調整できる構成です。 コイルやトリマにも高級そうなものが使われています。 [同調]→[MOS FET]→[ダブル同調]→[Dual FET Balanced Mixer]←[OSC 同調] の構成です。 コイルはコア型を使っており調整が楽です・・・ここは同社の ST-J75 よりイイです。 全体がシールドケースに入っています。

  3. FM IF 部は CF フィルターを4個使用しています。 [CF]→[CF]→[IF amp.]→[CF]→[CF]→[LA1231] の構成です。 IF amp. はトランジスタを使ったディスクリート回路です。

  4. FM 検波部は SANYO LA1231 によるクォードラチュア検波です。 検波用 IFT は大型なので良い性能が期待できます。

  5. FM MPX 部は東光 KB4437 を使った PLL MPX です。 パイロット信号キャンセラーが組み込まれています。 Pioneer PA1001A は KB4437 のコンパチです。

  6. AM 部は SANYO LA1240 を使っています。 2連バリキャップ方式でトラッキング調整できる構成です。 フロントエンド、IF 部共、一般のチューナーより遥かにしっかりした構成です。

  7. MUTING にはリードリレーが使われおり、本格派です。

  8. 構成は SONY ST-P7J とほぼ同じです。 FM フロントエンドモジュールや使用 IC は全く同じです。 スペックも同じです。 発売年も同じ1978年です。 更に調整ボリュームなどの部品名シルク印刷まで同じです。 形状は違いますが、ST-J60 と ST-P7J は同じものですね!
    ST-P7J では MULTIPATH メータ機能が省略されているとか若干の違いはあります。 フル機能版が ST-J60 で、コンパクトサイズにするために若干機能を絞ったのが ST-P7J でしょう。

  9. フロントパネルの各ボタンの機構部は SONY ST-J75 より良いパーツを使っています。

  10. 使用 IC のロット番号より、この ST-J60 は1978年製と判明しました。 電源ケーブルの製造マーキングも1978年でした。



修理



調整

写真の FM/AM 標準信号発生器 Panasonic VP-8175A (以下 SSG)、 FM Stereo 信号発生器 MEGURO MSG-2170、 周波数カウンタ ADVANTEST TR5822 を使って調整します。 10年も経つとコイルやトリマはズレます。

  

  1. 半固定抵抗器について

  2. FM FRONT END の調整

  3. FM クォードラチュア検波の調整

  4. FM MPX の調整

  5. FM その他の調整

  6. AM FRONT END の調整

  7. AM IF の調整

  8. 再調整結果



使ってみました



レベルメータ



仕様