KENWOOD KT-727

KENWOOD KT-727 がやってきた!

2008年6月14日、私のチューナーページのファンより、まだ実物を見たことのなかった KENWOOD KT-727 を研究材料として借用しました。 リペア中に壊れても補償しないということで・・・

KT-929 と兄弟機で、本機は弟になります。



状態チェック



カバーを開けてみました

  1. 基板の作りは大変良いです。 部品の配置が良く、綺麗に整然と並んでいます。 写真をクリックすると拡大写真を表示できます。

  2. 一番大きいメイン基板とフロントパネル基板は、基板自体は KT-929 と全く同じです。 違うのは実装部品点数が違うだけです。 ですから、(現実的ではありませんが)足らない部品を実装していくと KT-929 になるはずです。 最初から同一基板で2モデルを作る設計になっています・・・だから兄弟機なのです。

  3. 電源トランス、電源基板、チューニングノブ基板は KT-929 と全く同じです。 部品点数も同じです。

  4. チューニングツマミはアルミ削り出しで、かつ、フライホイールも装着されています。

  5. 底板に点検蓋を装備しており、メンテナンス性が良い作りです。

  6. FM フロントエンド部は4連バリキャップ方式です。 KT-929 は5連バリキャップなので、少しグレードを下げています。 同調回路はトラッキング調整できる構成です。 [RF 同調]→[Dual Gate MOS FET]→[RF ダブル同調]→[Dual Gate MOS FET Mixer]←[OSC 同調] の構成です。 各ブロックはしっかりシールドされています。

  7. FM IF 部は [UP CF]→[IF amp.]→[UP CF]→[IF amp.] の構成で、KT-929 よりかなり簡略化されています。 IF アンプはディスクリート構成です。

  8. FM シグナルレベルメータ回路は実装されているのですが、肝心のシグナルメータがありません・・・変なの?

  9. FM 検波部は PLL 検波 (DLLD) です。 PLL 検波は簡単な構成で良い特性が出ます。

  10. MPX 部は HITACHI HA11223 を使った PLL MPX です。 KT-929 にあったパイロット信号キャンセラー回路が省略されています。

  11. AM 部は SANYO LA1245 でフロントエンド、IF アンプ、検波など全ての機能を担当します。 2連バリキャップ方式で同調回路はトラッキング調整できる構成です。 ここは KT-929 と全く同じです。

  12. 以上より、基本性能は KT-929 とほぼ同じです!

  13. 使用 IC のロット番号より1984年製と判明しました。 電源ケーブルの製造マーキングも1984年でした。



調整

写真の FM/AM 標準信号発生器 Panasonic VP-8175A (以下 SSG)、 FM Stereo 信号発生器 MEGURO MSG-2170、 周波数カウンタ ADVANTEST TR5822 を使って調整します。 10年も経つとコイルやトリマはズレます。

  

  1. FM FRONT END の調整

  2. FM PLL 検波の調整

  3. FM MPX の調整

  4. AM 部の調整

  5. 再調整結果



使ってみました



仕様