IP電話機 AT-323
IP電話機 AT-323 をゲット!
インターネットを使って世界中で無料通話できる電話機です。 入手したい方は、
AKKORD DIRECT
で入手できます。 (ここでは AK-323 という商品名です。)
中国では IP電話の使用は少し前までは違法でしたが、それが解禁されてからは IP電話の先進国になっています。 中国電信(日本の NTT に相当する大会社)などが積極的に IP電話の営業活動をやっています。 ネット検索ページから「中国電信」をキーに検索すると、日本語のページがいくつもヒットします。
この電話機があっても会話する人がいないとさみしいので、誰か同じものを買ってください。 無料でサポートしますよ!!!(電話しまくりましょう!)
外観は全くの普通の電話機です。 中国製ですが、作りが良くて国産と同レベルです。
第7世代IP電話なので、NAT越えします。 日本の IP電話より進んでいます。
VoIP回路などを内蔵した IP電話機なので、パソコンなどは不要です。 全く普通の電話と使い勝手が同じです。
普通の電話機ではモジュラージャックが RJ11ですが、この IP電話機は LAN接続なので RJ45ジャックとなっています。
電話機の裏側には MACアドレスシールが貼ってあります。 そうです・・・この AT-323 は LAN機器なのです。
通信プロトコルは H323 / SIP / MGCP / net2phone / IAX2 / WP に対応しています。 AT-323 は割と高級機なのかもしれません。
この電話機を自宅に置いて、もう1台を海外出張へ持って出かけ、無料で自宅と通話することができます。
購入時のままで動作チェック
LAN に接続するとすぐに使える状態になりました。 NAT 越えするというのは本当に楽ですね。 既に中国
SZVoIP社
のIPサーバーに登録されているようで、そのまま使えました。 通信プロトコルは H323 で動作します。
インタフェースコネクタは RJ45ジャックが2つです。 このどちらに LANコネクタに接続しても動作しました。 どうも2ポートのスイッチングHUBになっているようです。 100Base-TX でリンクしました。
ナンバーボタンの右側に小さいボタンがいくつもあります。 例えば、「LocalIP」ボタンを押すと IP電話が DHCP で取得したローカルIPアドレス(192.168.1.8など)が LCD に表示されます。 そして、親切なことに男の人の綺麗な中国語で設定を読み上げてくれます。 そうだ!この AT-323 は中国語学習マシンとしても使えるんだ!と感心したりして・・・。
電話番号は「86-9990-8XXX」と10桁でした。 最初の「86」は中国のカントリーコードです。 この IP電話機は中国内にあるのと同じ状態です。
AT-323 同士通話すると遅延は感じられますが音質は良かったです。
同じ(インターネット接続可能な)LAN内に2台つないでも電話できました。 腐っても内線電話として使えます! そうです・・・
IP電話機同士の通話はイメージ的には内線電話と同じ
なのです。
SZVoIP社の IP電話サービスでは、認証時に
IP電話の MACアドレスをチェックしていない
ようで、設定を変える事により1台の IP電話機に取得した電話番号のいずれでも設定できました。
残念ながら、PSTN(普通のメタル接続されている一般電話のこと。)には電話できませんでした。
AT-323 を英語化する
AT-323 が英語を話すようになりました!!!
AT-323 のケースを分解してみると、プリント基板に「ATCOM IP PHONE」とシルク印刷されていました。 このことより、AT-323 は
ATCOM
がオリジナルの製品とわかりました。 この情報を基にネット検索したところ、
英語ファームウェア
が見つかりました。 ここから英語ファームウェアの他、英語ドキュメントやツールまで全てダウンロードできました。
一緒にダウンロードした「PalmTool」というツールはとってもイイです。 設定したパラメータの保存(Save)/設定(Load)などが簡単にできます。 複数の設定ファイルを扱えるので、簡単にいろいろな設定を試してそれを記録することができます。 ファームや呼出音などのデータの更新やデバッグもできます。 開発ツールなのである意味、危険なツールです・・・。
一緒にダウンロードした英文マニュアルもすごくイイです。 かなり細かいことまで記述されており参考になります。 PDFファイルで52ページあるので相当読みごたえがあります。 英文はテクニカル表現なので、そのまま読んで理解できる内容です。 英文とはいいながら、所々で中国語漢字が入っているので、acrobat に中国語モジュールをダウンロードしないと完全な印刷はできないです。
早速、英語ファームウェアを導入。 今まで中国語しか話さなかった AT-323 が英語で喋ってくれるようになりました。 ブラウザから本機への設定画面も英語で表示されます。
設定画面はやはり英語のほうが判りやすいです。 喋ってくれる言語は(私は北京で6ヶ月暮らした経験があるので)英語/中国語どちらでも判りますが、設定Web画面表示は英語のほうが理解できます。
ATCOM 以外で
Kinoway
にも同じ
英語ファームウェア
があります。
SIPphoneアカウントを取得する
購入時のままでは、IP電話機同士でしか通話できません。 これはこれで内線イメージで使えるのですが、やはり PSTN にも電話したくなります。 無料で電話できるサービスがあります。
アメリカは IP電話サービスの先進国で、すでに SIPプロトコルによる電話サービス会社があります。 今回、アメリカ
SIPphone社
のアカウントを取得しました。 アカウントの取得は無料ですが、1つのメールアドレスには1つのアカウントしかもらえません。
SIPphone
のページを開くと「Click here to Get Started!」というバナーが上の方に現れているので、これをクリックします。
「VoIPアダプタを購入する」か「Softphoneをダウンロードする」か「既存ハードウェアを持っている」の選択画面になるので、私は最後者を選択しました。
アカウント作成画面で「氏名」「メールアドレス」を入力しました。 これ以外の入力は何もないです。 入れ終わって「Register」ボタンをクリックします。
しばらくすると、先程入力したメールアドレスにメールが到着します。 このメールに書かれているリンクを開くと登録完了です。
しばらくすると、メールにて「SIP number」「Password」および端末への設定情報(SIPサーバー)が送られてきます。 SIP number というのは SIP電話番号のことで、「1-747-XXX-XXXX」というアメリカの電話番号になります。
これで私も正規な SIPphone 会員になれました。
AT-323 を SIPphone で使う
AT-323 を右のように設定しました。 設定は認証とプロトコルに関するものです。 かなり完璧な設定ではないかと思っています。
AT-323 を同一LAN内(同一グローバルIP)で複数設置する場合は register port の値をずらして重ならないようにします。 例えば、最初の AT-323 の register port を 5060 としたら、2台目は 5061、3台目は 5062 ・・・のようにします。
また、既に「ぷららフォン」や「BIGLOBEフォン」のような ISPプロバイダのサービスしている IP電話があった場合は、既に 5060 ポートは使用されているので、5061 以降のポート番号を AT-323 に設定します。
以上を守らないと、IP電話同士が干渉して動作不安定になります。 rtp port はベースポートの指定であって、実際の動作では自動的に空きポートに設定されるので、これは変更不要です。
以上で見事!!! SIPphone の SIPサーバーと接続できました。
!!!!!パチパチパチ!!!!!
接続が成功した直後に SIPphone から電話がかかりました。 「おめでとう、成功しました。」というようなことを英語でベラベラ喋られました。 自動通報電話です。
AT-323 にダイヤルプランを設定する
AT-323 に取得した電話番号は 1-747-677-XXXX という全くアメリカ形式の番号です。
XXXX とダイヤリングすると 1-747-677-XXXX で発信します。
XXX-YYYY とダイヤリングすると 1-747-XXX-YYYY で発信します。
XXX-YYYY-ZZZZ とダイヤリングすると 1-XXX-YYYY-ZZZZ で発信します。
よって、日本へかける場合は 81-XX-YYYY-ZZZZ というようにダイレクトにダイヤリングする必要があります。 基本的にアメリカからかけていることになるので、前桁ダイヤリングする必要があります。 長くてちょっと面倒ですね・・・ということで、AT-323 のダイヤルプラン機能を設定してみました。
AT-323 は賢くて、ダイヤルプラン機能を持っています。 これを使う設定をしました。
<ダイヤルプラン設定> use dialplan : enable dddcode : 48 iddcode : 81 iddprefix : 010 dddprefix : 0
私は埼玉県在住ですから、048 地域に住んでいます。 例えば、048-987-2345 へ電話する場合です。
048-987-2345 をダイヤル → 81-48-987-2345 で発信します。
987-2345 をダイヤル → 81-48-987-2345 で発信します。
2345 をダイヤル → 81-48-2345 で発信します。間違い発信です。
国際ダイヤルの実験をしてみます。 SIPphone の 1-747-474-5000 をかけるとウェルカムメッセージが流れます。 IP電話の試験に使えます。
010-1-747-474-5000 をダイヤル → 1-747-474-5000 で発信します。
1-747-474-5000 をダイヤル → 81-48-1-747-474-5000 で発信します。間違い発信です。
設定はうまくいったようです。 もう全く国内電話と変わりません。 「国際電話する時は最初に 010 を付けるんだよ。」とワイフに説明しておけば十分です。 それ以外は普通の電話機と変わりませんから。
ダイヤル発信がどのようにされたかは SIPphone ウェブ上の My SIPphone ページを見れば判ります。 あと、通話記録や接続失敗の記録がちゃんと見れます。 国内の IP電話サービスよりずっときめ細かいサービスです。 なかなか Good! です。
SIPphone を使う
SIPphone では1日に1回1分の通話を5回だけ無料で PSTN にかけられます。 もちろん、SIPphone 同士ではそんな制限はなく、何時間でも無料で電話できます。 PSTN に長時間かけたい場合は、SIP Minutes というプリペイチャージを買えばその範囲内で使えます。 アメリカ(日本で SIPphone を使っていても国内扱いになります。)へは1.9セント/分、日本(日本で SIPphone を使っているので国際扱いになります。)へは 4セント/分となります。
SIPphone 同士の通話では音質が良く、かつ遅延もさほど感じない、もう普通の電話と同じレベルです。 もしかしたら SIPphone のほうが音が良いかもしれません。 これはコーディックが効いていると思われます。
SIPphone から日本の PSTN へ電話してみると、遅延はかなり感じますが音質的には問題ないです。 日本への通話は国際電話になるので、KDDI かどこかの交換機を通るためでしょう。 IP電話だと言わなければ相手に気付かれないでしょう。 この状態では、私は日本に居るのですが、アメリカの私からから日本の自宅へ国際電話したことになります。 インターネットは国境がないというのを実感します。
SIPphone からアメリカの PSTN へ電話してみると、音質も遅延も問題ないレベルです。 私は日本に居ますが電話機はアメリカにあるのと同じ状態なので当たり前かもしれませんが。
SIPphone社の IP電話サービスでは認証時に IP電話の MACアドレスをチェックしていないようで、設定を変える事により1台の IP電話機に取得した電話番号のいずれでも設定できます。
日本ではライブドアが SIPフォンサービスをやっていますが、このサービスでは認証に MACアドレスもチェックしているようです。 このため、ライブドアから購入した IP電話機でないと使えないです。 逆にライブドアから購入した IP電話をアメリカの SIPphoneサービスに登録することは問題なくできると思います。 ライブドアが売っている IP電話機の価格も私の感覚では高いと思いますが、手軽に買えるので IP電話機購入会社としての利用価値はあると思います。
AT-323 IP電話をいじっていて面白いことに気付きました
AT-323 には Address Book 機能があります。(たぶん)フラッシュメモリになっていて100件分、名前と電話番号を登録できます。 フラッシュメモリなので電源をOFFしても登録データは消えません。
登録する電話番号はいわゆる「電話番号」もしくは「IPアドレス」でも良いようです。 「IPアドレス」を登録しておくと SIPサーバーの介在なしに IP電話同士、直接電話できます。
この Address Book に登録した電話先にダイヤリングするには、今のところ3つの方法が判っています。 (英語のドキュメントを読んでも使い方が書いてないのです。よって自分で使い方を探っています。)
以下の操作は受話器を置いたままで操作してください。(オンフックの状態)
その1
[Mem]ボタンを押して[Vol+][Vol-]ボタンで電話先を選択し、[Call]ボタンを押します。
その2
ダイヤルボタンで Address Book に登録された登録先番号を指定します。 次に[Mem]ボタン、[Call]ボタンと順に押します。 例えば、[5][0][Mem][Call] と押すと Address Book の50番目のところに電話がかかります。
その3
LCDのすぐ下にあるスピードダイヤル帳ボタン@〜Hのどれかを押し、[Mem]ボタン、[Call]ボタンと順に押します。 例えば、[A][Mem][Call] と押すと Address Book の2番目のところに電話がかかります。
笑い話ですが、どうもスピードダイヤル帳ボタンはダイヤルボタンと全く同じようなのです。 その証拠にスピードダイヤル帳ボタンだけでダイヤルボタンと同じように電話できますから!?!? ・・・ですからこの「その2」「その3」は全く同じことです。
AT-323 のファームを英語版にしてから Address Book には当然ながら英語またはローマ字で名前を登録していました。 ここに半角カタカナを入れたらどうなるのだろう???と興味が湧いたので実験してみました。
ありゃりゃ・・・カタカナが表示できちゃった!!!
どうも、LCDモジュールは日本製のものをそのまま使っているようです。 この AT-323 は日本人フレンドリーです!!!
雑感
いずれ、こういう IP電話機が日本メーカーから一般消費者向けに発売されると思います。 今発売したら、おそらく日本の電話会社はズタズタになって混乱に陥ると思います。 でも、世界が動けば日本もいずれ同調するしかないと思います。
実際に使ってみて NAT越えする IP電話はとっても便利です。 日本の IP電話回線数は世界一ですが、SIP規格の世代が古いので NAT越えできません、不便です。 このままでは世界標準に乗り遅れます。
IP電話は接続する時にだけ IPサーバーのお世話になります。 IPサーバーが IP電話機の電話番号と MACアドレスの対応付けをやっているのです。 IP電話機同士だと IPサーバーでお互いの MACアドレスの関連付けを IP電話機に教え、この後は IP電話機同士直接通信(通話)します。 よって、IP電話同士の通話は無料なのです。 逆に直接通信してしまうので課金しようがないです。 日本の異なる ISP同士の IP電話に NTT の電話網が介在して通話料を取られるのはおかしいです。 わざわざ NTT 介在をさせているのは陰謀としか思えません。 おかしいものはおかしいとユーザーが認識していないとダメですよ。
日本では ISP が IP電話サービスを提供しています。 よって、ISPを変えると電話番号も変わってしまいます。 本来は、IP電話会社が ISP と独立して存在してくれたほうが有難いです。