DENON TU-1500

DENON TU-1500 をゲット!

2021年1月10日、 DENON TU-1500 を平塚市の S さんより、研究用に寄贈していただきました。

今は終了してしまった AM stereo 対応です。



程度&動作チェック

  1. 外観

  2. 入手した状態のまま電源 ON してチェックしました



カバーを開けてみました

  1. 基板の作りは良いです

  2. 以下の IC を使用して合理化が図られています

    メーカ IC 機能
    SANYO LA1265 FM/AM Tuner of Electronic Tuning Type
    LA3401 VCO Non-Adjusting PLL FM MPX
    LC72131M AM/FM PLL Frequency Synthesizer
    LC75711NE Dot Matrix VFD Display Controller/Driver
    TOSHIBA TMC87CM71F-6683 MCU
    TA2040AP AM Stereo Demodulator

  3. FM フロントエンド

  4. FM IF 部 ・・・ なかなかシッカリした構成です

  5. FM 検波部

  6. MPX 部

  7. AM 受信部

  8. プリセットメモリのバックアップ



調整

写真の FM/AM 標準信号発生器 Panasonic VP-8175A (以下 SSG)、 FM Stereo 信号発生器 MEGURO MSG-2170、 周波数カウンタ ADVANTEST TR5822 を使って調整します。 10年も経つとコイルやトリマはズレます。

  

  1. 調整ポイント



    BAND 種別 調整ポイント 調整内容
    FM L フロントエンド内
    L1
    L2
    RF
    フロントエンド内
    L3
    OSC
    IFT フロントエンド内
    T1
    IF
    T103 リア側 クォードラチュア検波 (歪率)
    T103 フロント側 クォードラチュア検波 (同調点)
    VR VR101 ミューティングレベル
    VR102 ステレオセパレーション (NARROW)
    VR103 ステレオセパレーション (WIDE)
    LPF LF101 SCA 抑止 (67kHz フィルタ)
    LF103 キャリアリーク抑止 (L ch.)
    LF104 キャリアリーク抑止 (R ch.)
    AM L T102 リア側 RF
    T102 フロント側 OSC
    IFT T104 IF

  2. テストポイント (TP)

    BAND TP 名 DMM 接続先 内容 備考
    FM TP101 TP101 の両端 クォードラチュア検波 NULL 電圧 FM 受信で同調すると 0V になる
    FM
    AM
    JV128 JV128〜GND 間 VT 電圧 バリキャップ印加電圧
    C128 C128の+側〜GND 間 S-meter 電圧 受信シグナルレベル電圧

  3. 電源電圧チェック (VP)

    ポイント 標準値 実測値 備考
    IC109 (78M12A) OUT +12V +12.04V チューナ/オーディオ用
    IC110 (78M06A) OUT +6V +5.92V ロジック用

  4. FM 受信部の調整

    手順 SSG出力 TU-1500 の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - BAND:FM
    AUTO/MANU:MANU
    IF BAND:WIDE
    - -  
    2 - 90MHz 受信 (L3) JV128〜GND 間電圧 = 8.03V 確認のみ (実測値)
    3 76MHz 受信 - JV128〜GND 間電圧 = 1.676V 確認のみ (実測値)
    4 83.0MHz
    30dB
    変調:OFF
    83.0MHz 受信 T1 C128の+側〜GND 間電圧 = 最大 IF 調整
    5 83.0MHz
    90dB
    変調:mono 1kHz
    83.0MHz 受信 T103
    リア側
    オーディオ出力 = 歪率最小  
    6 T103
    フロント側
    TP101 の両端電圧 = 0V (同調点調整)
    7 手順5と6を数回繰り返す クォードラチュア検波調整
    8 - BAND:FM
    AUTO/MANU:AUTO
    IF BAND:WIDE
    - -  
    9 83.0MHz
    90dB
    変調:stereo 1kHz
    83MHz 受信 T1 オーディオ出力 = 歪率最小 ステレオ歪率調整
    10 83.0MHz
    90dB
    変調:R/L only 1kHz
    83MHz 受信 VR103 L/R オーディオ出力電圧 = 最小 WIDE セパレーション調整
    11 - BAND:FM
    AUTO/MANU:AUTO
    IF BAND:NARROW
    - -  
    12 83.0MHz
    90dB
    変調:R/L only 1kHz
    83MHz 受信 VR102 L/R オーディオ出力電圧 = 最小 NARROW セパレーション調整

  5. AM 受信部の調整

    手順 SSG出力 TU-1500 の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - BAND:AM
    AUTO/MANUAL:MANU
    - -  
    2 - 1629kHz 受信 T102
    フロント側
    JV128〜GND 間電圧 = 7.06V (実測値)
    3 522kHz 受信 - JV128〜GND 間電圧 = 1.060V 確認のみ (実測値)
    4 999kHz
    40dB
    変調 : OFF
    999kHz 受信 T102
    リア側
    C128の+側〜GND 間電圧 = 最大 RF 調整
    5 T104 IF 調整

  6. 調整結果

    項目 IF BAND L R 単位
    ステレオセパレーション WIDE 65 64 dB
    NARROW 59 61 dB
    パイロット信号キャリアリーク WIDE -70 -65 dB
    オーディオ出力レベル偏差 0 +0.05 dB



使ってみました

  1. フロントパネル

  2. リアパネルの端子

  3. プリセットメモリ

  4. チューニング

  5. その他

  6. 感度や音質

  7. 評価



仕様ほか

  1. ドキュメント

  2. 仕様

    FM 受信部
    受信周波数範囲 76.0〜90.0MHz
    アンテナ端子 75Ω (F 端子)
    実用感度 1.2uV / 75Ω (12.8dBf)
    周波数特性 20Hz〜15kHz +0.5dB -0.5dB
    S/N 比 stereo: 78dB
    mono: 82dB
    高調波歪率 stereo: 0.12% (90% 変調時)
    mono: 0.08% (100% 変調時)
    ステレオセパレーション 50dB (1kHz)
    出力 (100% 変調時) 0.6V
    AM 受信部
    受信周波数範囲 522〜1629kHz
    AM stereo 対応
    アンテナ ループアンテナ (付属)
    実用感度 18uV
    ステレオセパレーション 26dB (400Hz)
    出力 (30% 変調時) 0.15V
    総合
    電源電圧 AC100V, 50/60Hz
    消費電力 9W (電気用品取締法による)
    外形寸法 434(W)×75(H)×242(D)mm
    重量 2.5kg
    その他
    発売時期 1998年1月
    定価 税抜33,000円